この記事に来られたあなたは、学校給食を続けるのがつらい・辞めたいと思っているからではないでしょうか。私も委託会社2社で4年ほど経験したあと転職した経験があります。きっとあなたもいろいろな苦労や悩みを抱えながら頑張ってきたことと思います。
事情や理由は人それぞれですが、この記事では改めてつらい、辞めたいと思う理由を整理してみます。またそれ以外に以下のことをまとめています。
- 後悔しないために本当に辞める前に検討したいこと
- 給食調理を辞めたい人におすすめの転職先
特におすすめの転職先については、辞めたい理由となっている悩みを解決できるところを紹介しています。ちなみに私は調理師歴約15年の中で転職を7回しているという経験があります。
この記事を読み終えることで、今までの給食調理の経験を生かしつつ後悔しない進路を選べるようになるはずです。
※本記事は社員向けに書いたので、学校給食パート(を検討されている)方はこちらの記事をどうぞ

※また保育園調理師についてはこちらの記事もどうぞ

学校給食がつらい・辞めたい理由4つ
1.給料が安い
調理師の平均に比べても学校給食はとにかく安いです。
でも調理師や飲食業は最初はどこでも給料が低いのは仕方がありません。でも普通数年経てばそれなりになることが多いです。
しかし、委託学校給食の場合昇給というのは絶望的なほどないです。
年のベースアップも小さいですし、責任者手当て以外はほぼ昇給しないと言っても過言ではないところが多いです。私は中途で16万円台(手取り13万円台)からでした。2社経験しましたがチーフでも20万円台前半が多く、いっても26万程度でした。経験と責任の割には安すぎですね。


2.人間関係
人間関係で辞める人もかなり多いです。
この理由はつらいですよね。辞めたいと思うほどなら、すでにたくさんのストレスに耐えてきていますよね。
ただでさえ現場内のコミュニケーションが濃くなりやすいという性質に加えて、特にチーフだと本社と栄養士というダブルパンチで上からストレスが加わることがあります。複雑な問題ですが、ここではシンプルにするために3つに分類してみました。
現場内の問題
給食現場はとにかく連携が大事。いろいろ経験してきた身として思うのは、給食はとにかく体力に加えてコミュニケーションの仕事、ということ。
チーフ、社員、パートそれぞれの立場でストレスを感じる場面が多いと思います。ただこれは運の問題が大きいですよね。私の場合も本当に恵まれた環境もありましたし、ある人が原因でどうしようもなく雰囲気が悪くなる現場もありました。結局は引っ越しのトラブルと同じで結局運次第。
ただ他の調理の仕事と比べても給食は人間関係の問題がかなり起こりやすいということは間違いないと思います。

栄養士との関係
栄養士、これは給食業界特有ですよね。特に学校給食では自治体の栄養士なので実質絶対的な力を持っています。
もちろん、上下関係なく栄養士と調理師が協働できている現場も多いですが、こだわりやクセが強すぎる栄養士なら基本的にはひたすら耐えるのみ。この場合特にチーフの方は苦労されていると思います。たびたびキレそうになってしまう気持ちもよくわかります。
ちなみに私の場合は新人のときにもストレスでした。一挙手一投足をマークされていたのが今までにない経験で嫌になりかけました。ですが2年目以降など中堅になればこの問題はほぼ解決するということを忘れないでいてほしいと思います。
本社・マネージャーとの関係
会社と合わないというのは、ほとんどの場合チーフにしかわからない特有の問題ですね。ただでさえ栄養士やパートとの問題があるのに、本社から現場をわかっていないような空気を出されるのは本当にストレスです。
これは本質的には会社の問題ですが、委託会社の場合経営方針などはどこも似たり寄ったりです。結局のところ担当のマネージャーの問題である場合が多いと感じて、これも人間関係に分類しました。
私の場合は1社目のマネージャーは現場との距離が近く親身になってくれる人でした。でも2社目のマネージャーは本当にひどかったです。基本的にやる気がなさ過ぎてすべて丸投げでした。問題が起こって現場にきたのに、適当に片づけた後ソリティアをやりはじめた姿を見て怒りを覚えたことがあります。

3.体力的にきつい
体力的なきつさは調理の仕事の中でも学校給食(大量調理)が突出しています。
毎年夏の熱中症の危険、中年では腰を痛めていない人の方が少なかったりです。一番辞めたくなる時期で分類すると、力仕事に慣れない最初のうちと年を重ねて身体を痛めたケースです。
私の場合は大量調理から離れた原因は夏の暑さでした。もともと偏頭痛持ちで、暑いと必ずといっていいほど頭痛が起きていました。夏は毎日毎日昼頃から常に頭痛。軽めの時はいいですが、偏頭痛特有の視野欠損の前兆、吐き気など重症の日もあったので夏は本当につらかったです。※最後の方は夏の体調不良が多すぎて検査入院するほどでした。

4.他にやりたいことができた
辞めたい理由が他にやりたいことができた、など前向きな理由であることも多いです。
私の身近でも料理教室の先生を目指すために辞めたチーフの女性がいました。好きで就いた仕事だけど毎日同じパターンで過ぎていくので、他にもっとチャレンジしてみたいと思ったそうです。
一方、もともとライフワークバランス重視で就く人も多いです。この場合でも本当はやっぱり諦めきれない夢や仕事があるという人も多いのではないでしょうか。

個人的な話になりますが、私の場合は学校給食を辞めた理由の99%は給料に限界を感じたからです。
ですが、最終的に調理師も辞めたのはずっと興味があったWeb系の仕事にチャレンジしたかったからです。職業訓練に通った後、現在はIT企業に入社しWebデザイナーをしています。30代半ばで未経験での転職ですので2年目の今も大変なことが多いです。ですが、もし意を決して飛び込まなかったらたぶんずっとモヤモヤしながら人生を過ごしていたと思います。
ちなみに最近HPデザインの仕事で関わらせていただいたカフェのオーナーはなんと元学校給食調理員でした。店にも伺いましたがとてもおしゃれな店内で素敵でした。
家族がいる方は慎重にならざるを得ないと思いますが、個人的には夢ややり残したことがある場合には積極的に考えてみてほしいと思います。もし失敗しても学校給食経験があれば全国どこでも仕事はあります。今まで積み上げてきた経験、手に職があることが支えになるはずです。
- 給料が安い
- 人間関係
- 体力的にきつい
- 他にやりたいことができた
辞めたいと感じる場合はどれか一つが理由というよりいくつかが重なっていることも多いのではないでしょうか。人によってはこの全部が当てはまるかもしれません。
この後それぞれの悩み別におすすめの転職先をご紹介していきます。ですが後悔しない決定をするためにも次の見出しにあるステップをぜひ踏んでみてほしいと思います。
【転職で後悔しないために】辞める前に検討したいこと
辞めたい気持ちが強いとついつい勢いで決めたくなってしまう気持ちもわかります。ですが、急ぐ前にぜひこの2つをやってみてください。
- なぜ辞めたいのか今一度整理する→転職で解決できる可能性を高めます。
- 今の仕事や職場のメリットを再確認する→後悔だけは避けたいです。
私はこれをちゃんとやらかなったので結局7回も転職することになりました。最終的にはたまたま今やりたい仕事に就けているのでいい経験になったと思えています。ですがそうでなかったらきっといろいろ後悔していたかもしれません。
1.なぜ辞めたいのか整理する
どんな仕事でも、例え憧れて始めた仕事でも、辞めたくなることはあるものです。退職や転職は人生の大きな決断です。一時的な感情に流されて後悔しないためにも上記の4つの理由のどれに当てはまるのか今一度考えてみてください。
一番大きな理由をはっきりさせるというのは大事です。いろいろな理由が組み合わさって辞めたくなる気持ちはよくわかりますし、そういう場合は頭の中もごちゃごちゃになってしまっています。そのまま勢いだけで転職すると結局なにも解決しなかったということになりかねません。最もネックになっている部分をはっきりさせることで次の転職先でも同じ問題を抱えるリスクを下げることができます。
2.今の仕事や職場のメリットを再確認する
辞めることで失うかもしれないメリットについてももう一度考えましょう。
給食調理員のメリット
改めて給食調理員のメリットを整理しておきましょう。代表的なものを表で整理しました。
残業がない | 残業がほぼ0なのは給食調理員ならではです。 |
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休みが確実 | シフト制が多い調理の仕事の中では大きなメリット。 |
1食でいい | 一日2~3食作るのは想像以上に時間に追われます。※ |
やりがい | 子どもから感謝を伝えられるのも実はうれしいこと。 |
調理に集中できる | 発注や接客などの業務がないのは大きいです。 |
※介護系などで手作りおやつがある現場の場合、さらに増えて4食になることがあります。交代制であることや量はともかくとしてスケジュールは常にタイトになります。
調理・飲食の問題の一つ、休憩については除外しました。私の経験した現場ではどこも食数が多く、昼の休憩もしっかりとれたところは一つもありません。ですが応援でいった現場などでは午前中にいったん休憩するのがデフォルトというところもありましたし、結局配属先次第です。
転職する場合、この中の何かが犠牲になるかもしれませんので今一度考えてみましょう。それでも辞めたい場合は本気度が高いはずですので、原因別におすすめの転職先をまとめた以下に進んでください。
辞めたい理由別おすすめの転職先
1.給料が安い
学校給食は他の調理に比べてもとりわけ安いので、今までの経験を生かしつつ近い仕事で年収アップするのは難しくありません。おすすめは以下です。
- 産業給食の大量調理…技術がそのまま生かせる上にベース、昇給ともに上です。※
- 介護…ベースが学校給食より上ですし、需要増で将来性が一番あります。
- 飲食店…人手不足や働き改革などの影響でひと昔前よりもいい待遇が得られる時期です。
※産業給食…企業向けの給食サービスです。社員食堂なども含まれますが、ここではセンターで大量調理するオフィス宅配型のことです。私がいたところもそうでしたが幼稚園給食(弁当型)なども請け負っていたりします。

2.人間関係
学校給食自体を嫌になっていないならまずは他社に移ることから考えましょう。ただどうせ移るならできるだけ待遇を上げたいですよね。給食業界に強い転職サイトに登録しましょう。
給食以外に他に2つの有力な選択肢があります。
- 他の委託会社…結局運次第なので現場移動も無理そうなら会社ごと変えてみるのが一手。
- 若い人が多い飲食業…50前後のベテランスタッフに嫌気がさすなら解決の一つかも。※a
- 産業給食の大量調理…本社・栄養士・現場すべてで学校給食よりもゆるいです。※b
※a 給食業界では50代前後で数十年やっているという先輩がストレスの原因になるケースがとても多いです。したがってこの場合介護、病院、保育園など他給食にいっても同じ問題が起こるかもしれません。派閥や無駄なこだわりなどに嫌気がさすことが多いなら、若い社員や学生アルバイトが多い職場を選ぶのがいいと思います。
※b 同じ大量調理でも産業給食では、栄養士が身内、衛生などルールがゆるめ、こだわりがある人が少ない(お互い干渉が少ない)、などの理由で問題が少なかったです。ですが、あくまで問題が起こる可能性が低くなるというだけで結局運です。またパートの場合は学校給食と変わらない印象でした。

3.体力的にきつい
体力や身体の問題の場合は、集団調理系でない給食系がまずはおすすめです。学校給食は特に重たい・きつい・暑いので、転職で一発で解決とまではいかなくても負担が軽くなる可能性はとても高いです。
- 保育園…食数が少ないですし、私が経験した中で身体の負担は一番軽かったです。
- 介護・病院系…学校給食などよりは量的にも軽いです。違う大変さがあります。※
- 飲食系…給食ほどの暑さや重量は少ないです。ただ労働時間の問題などがあります。
※学校給食はとにかく量が原因でうわっと大変さが押し寄せる感じです。一方病院・介護など3食提供するパターンは断続的でじりじりくる大変さがあります。常に次の食事がやってくるというスケジュール感、個別対応などで神経を使うこと、シフト制で生活のリズムが難しくなること、などです。大変さの種類が違いますし、経験的にもどちらが楽ということは言えないです。が、暑さや量・重いものが原因だと感じているなら、転職することで大幅に身体の負担が減る可能性は十分あります。
給食関連の求人も充実しているitkの転職支援サービスはおすすめです。すぐに転職という予定はなくても登録して情報収集したり、相談をしてみるのもいいかもしれません。
4.他に就きたい仕事ができた
本当にやりたいことがはっきりしている場合は他人がとやかく言う必要はありませんし、きっとこのページもここまで読んでいないでしょう。
自分ではあまり意識していなくても漠然とした憧れから今の環境を変えたい可能性もありますし、辞めたい理由を探しているとも言えるかもしれません。その場合は焦って辞めずに、もっと自分の気持ちをはっきりさせる、今の仕事を続けながらやれることをやってみるのがベストです。趣味や副業などの形でチャレンジしはじめる方法もありますし、学校給食はそれがしやすい環境です。

とはいえ、ここまで読まれているということは辞めたい気持ちがどうしても強いのでしょうし、人間関係など他の理由もたくさんあるに違いありません。このままだと、もしかしたら疲れ切って次に進む気力もなくなってしまうかも…という状態かもしれません。その場合(経済的な事情が許すなら)いったんアルバイトをしながら、というのも一手です。幸い調理経験があれば人手不足業界もあって割のいいバイトを探すことも可能です。
改めて目標を叶えるための2パターンを上げるとこうなります。
- 副業の形でチャレンジする
- アルバイトになってチャレンジする
まとめ
学校給食を辞めたくなる理由4つ
- 給料が安い
- 人間関係(現場内の問題、栄養士との関係、本社・マネージャーとの関係)
- 体力的にきつい
- 他にやりたいことができた
【転職で後悔しないために】辞める前に検討したいこと
- なぜ辞めたいのか整理する
- 今の仕事や職場のメリットを再確認する
