学校給食調理師と病院給食調理師のどちらを選ぶか

当ページのリンクには広告が含まれています。

給食系の仕事、学校給食と病院食、どちらを選ぶか迷っているでしょうか。

あるいは今現在どちらかで働いていて、もう片方に転職しようか迷っているでしょうか。

私は学校給食と病院給食、その両方を経験しています。

学校給食は約4年で4現場(小学校・中学校。自校式・センター。を網羅)経験しています。でも病院食は1現場で数か月だけです。病院食の経験が短いのであまりわかったようなことは書けないのですが、自分の経験の範囲で記事を書いてみようと思います。

この記事では以下の点をまとめてみようと思います。

  • 休みや出勤時間など働き方の違い
  • 仕事内容の違い
  • 収入面の比較
  • 新卒や調理初心者にはどちらがおすすめか
目次

シフト制かカレンダー通りか

働く上で大事なのは休みや労働時間です。

まずは学校給食から。当然ほぼカレンダー通りです。学校がある日が出勤日。夏休みなど長期休暇は契約によります。例えば8月は保育園などに応援勤務に入るというパターンもあります(正社員に多い)し、全部休みの代わりに給料ゼロというパターンもあります(契約社員に多い)。

学校給食は出勤時間と退勤時間は一定です。だいたい6時から7時の間くらいにスタートし、16時頃帰る形になります。朝はやや早めですが、夕方終わるのも早めです。

学校給食は休みの点でも労働時間の点でもブラックになりにくいです。多少サービス早出が求められてしまう現場も多めです(十数年前のことなので今は改善されているかも)。

いっぽう病院調理師の働き方はシフト制です。休みは月何日という形でランダムです。

時間帯はざっくり分けると早番、中番、遅番、といった形です。朝は4時や4時半から始まり、最後は8時や8時半です。その範囲内でシフトが組まれます。

場合によっては一日通し(12時間やそれ以上)のようなシフトもありえますし、人手不足や単にブラック企業であるという理由でそうなってしまうパターンもあります。人が辞めたりすると休みが減り、労働時間が増えるといったことが普通に発生しがちです。

学校給食は規則正しいため体調も整えやすいですし、休みなどの予定も立てやすいです。病院食は早番、遅番では生活リズムが多少ずれたりしますし(睡眠等に影響がでるという人も)、予定もちょっと立てにくいです。

仕事内容の違い

学校給食と病院食、どちらも給食系の仕事なので共通点は多々あります。例えば、人間関係やスピードが大切である点、あるいは衛生面の大切さや栄養士との協働などなど。

ただ両者には以下のような違いもあります。

学校給食病院食
多いそこまで多くない
細かさ細かくない 盛りつけなし細かい 盛りつけあり
手作り度高い既製品も多い
提供する食事一日一食昼のみ朝昼晩三食
学校給食と病院食をざっくり比較

量の違いについて

まず挙げたいのは量の違いです。基本的に学校給食のほうが多いです。もちろん数百食の大病院なら地方の小規模な小学校より食数で上回ってしまうといったことはありますが、一般的には学校給食のほうが断然多いです。当然扱う食材量が多く、調理機材も大きめになるため、身体にかかる負担などは増えます。下処理、加熱、洗浄、それぞれ同じ作業を連続で繰り返すことも多いです。

一方病院食はそこまで多くはありません。私がいた現場は病床数200程度で、だいたいは150食程度でした。もちろん食器のかごや炊飯釜などは多少重量があります。ただ学校給食と比べればだいぶ身体への負担は小さいです。

細かさについて

病院食は学校給食と比べてかなり細かいです。というよりあらゆる調理・飲食業の中でも細かさの点ではトップクラスだと思います。

ここで言う細かさというのは、もちろん調理技術的な話ではありません。患者さん一人一人に合わせて調整をしなければならない、という点です。

具体的には特別治療食形態食です。

治療食というのは、例えば糖尿病や腎臓病の方の盛りつけ量を調整したり、特定の食材を抜いたり代替したり添加したりします。例えば、一般食の方はレンコンのところジャガイモに置き換えたり(軟菜食)、本来の献立は焼き魚のところを一部の方用に少量ハンバーグを用意したり、といった感じです。

形態食というのは、刻み食やペースト食のことです。調理後に包丁で刻んだり、ミキサーにかけたりが必要です。

そして配膳の際はこの「治療食×形態食」という組み合わせが発生します。例えば腎臓病で刻み食といった組み合わせです。ちなみに炊飯も通常のごはん以外に軟飯、おかゆ、その他があり、グラム数も患者さんによって決まっています。配膳の際にはこれらが記された食札という札を見て間違いがないかチェックが必要です。

一方学校給食はドカンとまとめて作り食缶に入れるというシンプルなものです。盛りつけ自体ありません。アレルギー対応はありますがそれだけです。※ごく一部中学校の弁当給食など盛り付けありのパターンもあります。

手づくり度

学校給食は外食産業と比べても手作り度が高いです。

できるだけ地元の野菜等を使い、数もの(例えば餃子やゼリーなど)も手作りです。だしもかつお節や鶏ガラ・とんこつを使ってとりますし、ルウなども手作りです。そのため下処理、下ごしらえに時間がかかります。学校給食では喫食2時間前になってから火入れをするという原則があります。そのため10時半前くらいにその加熱に入るわけですが、そこまでは朝からずっと下処理と下ごしらえです。

一方病院食は既製品(例えば冷凍餃子)や冷凍食材(例えば葉物野菜や液卵など)の使用が多いです。

病院のほうが調理師一人当たりで作っている品数は多いはずですが、料理をしている感があるのは学校給食でした。

作り手のやりがいと楽しさ=おいしさ、とは限りません。でもそう考えた場合は、やはり学校給食のほうが病院食よりもおいしいので、やりがいや楽しさを感じやすいかなとは思います。

一日一食か一日三食か

学校給食は一日一食です。昼に向かって朝から準備し、午後は洗浄と翌日の確認をして終わりです。食材も基本的に当日納品です。

一方病院は一日三食なので、断続的な仕事になります。調理、配膳、洗浄の三か所すべてが連動してぐるぐる回っているので、例えば朝の調理がコケたみたいになると一日中すべての工程が後手後手になったりということもあります。

もちろん一人で三食つくるようなことはありません(よほどブラックでなければ)。ただ早番なら必要な仕事をして、遅番の人にしっかりバトンタッチしないといけません。それでも翌日にまた早番で出勤したら前日準備の不手際がいっぱいあって自力で巻き返さないといけないなんてこともあります。毎日毎日全部がつながり続けています。

個人的には一日一食のほうがシンプルでラクに感じます。

収入面の比較

さて一番大事な収入面のはなし。給与は基本的には病院のほうがいいです。いっぽう学校給食は本当に安いです。※自分の地域で求人比較してみるのが一番わかりやすいです。

ただ実際に割がよいのはどちらなのか(時給換算)はよくわかりません。病院は勤務日数が多く、労働時間が長い(サービス)というのを考慮すると一概には言えないかも。

また収入の多寡の話以外では、病院調理師のほうが柔軟な働き方の可能性があります。以前はあまり見かけなかったですが、最近の求人ではパートの調理師をけっこう募集しています。例えば週3日とか早番や遅番だけといった形です。昔は調理補助でしかこういった働き方はできませんでした。でも今は社員の調理師と同じ調理業務という内容で短時間非正規の調理師募集がけっこう出ています。調理補助ではなく調理師としての募集なので時給も悪くありません。おそらく人手不足などの影響かと思います。おそらく今後もこういった動きは増えていくと思います。病院調理師のほうが将来性は高いのかもしれません。

フーズラボは飲食業界専門の転職支援サービスです。飲食業界に精通しているキャリアアドバイザーがいるため、業界特化ならではのリアルな情報を提供してくれます。そして将来のキャリアまでしっかり考えたマッチング、丁寧なサポートがあります。

特徴飲食業界の転職支援で圧倒的に成長しシェアが高い。非公開求人、優良企業求人。
実績年間3,000名以上の転職支援。転職エージェントランキング3冠獲得(※)。
対象地域東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山、名古屋、福岡
※飲食店スタッフが選ぶ転職エージェント 第1位 飲食業界転職エージェント支持率 第1位 飲食業界転職エージェント満足度 第1位

現在、飲食業界の求人は多いものの、実際には選ぶのが難しいと感じている人は多いようです。そのため飲食専門の転職エージェントであるフーズラボの強みが生きてきます。企業や店舗の実情をしっかり把握している担当者が希望に沿ったマッチングと推薦等サポートを行ってくれます。

【アイティーケー】 は外食特化の人材紹介会社で一番業歴が長いです。

転職しようか迷っている、転職をどう検討していけばいいのかわからない、経験値にあまり自信がない、といった人もここから相談するのがおすすめです。私自身利用経験がありますが、親身に相談に乗ってくれるのでエージェント利用がはじめてでも安心感を持てるはずです。

特徴キャリアプランナーが親身。すぐ転職でなくても相談OK
求人数12,000件以上(非公開求人も多く、年収600万以上案件も)。業界シェアトップクラス
対象地域首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)

【アイティーケー】 のキャリアプランナーはみな業界経験があるため、話が噛み合わないという心配はいりません。飲食業界の実情を踏まえ求職者と企業の橋渡しをしてくれます。

新卒や調理初心者にはどちらがおすすめか

新卒や調理初心者で「給食系の仕事に就きたい」という場合どちらがよいか、という話です。

これはその人の適性や目標によるので一概には言えません。ただ個人的には学校給食がおすすめです。もし両方やってみたいなら学校給食からスタートのほうがよいと思います。以下理由です。

学校給食は単品をしっかりつくるという経験を毎日じっくり積んでいくことができます。タイムスケジュールもわかりやすいですし、覚える内容もそれほど多くありません。

一方病院給食は調理も一人で複数をこなしたり、配膳も絡んできます。洗浄も3食回すうえでタイムスケジュールに絡んできます。特に大変なのは治療食や形態食などの把握と対応です。これらは新卒で調理というメイン作業がおぼつかない状況ではきついです。全体的に覚えること、状況判断が必要なことが学校給食よりも多いです。

私はだいぶたくさんの調理現場を経験した後、病院食にいきました。そのため難しいとは感じませんでしたが、それでも最初は種類の多さに面食らいました。もし新卒で入ったらパニックになったかもしれません。

一言でまとめると学校給食はシングルタスクなのに対して病院食はマルチタスクです。マルチタスクというのは大げさというか意味が違う気もしますが、新卒だったらそう感じそうだなと思います。

また記事内ですでに書いたように学校給食のほうが毎日、毎週が規則正しいです。そして病院食よりも手作り度も高いです。野菜などのフレッシュ食材を使い、だしやルウなども手作りできます。そういう環境で給食系の大量調理経験を積めば病院等にいっても対応しやすいと思います。メインの大量調理業務の方に自信があれば、覚えることが多くても十分対応していけます。

まとめ

学校給食調理師と病院食調理師の比較記事でした。

私は学校給食の経験のほうが長く、正直病院食調理は合わなかったなと思っています(調理そのものというより治療食や形態食の多さ)。なので全体的に学校給食のほうを持ち上げてしまった感は否めません。ただどちらも社会に必要な大切な仕事ですし、病院のほうが合う人ももちろん少なくないと思います。

なお給食系の代表として学校と病院を挙げてみましたが、もちろん他の給食もいろいろあります。例えば社食など多少の接客があるほうが合っているしやりがいを感じられるという人もいるでしょう。いろいろな特徴を整理して自分の特性や性格とすり合わせてみるのが大切かと思います。

この記事を書こうと思った理由は、自分自身給食系の転職の際情報の少なさに困ったからです。あくまで一個人の経験と主観であるという点を踏まえて参考にしていただければと思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次