料理

鶏むね肉がゴリゴリ硬い原因は調理法のせいではない

最近とんでもない鶏むね肉に当たりました。

薄めのフライドチキンにしたら、ゴムのようにゴリゴリでした。むね肉一枚分全部です。

繊維を切っていないとか、加熱しすぎ(あるいは加熱不足)とかそういうのではないです。そもそも硬さのレベルではなく硬さの種類が違う。だから擬音は「パサパサ」とか「カチカチ」とかではない。「ゴリッ」。

限りなく不快でとても食べ物の食感ではないですが、あえて他の食物に例えるなら砂肝の食感に近いかもしれないです。

切り方の問題ではないことを補足すると、仮にさいの目にしてもだめ。おそらくひき肉にしない限りゴリゴリ食感は消えないです。

 

実ははじめてではないです。よく胸肉を買うためこれまでも当たったことがあります。ただし以前はそこまでひどくはなかったです。ああハズレ引いたな、くらい。鶏むね肉一枚ぜんぶではなく部分的におかしい(この場合はたいてい硬さも軽度)というケースもありました。

ところが今回はとんでもなかったです。ゴリッゴリッのゴリッゴリッ!(伝わるのか?笑)

今回わかったこと。

一口にゴリゴリなむね肉といっても程度差がある

「木のようなむね肉」と呼ぶらしい

今回思いつく限りググってみました。なんて入れれば出てくるのか…単に「かたい」だと調理法が出てきそうなので擬音にしました。

鶏むね肉 ゴリゴリ

けっこうヒットしました。そうそれっていうやつ。

食感についてはやはり「ゴリゴリ」と表現する人が多いみたい。他の表現もいろいろありましたが。定着していない擬音でも皆さんだいたい同じ表現するんだなあ。

原因としては以下の記事が参考になりました。

食品業界は「木のような胸肉」と呼んでいる

こうした硬い胸肉の原因は分かっていないが、…数十年にわたって大型化と成長促進に重点を置いて鶏を飼育してきたことが一因ではないかとみている。

硬い胸肉はここ数年で直面している鶏の筋肉障害の一つだ。

https://jp.wsj.com/articles/SB12111607311925493378004581631860962167174

とのことです。

簡単にまとめると、安く提供するために短期間で大型に成長させようとした結果、筋肉障害が増えたとのこと。

ちなみに食べても人体に影響はないそうです。でも個人的にはちょっと疑っています。この肉について「病変」という言葉が使われていることもあります。なおゴリゴリ肉はもったいないからがんばって食べると胃に滞留してもたれる感じがします。

ゴリゴリ肉を知らない人との間に「バカの壁」がある

今回ググっていて面白かったのは、どうやらこの「ゴリゴリむね肉」に一度も当たったことない人が多いらしいことでした。

Q&Aサイトがけっこうヒットしたのでいろいろ覗いてみましたが、切り方や下ごしらえなどの調理法ばかりが答えられていたり。それに対して質問者も調理法だったのか…という反応だったり。あるいは筋や膜など部分の説明だったり精肉上の問題を挙げていたり。

でも質問の内容からはゴリゴリむね肉に当たった可能性は高く感じられます。

なぜなら質問文にこういった条件が提示されていたからです。

  • 「ゴリゴリ」「ゴリッ」などの表現を使っている →調理法で硬くなった場合たいてい「パサパサ」「カチカチ」などと言う
  • 「いつもと違って」「今回なぜか」「最近」など →はじめてむね肉を扱ったわけではなく、また料理初心者でもない感じ。いつもはこうじゃないんだけど、が伝わってくる
  • 一枚全体」がそうだった →私の経験でも最悪レベルのゴリゴリ胸肉は全体がアウト

これだけヒントがあっても回答者が調理法についてのアドバイスのみに終始するということは、この肉の存在自体知らないと考えられます。(※私も今回調べてはじめて「木のようなむね肉」と呼ばれていることを知ったくらいなので上から目線ではないです。)

一方当たる人は複数回当たったりしていて最近多いとか増えているという実感を持っているよう。たぶん意識すると軽度のゴリゴリでも敏感に反応するというのもある気がします。

なお私自身は調理師になって20年以上たちます。これまで仕事ではあまりむね肉を扱ってこなかったので食材としては全然詳しくないです。でもさすがに調理上の問題で硬くなっただけなのかは判別できていると思っています。食材の扱いうんぬんというレベルではないです。ゴリゴリ肉はかたさのレベルもすごいですが、かたさの種類が違う。ゴリゴリはまったく次元が別。いくら繊維を断ち切ろうが加熱方法や下ごしらえを工夫しようが解決しません(わずかな軽減はできるけど)。

ゴリゴリ肉に直面して困惑した人へ調理法に詳しい人が良かれと思ってそれを答えてしまうと、なるほど調理法の問題だったのか…で流れてしまう。で次回以降また普通の肉を引き続ければ、なーんだ自分の調理が未熟だったのかで終わってしまう。軽度や部分のゴリゴリも少なくないですし、そうなるとなおさら調理法のほうを再考するパターンになってしまう。

皮肉なことにゴリゴリ肉がもっともっと増えないとバカの壁はなくならない。まあ壁を無くすよりゴリゴリ肉がなくなってくれればいいだけなのですが。

スーパーに言ったら返金してくれた

今までハズレとしてスルーしていましたが、今回スーパーに相談したら返金か交換ということで対応してもらえました。

正直調理してしまうと証明できないので迷いました。クレーマーになりたくない、というかサービス業が大変なことはわかるので店に負担をかけたくない。

でも今回あまりにもゴリゴリがひどすぎたので言うことにしました。別にお金返してほしいとかではなく、販売者側がこの事実を把握することは必要だと思ったからです。

ちなみに副店長さんが誠意をもって対応してくれましたが、「ゴリゴリむね肉」の存在は知らないようでした。もちろん精肉専門ではないでしょうから仕方がないですが、小売り業界の方でも知らない実情。

なお同じような申し出はけっこうあるのか聞いたら、ないそうです。おそらくこの肉の発生頻度は結構高いと思いますが、みんな言わないですね、やっぱり。私も今回はじめて言いました、目利きできずにハズレ引いた自分が悪いとか思ってきたので。※もしくはゴリゴリ肉のクレームは多いので逆にシラを切っているのか。それは勘ぐりすぎか。

ただこの問題難しいと思います。ゴリゴリ肉なのか本当は調理の問題で硬くしてしまっただけなのか、料理初心者だと判別できないかもしれないからです。特に本格レベルのゴリゴリ肉に当たったことがない場合。比較的軽度だと調理の方法が悪いのかも…とかむね肉なんてそもそも硬いでしょ…となりがち。

ゴリゴリ肉を避ける方法

ゴリゴリ肉を柔らかくする方法がないかググりましたがありませんでした。実験したいですが、確実に本格レベルのゴリゴリ肉を入手する方法がない…まああったとしても大量に食べたくないです。

というわけでどうやって避けるかです。一番よさそうなのは飼育環境にこだわった高級なのを選ぶことでしょうがそれは家計上難しい。g68円とか普通のスーパーレベルでなんとかしたい。

で、先の参考記事とその他調査結果、また自分の経験を踏まえて言えるのはこれです。

なるべく小さいものを選ぶ

なぜなら筋肉障害は

若くなく体重の重い鶏ほど筋肉が硬くなる傾向が強まる。

https://jp.wsj.com/articles/SB12111607311925493378004581631860962167174

 

小さければ絶対大丈夫とかではなく、あくまで傾向、確率の話です。

確かに今回過去最高レベルにゴリゴリでしたが、大きさは380g超でした。また過去を思い返すとゴリゴリ肉は大きい時が多かったように思います。そういえば同じランクでも小さいほうが少ししっとり柔らかい気がします。

今後は250gとかできるだけ200g台を選ぶようにしようと思います。

 

もう一つ。

白い縞(ホワイトストライプ)が目立つものを避ける

参考記事です。

この縞は、脂肪の増加(脂肪症)と繊維症を伴う筋肉の変性を表しています。

海外では、「鶏胸肉」のホワイトストライプは成長率の増加に関連する問題だと捉えられており、非難の声もあがっているほどです。ある研究は、急激に太る育種「改良」がホワイトストライプに密接に関係していることを示しています。

https://www.hopeforanimals.org/broiler/whitestripe/

 

ただこの見分け方は皮やパックのされ方によってはほとんど見えないこともあります。でもちょっと目を凝らせばリスクを下げられそう。

ちなみに上の参考記事はむね肉の脂肪調査なのですが、縞が多い=脂肪が多い。つまりこういった鶏が多すぎると文部科学省の食品成分表どおりじゃなくなってくる、ということを言っています。ヘルシーだヘルシーだと言っている根拠は昔のデータであって、実態は違うと思われます。一個言えるのはゴリゴリ肉は食感が最悪な上に脂肪分も多いと思われるってことです。

まとめ

  • ゴリゴリ胸肉の原因は、生産性をあげようとしすぎた結果の筋肉障害
  • 切り方や加熱など調理での劇的な解決法は見当たらない
  • この肉の存在は広く知られてはいないようで調理法の問題とされてしまうケースがある
  • 返金や返品対応してもらえる(かもしれない)
  • ゴリゴリ肉を避ける方法として、なるべく小さいもの、白い縞がないものを選ぶ

今回ひどいゴリゴリ肉を引いてしまいましたが、今後もむね肉は使用していくので、また当たってしまったり何かわかったら追記しようと思います。

POSTED COMMENT

  1. 匿名 より:

    ここ数年この胸肉問題本当に悩んでました
    見た目触感大きさで概ね避ける事ができるようになりました。

    ちなみに申し訳ないと思いつつ当たった場合は捨てています

  2. CHICO より:

    私もあります、その経験!3何程前に旦那に「今回のチキンカツゴムみたいだった」と言われ、初めて気づきました。生の状態でフォークを刺した時点で分かるんですよね、「あー、硬いやつだー」と。実際今、冷凍庫にゴリゴリムネ肉一つ眠っています。どう調理したら良いのだろうかと思っていましたが、挽肉以外道はないんですね。しかもやっぱり体には良くなさそうなので、私も捨てようと思います。もうレシートもないし…。この記事、本当に参考になりました。こういう認識が広がって、飼育方法が改善されることを願うばかりです…

  3. 火星人 より:

    昨日、まさにゴリゴリ胸肉に当たりました。。
    たまに胸肉を食べているのですが、包丁で切っている時点で違和感を感じていました。。いつもと同じ調理法で作ったのですが、火を通していないかのような硬さでびっくりして断面を確認したのですが、全然火は通っていて。途中で食べるのをやめて捨てました。次の日の分も作っていたのですが、食べられないと思い廃棄しました。。今後、胸肉を買うのちょっと怖くなってしまいました。

  4. 匿名 より:

    (木のような胸肉)勉強になります。ここ数年本当に胸肉が毎回買うたびにゴリゴリの当たります!購入する時も7.8枚は一度に買うので必ずゴリゴリ何枚かは入ってます
    この前は6枚中4枚ゴリゴリで切ってる時にガッカリ。唐揚げにしたくてもゴリゴリでダメなので、ひどいものは小さく切ってチキンライスに入れたり親子丼に使ったりするとそこまで違和感なく食べる気がします。

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