【とにかく分けろ?】給食調理初心者~衛生ルールのポイント

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給食業界にはじめて入ると覚えることがとても多く感じます。その主な理由の一つが衛生ルールが多いことです(特に学校給食)。

日々作業に追われる中で、同時に衛生のルールを守るのは初心者にはきついところがあります。私も最初に給食に入ったときは毎日衛生面で注意され続けました。なかなか仕事が覚えられなくて挫折する人もけっこう見てきました。細かいことを覚えようとして頭がごちゃごちゃになってしまったのかもしれないです。

給食業界と一般の飲食店の違い、給食業界と家庭料理の違い、それは何でしょうか。

う~ん、大量であること。あ、提供時刻が決まっていること?

たしかにそういうのもあるけど、実は一番違うのは衛生だと思う。

へーってことはまずは衛生を押さえておくことがスムーズにスタートするためのポイントなのね。

はじめて給食業界に入る人は、せめて衛生面のルールを少しおさえておくだけでもスタートが違うのではないかと思ってこの記事を書いてみようと思います。※作業的なことは現場によるのでまとめられないですし、慣れがすべてとも言えるので。

目次

給食現場の衛生は何を元にしているのか

学校給食やそれに近い大量調理の衛生基準は国が示しています。法律やそのあたりの仕組みについて詳述は避けます。素人なのでごめんなさい。

「大量調理施設衛生管理マニュアル(厚生労働省)」は集団給食施設等での食中毒予防のため、調理における重要管理事項が示されたものです。「同一メニューを1回300食以上又は1日750食以上を提供する調理施設に適用する」とされています。

学校給食はどちらかと言えば文部科学省ですが、この記事の「給食」は学校以外の大規模な施設等も含めています。

どちらから行っても国が示している要点はほぼ同じです。いかにもな「マニュアル」文章なので未経験で読んでもイメージがわきません。現場で数か月やそれ以上経験したら一度はこういった国の文書に目を通すのもいいと思います、という感じです。

国が示している衛生管理基準を雑にまとめるとこうなります。(あくまで私独自の超雑なまとめ方です。偉い人に怒られるかも。)

  • とにかく分けろ
  • 清掃!消毒!
  • 温度!記録!

こんな感じです。で、これのうち1番目の「とにかく分けろ」が初心者のつまづきポイントかなと思いますので、さわりだけ書きます。

「とにかくあらゆるものを分けろ」

私独自の雑な解釈です。以下の説明も自身の現場経験を主にしています。

分けるって何を?という話ですが、調理に関わるいろんな要素です。つまり床のエリア、作業台、シンク、服装、調理器具、食材、などほとんど思いつくすべてです。

何をどう分けるかの例です。※学校給食の場合

納品された野菜(例としてニンジン)はまず皮を剥いて洗うのですが、この皮むき~洗浄時の作業環境を整理するとこうなります。

  • エリア:下処理室
  • 調理設備:下処理室内の作業台やシンク
  • 服装:下処理用のエプロン・くつ
  • 調理器具:下処理専用のまな板と包丁
  • 食材:混ぜたりしないで種類ごと

このニンジンは次のカット工程に進むとこうなります。

  • エリア:下処理室  →調理室
  • 調理設備:下処理室内の作業台やシンク  →調理室の作業台やシンク
  • 服装:下処理用のエプロン・くつ  →調理室用のエプロン・くつ
  • 調理器具:下処理専用のまな板と包丁  →調理用(加熱前)のまな板と包丁

下処理(皮むきと洗浄)とカット(せん切りにしたり)では全部分けているのです。

※すべての現場がこうできるとは限りません。なので作業台やシンクなど分けられるスペースがない場合は線を引いたりしてわけましょう、的なことが述べられていたりします。

なお当然ですが分ければ分けるほど効率が落ちコストがかかります。ですので一般の飲食店や家庭ではほとんどこういった「分ける」ということをしません。そこを効率以上に衛生を重視して分けるのが給食です。

入ったばかりだと下処理室の靴のまま調理室に入ってしまったり、専用のエプロンを付け忘れたりといった間違いをしがちです。

食材をどう「分ける」の?

分けるものの中に「食材」を入れました。食材そのものを衛生面でどう分けて考えるのでしょうか。

まず大きくは加熱前加熱後に分けます。

細かいことを言うと「加熱後」とは最終加熱のことです。例えば「アク抜きのための下茹で」などは、後でもう一度加熱するので最終加熱ではありません。

また加熱前でも洗浄前洗浄後で分けます。

ただし生で食べるフルーツなどはカット作業が最終調理工程です。おかずで言えば最終加熱後みたいな扱いです。つまり「あとはそのまま口に入る」という状態。したがって加熱前の野菜をカットするのと生食のフルーツのカットは全然別物です。この二種類ではエプロンや包丁やまな板を分けるのが基本になります。

そして同じ加熱前でも肉や魚類は特に注意が必要なものとして分けます。なお学校給食では(ほとんどの大量調理も)肉や魚類はカット済みのものが納品されます。したがって下処理や洗浄というのはありません。学校給食では加熱前の肉類を扱う際にはエプロンや靴を分けます。

まとめ

給食業界に入ると最初に衛生の動画を見せられることが多いです。あまりおもしろくはないのでこれだけですべてのコツを把握できる人などほとんどいません。そのため現場に入ってとにかく注意されまくります。

ただ国が示している衛生基準のポイントをざっくり押さえておくとこんなメリットがあると思います。

  • 新しく教えられたルールを丸暗記するのではなくしっかり体系的に整理できる(細かいルールをバラバラに覚えようとするときつい。だから原理原則を押さえてしまった方がいい。)
  • ローカルルールに振り回されない(給食現場は個人で勝手にルールを作る人が多い。衛生面では少ないが、まったくないとは言えない)
  • 怒られてもすぐに理解できる、あるいは心の中でひっそりと反論することですっきりできる
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