衛生と効率のはざま~現場のジレンマに対応する

当ページのリンクには広告が含まれています。

本来、衛生は妥協すべきではない絶対ルールのはずです。でも現場にいるとそうもいかない場合があります。時間、設備、人手などから完璧にはできないこともあります。

例えば、欠員のため厳格にルールを守っていたら明らかに提供時間に間に合わないとき。そんな時でももちろん「ここぞというポイント」は外してはいけません。でも抜いてもまず大丈夫というルールはけっこうあったりします。

目次

説明できれば手を抜いてもいいこともある

例えば85度1分という確認。中心温度計で確認するわけですが、1分間というのは実際に確認するのはきついです。というわけで一瞬でも到達が確認できればよし。実際私のいたすべての現場はこれでした。

揚げ物なら油から引き揚げた後も中心温度計をさしっぱなしで確認をとるという手もあります。でも汁物で差しっぱなしは厳しい。こういう場合は本来1分後にもう一度さすのが一番いい。

こういう体験をいろんなパターンの料理で試しておけば自信を持って1回の到達で大丈夫と断言することができるようになります。

ほかの例としては作業前チェックリスト。もうああいうのはアプリの利用規約並みに形骸化しています。ほんと意味ないと思っています。ただ一応ちゃんとしっかり毎朝読みながらチェックしている現場だとして…朝、急に欠員が出てすぐにでもスタートしないといけない日。こういう場合チェックリストに記入するよりすっ飛ばしてすぐに作業に入るほうが正解だと個人的には思います。(ただその根拠としてそのリストが頭に入っている、というのが建前上は条件かもしれない。)あとは丁寧な身支度をすっ飛ばして、とりあえずシンクに水だけためるとかお湯だけ沸かし始めるとか。

でもたまにこういう事態でも融通しないタイプの人もいます。ある意味究極に給食向きの人です。スピードよりも丁寧さ。でもたいていそのしわ寄せはスピード重視型の人にいきます。(まあいろんな人がバランスよくいる職場が一番いい気がしますし、お互いにあまり責めないで長所短所をわかり合えて自然に補えているのが理想。)

余談ですが上で例に出した、アプリの利用規約をちゃんと読んでいる人は5%ほどだそうです。そんなにいるのかと驚きました。1%もいないんじゃないかと思っていたので。たぶん給食のチェック表も読んで確認しながらつけている人はものすごく少ないと思います。

そもそも衛生管理マニュアル通りにやるのは不可能

衛生管理マニュアルに完璧に従うのはほぼ無理です。例えば冷凍冷蔵庫は週に1回は電源を抜いて全在庫を取り出して清掃…などと書かれていたりします。

こういうのを全部そのままやったら完全に労働基準法違反か経営破綻のどちらかしかありません(もしくは予算をとる、つまり税金を上げる)。給食制度が破綻したら子供たちも社会もみんなが困ります。

他の例で言うと、実際にあったのは「午後の洗浄時も床にいっさい水をはねさせるな」という無理難題。ドライシステム(床をドライな状態に保つ)を厳格に適応されると洗い物が終わりません。

ポイントを知っておき、適度に妥協するためには給食の目標を体系的に総合的に理解することが大事です。給食の要は衛生ですが、衛生だけでは成り立たない。

給食の限界や実状の把握。具体的には人手不足。優秀な人・やる気のある人の不足は以前からですが、それに輪をかけてどんどん人数じたいが不足してきています。現実に一人一人の自己犠牲で成り立っているのも事実だったり。

こういうことも知りつつ日々を回しているのが現場の責任者。なのでその下につく人はある程度責任者の方針にしたがって妥協することはありだと思います。でもあくまで理想形と各ルールの根拠を知っておくことは大事ですが。

例えば加熱温度と冷却温度。食中毒菌の特性を全部覚えていなくてもいいですが、主な特徴くらいは押さえておく。スマホでキーワードで調べればすぐに詳細な説明ができるくらいには引き出しを整えておく。細かい点は覚えていなくてもざっくりした言葉で要点や理由を説明できることは大事です。

まとめ

適当に書き始めたら何が言いたいのかよくわからない記事になりました。

書きたかったのはこれだけです。給食で働いていると、そして国の衛生基準を読めば読むほど、衛生と効率のジレンマに陥ったりすることもある、という話。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次