給食転職

学校給食調理員の職病病と予防法

学校給食は大量調理のため他の調理業に比べて身体への負担が大きく、職業病にかかりやすいです。

腰痛など一般的に料理人がかかりやすい職業病と同じですが、重度の症状が出る確率が高いです。30前など若い人は大丈夫ですが、年を重ねた人はパート・社員に関わらず大抵どこか痛めていました。

この記事では以下のことをまとめています。

  • 給食調理員のかかりやすい職業病と予防法
  • 給食調理員の方が他より健康面で恵まれている点

給食調理員のかかりやすい職業病

腰痛

厨房での腰痛の原因は主に2つあります。

  1. 重いものを持つ
  2. 腰を曲げたままの姿勢

学校給食の場合この両方が一般の厨房よりきついです。

数百人分、センターなら2000~3000人分になりますので、各作業が重労働になります。社員の場合、単発で重いものを持ち上げる機会も多いので「あっ!」と思ったらぎっくり腰になってしまうこともあります。パートの場合数十枚のお皿の入ったかごを何十回も繰り返し運んだりするので、単発では大丈夫でもだんだん痛めていくことが多いです。

下処理中や洗浄中などはシンクに対して前傾姿勢でいることが多いですが、これが腰にダメージを与え続けます。私の場合身長も高めなので重いものよりもこっちの方が辛かったです…

予防法

一人で無理しない

単発の重いものに関しては基本的に一人で無理してしまうからなります。なのでとにかく誰かと一緒に持ちましょう。持てても持たないというのは大事です。

私もそうでしたが男性の方がついつい無理してしまうので自重しましょう。普段から「腰が少し痛いので」など(実際にはあまり痛くなくても)周りにアピールしておくといいです。

あとは重いものを持ち上げる方法というか身体の使い方を覚えるといいです。

少し前から本格的に筋トレをはじめて気づいたのですが、自分は重いものを持つときに腰にずいぶん負荷をかけてしまっていたのだなと気づきました。

具体的には腕など上半身で持っていた感じなのですが、これを上半身の力は使わずに下半身で持ち上げる(というか脚で地面をける)イメージにしたら身体の感覚が全く変わってびっくりしました。

感覚を掴むまで難しかったですが、興味がある方は「デッドリフト」などで検索してみてください。(引っ越し屋さんはマッチョだからというのもありますが、たぶんこういった身体の使い方が上手いから作業姿勢もきれいにみえるんだなと思いました。)

作業途中にストレッチをする

次に前傾姿勢が続くための腰痛ですが、これは途中で定期的に伸ばしましょう。と言っても現実的にはなかなか難しいんですよね。私は特に余裕が全くない食数の多い現場ばかりだったので…それでも、、やった方がいいです。

野菜や食缶の洗浄など殺伐とした雰囲気だとなかなか自分だけ「う~ん」と伸びをしたりもできなかったりします。私は「最近腰痛いっす」っとか「そろそろ伸ばさないと原始人になる」などと言って10秒くらい伸びしたりグルグル回したりしていました。(どうでもいいですけど実際は原始人の方が姿勢がよかったらしいですね。)雰囲気よく人間関係がいいとできますが、なかなか自分1人の力ではどうにもならないことが多いんですが…

このあたりはチーフがどんどん発信していってほしいなと思います。

仕事前後のケア

腰にはっきりした痛みなどがないと怠ってしまいがちですが、自宅でできることを毎日やりましょう。

風呂以外にマッサージ、ストレッチなどとにかく腰をいたわってあげる意識が大切だと思います。仕事前に腰回りを中心にカンタンな体操をするのもいいでしょう。

前屈運動などで腰の回りの筋肉を伸ばしていくのがいいようです。



慢性化する前に手を打つ

ある意味予防法から外れてしまいますが、どうしても慢性化しそうな場合他の調理に転職するのも手だと思います。私の場合学校給食から産業給食という5000食くらいの職場に転職してからさらに腰が悪化しました。本格的な病名がつくようなものではなかったですが、ピキピキと痛むことが多い感じでした。ひどいときは重いものを持つたびにギクッといきそうで毎日怖かったです。

重症化はしてはいなかったのでその後普通の厨房(200食の障害者支援施設)に転職したらウソのようになくなりました。まったく重いものを持たないわけではないですが、やはり大量調理の現場はめちゃくちゃ重労働だったんだなあと感じました。介護施設や病院食、保育園などへの転職は方法の一つかと思います。

あとは地味にベッドをいいものを使うようにしたのもよかった気がしてます。



腱鞘炎

給食では重いものを運ぶケースが多いので手首に負担がかかって腱鞘炎になります。

飲食店でもホールでの皿の持ち運び、フライパンや鍋ふりなどで起こるので給食に限ったことではないですが、やはり給食では腱鞘炎になっている人が多かったです。私のまわりでは社員よりパートでした。主な原因は食器など配膳の負担です。

一度なってしまうとつらいので予防と早めの処置が大切です。

予防法

入念にストレッチをしましょう。手首をグルグルするだけなら仕事の合間にもできることが多いと思います。お風呂につかりながらできるストレッチとしては一番お手軽ですし、毎日のクセにしてしまうのがおすすめです。

痛みがでたら早めに医者にかかった方がいいです。私の場合手首ではないですが、指が腱鞘炎になり自力で手を開けなくなる(反対の手を使って開かせるしかない)まで悪化させてしまったことがあります。原因は鮮魚加工の仕事で包丁を持ち続けていたことです。重症化のため手のひらの各指の付け根に注射を何本も打つという治療になってしまいました。ちなみにこれ普通に柔らかいところに打つ注射と違ってめちゃくちゃ痛かったです。(てのひらに打たれるのはビジュアル的にも怖すぎました)それでもなかなか治らず通院が長引き仕事にも支障がでました。

このように慢性化すると本当につらいですし、最悪仕事を辞めざるをえなくなることもあります。たかが軽い腱鞘炎と侮らずに早めに病院など手を打っていくのがいいと思います。

手荒れ

手荒れは飲食店でも多いですが、冬場の給食では特に多いです。お湯を使う時間が長いので。

私もずいぶんやられました。洗剤が合うかどうかもあります。企業向けの弁当調理の会社では洗剤が合わずに(激安のを使っていた)手が痛くて仕方ありませんでした。

予防法

ハンドクリームを使うのは必須だと思いますが、可能な範囲でいいものを使いましょう。また可能な範囲で長手袋を活用しましょう。



やけど

これは職業病というか事故ですが、私の周りに多かったので含めてみました。具体的にはオーブンから出した後の鉄板フライヤー関係の2つが特に危険です。もちろん回転釜もありますが。

私の最初の上司(チーフ)は女性でしたが鉄板が触れてしまって腕にはっきりと大きな跡が残ってしまっていました。その後結婚のために退職したのですが、ドレスで隠せるか…という話をしていました。

それもあって十分気をつけていたのですが、後にセンターで調理していた際に鉄板を男性パートの腕に触れさせてしまい、かなり大きなやけどを負わせてしまったことがあります。(正確には焼き上げたあとのコンベクションオーブンの棚ごと触れた感じです。食数の割に異常に狭い調理場だったのです。)その方は60歳くらいで厨房経験が長く、やけどなんて日常茶飯事だというような感じで流してくれましたが本当に申し訳ないことをしました。

また女性の先輩で珍しいパターンで大やけどを経験した人がいました(私の入社前の出来事として聞きました)。揚げ物中フライヤーから油があふれたので、あわてて真下にある元栓を閉めようとしてあふれている油の滝の中に腕を突っ込んでしまったそうです。当然大やけどでチーフは責任を感じて辞めようとしたほど。ですが全く跡は残らなかったということでよかったです。

またフライヤーの油はねはどうしても多いです。私の腕にも数か所目に見える跡が残っています。

あとはガス釜に点火するときに手間取りすぎて漏れたガスで「ボンッ」となり、髪の毛が焦げた(気がした?)という話をしていた先輩もいました。正直私はこの爆発パターンが一番怖かったです。

予防法

これは気をつけましょう、としか書けないですが、コンベクションオーブンと鉄板は特に注意しましょう。慣れてきたときほど危険なので、とにかく声掛け前後左右の確認ですね。

あとはフライヤーの油には指を突っ込んでも意外と平気(熱くない)ということを知っておいてほしいなと思います。怖がってぽちゃぽちゃ投げ入れると危ないので…

熱中症

(これもふつう職業病とは言わないと思いますが)私の場合毎年なるのがデフォルトみたいになってたので、個人的には一番怖かったですし職業病と呼んでいいと思っています。

締め切った暑い室内で大量の火を炊くことで温度・湿度は飲食店などとは比較になりません。エアコンはまったくと言っていいほど効いていません。服装も帽子やマスクなど全身を覆っていて作業も重労働なのでさらに危険が増します。私が大量調理の仕事から離れた理由の一つでした。

予防法

水分(塩分)補給は必須です。私の最初の現場ではみんな水筒をもってきていました。

他に首に冷却シートを貼ったり、タオルで保冷剤を当てたりしているパートさんもいました。私はめんどうでやらなくなってしまいましたが、首は本当に効果高いのでおすすめです。

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学校給食調理員のメリット

職業病をみていくと他の飲食業より過酷そうですが、もちろん以下のようないい点もあります。

生活習慣病の予防

料理人、飲食店員は意外と糖尿病など生活習慣病のリスクが高い生活をしています。

例えばとんこつラーメン店など糖質&脂質の多いメニューを提供している店でまかないなどを食べていると危険が高まります。ここまでいかなくても、まかないはどんぶり飯などで掻き込むようなところも少なくありません。

夜遅くなるのでご飯はコンビニとか酒とつまみだけなどという人も多いです。家でまで作りたくない、疲れているし時間がないという理由で、自分のご飯は手抜きになるというのは皮肉なことです。

一方学校給食調理員はお昼ごはん一食でも栄養バランスはいいですし、夜も自炊の時間を取ることができます。

規則正しい生活と休日

飲食店などでは夜営業が中心なので夜型の生活になりがちです。日付が変わって帰宅し、昼近くまで寝るなどもあります。また病院給食などはシフト制で早番、遅番など生活リズムが難しいです。

その点学校給食は飲食業界ではありえないほど規則正しいですし、休日も土日祝としっかりとれます。

学校給食調理員は激務で職業病も多いですが、栄養・休養が取りやすいので飲食店の料理人よりも長生きできそうな気もします。

どんな仕事にも職業病はある

職業病が転職を検討する一因になることも多いかもしれません。ですがどんな仕事にもメリット・デメリットはあります。今の仕事のメリットや転職後の新たな職業病の可能性も検討しましょう。

私はここに上げたすべての職業病を経験してきました。

そして座り仕事がしたいのもあって調理師からWebデザイナーに転職しましたが、こんどは眼精疲労、肩こり、頭痛という職業病に悩まされています。暑さや腰痛で辛いという理由もあって調理から転職しましたが、正直どちらも同じくらいつらいです。(単発では調理師の職業病の方がきつかったですが、眼の痛みや頭痛は本当に一日中じんわりと続くのでツラい…)

給食・飲食の中でも職業病は学校給食が一番

調理業の中では、学校給食(大量調理)というジャンルは職業病のリスクは一番です。腰痛、腱鞘炎、手荒れ、やけど、熱中症などどこの厨房でも起こりますが、発生の可能性・重症化の危険性はやはり最も高いと思います。

同じ給食業界でも病院食や介護食は別のストレスや大変さがありますが、少なくとも職業病リスクは低下させられると思います。

まとめ

給食調理員は、腰痛、腱鞘炎、手荒れ、(やけど、熱中症)のリスクが他の料理人よりも高いです。これから給食をはじめようという方は最初から予防を心掛けてリスクを減らしてください。現在働いている人は重症化すると大変なものばかりなので少しでも気になる症状があったら、こまめな習慣で予防することが大事です。

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