学校給食調理員の職病病と予防

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包帯を巻こうとしている手。泣き顔。給食の現場。

学校給食は大量調理のため身体への負担が大きく、職業病にかかりやすいです。

もっとも他の料理人でも腰痛などは多いですが、給食の場合重度の症状が出る確率が高いと思います。年を重ねた人は社員・パートに関わらず大抵どこか痛めていました。

この記事では以下のことをまとめています。

  • 給食調理員のかかりやすい職業病と予防法
  • 給食調理員が健康面で恵まれている点

予防法については医者ではないので、あくまで現場での経験側的なものです。また後半は「職業病」というよりは「事故のリスク」みたいな話ですがご容赦ください。

目次

腰痛

厨房での腰痛の原因は主に2つあります。

  1. 重いものを持つ
  2. 腰を曲げたままの姿勢

学校給食の場合この両方が一般の厨房よりきついです。

食数は数百人分、センターなら二千~三千人分などになりますので、重いものが多く各作業が重労働になります。

社員は単発で重いものを持ち上げる機会も多いので「あっ!」と思ったらぎっくり腰になってしまうこともあります。

パートは数十枚のお皿の入ったかごを何十回も繰り返し運んだりするので、単発では大丈夫でもだんだん痛めていくことが多いです。

下処理中や洗浄中などはシンクに対して前傾姿勢でいることが多いですが、これも腰にダメージを与え続けます。私の場合身長も高めなので重いものよりその方が辛かったです。

腰痛の予防法の一つは、一人で無理しないことです。

ギクッというのは基本的に一人で無理してしまうからなります。なのでとにかく誰かと一緒に持ちましょう。持てても持たないというのは大事です。

私もそうでしたが男性の方がついつい無理してしまうので自重しましょう。普段から「腰が少し痛いので」など周りにアピールしておくといいです。

他には重いものを持つ時の身体の使い方を覚えるといいです。

少し前から筋トレをしていて、自分は重いものを持つときに腰にずいぶん負荷をかけてしまっていたのだなと気づきました。

今までは腕など上半身で持っていた感じなのですが、これを上半身の力は使わずに下半身で持ち上げる、イメージとしては脚で地面をける感じにしたら身体の感覚が全く変わってびっくりしました。

感覚を掴むまで難しかったですが、興味がある方は「デッドリフト」などで検索してみてください。引っ越し屋さんは、たぶんこういった身体の使い方が上手いから作業姿勢もきれいにみえるんだなと思いました。

あとは作業途中にストレッチすることです。

シンクなどに対して前傾姿勢が続くための腰痛。これについては途中で定期的に伸ばしましょう。と言っても現実的にはなかなか難しいんですよね。私の場合も余裕がない、食数の多い現場ばかりだったので。

野菜の洗浄や食缶の洗浄など殺伐とした雰囲気だとなかなか自分だけ「う~ん」と伸びをしたりもできなかったりします。私は「最近腰痛いっす」っとか「そろそろ伸ばさないと原始人になる」などと言って10秒くらい伸びしたりグルグル回したりしていました。(どうでもいいですけど実際は原始人の方が姿勢がよかったとか…)

作業中のストレッチは雰囲気や人間関係がいいとできますが、なかなか自分1人の力では…。本来このあたりはチーフがどんどん奨励してほしいなと思います。

仕事前後のケアも大切です。

腰にはっきりした痛みなどがないと怠ってしまいがちですが、自宅でできることを毎日やりましょう。風呂以外にマッサージ、ストレッチなどとにかく腰をいたわってあげる意識が大切だと思います。個人的にはベッド(マットレス)はいいものを使うことが大事だと感じています。

仕事前後に腰回りを中心に簡単な体操をします。前屈運動などで腰の回りの筋肉を伸ばしていくのもいいようです。

最後は、慢性化する前に手を打つ(食数の少ない調理に移る)ことです。

ある意味予防法から外れてしまいますが、どうしても慢性化しそうな場合他の調理に転職するのも手だと思います。私の場合学校給食から産業給食という5000食くらいの職場に転職してからさらに腰が悪化しました。本格的な病名がつくようなものではなかったですが、ピキピキと痛むことが多い感じでした。ひどいときは重いものを持つたびにギクッといきそうな感覚になり毎日怖かったです。

その後小規模の厨房(200食程度の施設)に転職したらウソのようになくなりました。まったく重いものを持たないわけではないですが、やはり数千という大量調理の現場は重労働だったんだなと感じました。ということで介護施設や病院、保育園などへの転職は方法の一つかと思います。

腱鞘炎

給食では重いものを運ぶケースが多いので手首に負担がかかって腱鞘炎になります。

飲食店でもホールでの皿の持ち運び、フライパンや鍋振りなどで起こるので給食に限ったことではないですが、やはり給食では腱鞘炎になっている人が多かったです。

私のまわりでは社員よりパートでした。主な原因は食器など配膳の負担です。

一度なってしまうとつらいので予防と早めの処置が大切です。

まずは入念なストレッチです。

手首をグルグルするだけなら仕事の合間にもできることが多いと思います。お風呂につかりながらできるストレッチとしては一番お手軽ですし、毎日のクセにしてしまうのもいいかもしれません。

また痛みがでたら早めに医者にかかった方がいいです。

私の場合手首ではないですが、指が腱鞘炎になり自力で手を開けなくなる(反対の手を使って開かせるしかない)まで悪化させてしまったことがあります。原因は鮮魚加工の仕事で包丁を持ち続けていたことです。重症化したため手のひらの各指の付け根に注射を何本も打つという治療になってしまいました。これは普通に柔らかいところに打つ注射と違ってめちゃくちゃ痛かったです(てのひらに注射針を打たれるのはビジュアル的にも怖すぎました)。それでもなかなか治らず通院がしばらく続き仕事にも支障がでました。

このように慢性化すると本当につらいですし、最悪仕事を辞めざるをえなくなることもあります。たかが軽い腱鞘炎と侮らずに早めに病院など手を打っていくのがいいと思います。

手荒れ

手荒れは飲食店でも多いですが、冬場の給食では特に多いです。お湯を使う時間が長いので。私もずいぶんやられました。

お湯だけではなく洗剤が合うかどうかも関係します。

産業給食の会社にいた時は洗剤が合わず(激安のを使っていた)手が痛くて仕方ありませんでした。

予防法としてはやはりハンドクリームです。できれば良いものを。

ハンドクリームはすでに使用している人が多いと思いますが、可能な範囲でいいものを使うのは大事です。私の場合もドラッグストアで安いやつを使っていた時はダメでしたが、高価なものを試したら改善されたことがあります。

また可能な範囲で長手袋を活用することです。

このゴム手袋使用もすでにやっているかと思いますが、これを徹底することです。つい忙しいと「少しだからつけなくていいや」となりがちです。

やけど

あとは調理員(特に社員)に多いのはやけどです。これは職業病というより事故ですが、私の周りに多かったので含めてみました。

具体的にはオーブンから出した後の鉄板、フライヤー関係の2つが特に危険です。

もちろん回転釜(汁物など)もありえますが。

私が直接かかわった人たちの例では…

最初の上司(チーフ)は女性でしたが鉄板が触れてしまって腕にはっきりと大きな跡が残ってしまっていました。その後結婚のために退職したのですが「ドレスで隠せるか」という心配をしていました。

他にも給食センターで鉄板(移動式のスチコンの棚ごと)を男性パートの腕に触れさせてしまいやけど。

また先輩本人から聞いた話で、フライヤーから油が大量にあふれたので、あわてて真下にある元栓を閉めようと、あふれている油の滝の中に腕を突っ込んで大やけど(チーフは責任取って辞めようとしたほど。でも幸い跡はまったく残らず)。

私自身はよくあるフライヤーの油はね。腕に数か所目に見える跡が残っています。

あとはガス釜に点火するときに手間取りすぎて漏れたガスで「ボンッ」となり、髪の毛が焦げた(気がした?)という話をしていた先輩もいました。正直私はこのガス関連、爆発パターンが一番怖かったです。

予防法は「気をつけましょう」としか書けませんが…

コンベクションオーブンと鉄板は特に注意です。何事も慣れてきたときほど危険とはよく言われますが、とにかく声掛け、前後左右の確認です。

あとは「油には指を突っ込んでも意外と平気」ということ。

フライヤーの油はね防止です。新人は熱した油には指を突っ込んでも意外と平気(熱くない)ということを知っておいてほしいなと思います。怖がって投げ入れるほうがよほど危ないので。

熱中症

(これもふつう職業病とは言わないと思いますが)一番怖い熱中症です。

私の場合毎年なる(軽め)のがデフォルトみたいになっていました。暑さに弱い体質のようです。大量調理の仕事から離れた理由の一つでした。

締め切った暑い室内で大量の火を炊くことで温度・湿度は飲食店などとは比較になりません。エアコンはまったくと言っていいほど効いていません。

服装も帽子やマスクなど全身を覆っていて作業も重労働なのでさらに危険が増します。

予防としては水分(塩分)補給は必須です。

私の最初の現場ではみんな水筒をもってきていました。忙しくても定期的に飲むのは大切です。このあたりは責任者の声かけなども大事なのだろうと思います。

冷却シートや保冷剤などの使用も有効です。

冷却シートを貼ったり、タオルで保冷剤を当てたりしているパートさんもいました。首に保冷剤(タオルで巻く)は本当に効果高いのでおすすめです。

学校給食調理員の健康面のメリット

職業病をみていくと他の飲食業より過酷そうですが、もちろん以下のような良い点もあります。

栄養面での生活習慣病予防

料理人、飲食店員は意外と糖尿病など生活習慣病のリスクが高い生活をしています。

例えばとんこつラーメン店など糖質&脂質の多いメニューを提供している店でまかないなどを食べていると危険が高まりそうです。

ここまでいかなくても、まかないはどんぶり飯などで掻き込むようなところも少なくありません。

夜遅くなるので晩ご飯はコンビニ、あるいは酒とつまみだけなどという人も多いです。疲れているし時間もない、家でまで作りたくない…そうやって自分のご飯は手抜きになるというのは皮肉なことです。

一方学校給食調理員はまず昼食の栄養バランスは最高です。また夜も自宅でしっかり摂ることができます。

規則正しい生活と休日

飲食店などでは夜営業が中心なので夜型の生活になりがちです。

日付が変わってから帰宅し、昼近くまで寝るなどもあります。

また病院給食などはシフト制で早番、遅番など生活リズムが難しいです。

その点学校給食は飲食業界ではありえないほど規則正しいですし、休日も土日祝としっかりとれます。

学校給食調理員は激務で職業病も多いですが、栄養・休養が取りやすいので飲食店の料理人より長生きできそうな気はします。

どんな仕事にも職業病はある

職業病が転職を検討する一因になることも多いかもしれません。ですがどんな仕事にもメリット・デメリットはあります。今の仕事のメリットや転職後の新たな職業病の可能性も検討してみるのがよいかもしれません。

私はここに上げたすべての職業病を経験してきました。

そして座り仕事がしたいのもあって調理師からWebデザイナーに転職しましたが、こんどは眼精疲労、肩こり、頭痛という職業病に悩まされています。調理師時代は暑さや腰痛で辛かったですが、正直どちらも同じくらいつらいです。瞬間的には調理師の職業病の方がきつかったですが、眼の痛みや頭痛は本当に一日中じんわりと続くのでこれはこれで…定期的に本当につらいです。

まとめ

給食調理員は、腰痛、腱鞘炎、手荒れ、やけど、熱中症のリスクが高いです。

まだ給食をはじめたばかりの方は最初から予防を心掛けてリスクを減らしてください。甘く見て重症化してからでは大変なものばかりなので、こまめな習慣で予防することが大事です。

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