給食転職

学校給食調理員の年収アップの方法5選

こんにちは。元給食調理員のもとちょうです。

委託の学校給食員(社員)給料めちゃくちゃ安いですよね。業界全体何とかならないものか…現役の頃はいつも思っていましたし、別業種に転職した今でも思っています。将来的に本当に給食作る人が足りなくなるんじゃないかと思って心配してます。

この記事では給食調理員の給与アップの方法を5つご紹介します。自動的な昇給は悲しいくらい少ないので自分からアクティブに動く方法です。ちなみに全部私が試したことです。4番目の「公務員になる」という方法だけは失敗しましたが、後はぜんぶ成果が出ました。

ベースアップ以上の昇給交渉をする

どこも基本のベースアップは本当に少ないですよね。なのでそれ以上に上げてくれるように昇給の交渉をしましょう。

よほどミスしているとかじゃなければ強気にごねてOKです。なぜなら本社側の人間も「調理員の給料めちゃくちゃ低いなあ」と思ってくれているからです。むしろ何も言わない方が不思議なくらいに思っていることもあります。なので言っても「まあ、そうだよね」となって評価を下げたりはしないはずです。また本当に辞められるくらいなら+αの昇給で手を打ってくれる確率は高いです(このあたりの本社の仕事は経験したことはないですが、退職後の交流などで本音を聞きました)。

新卒の場合は厳しいかもしれませんが、中途採用なら理由をつけて交渉してみましょう。大抵の中途は能力と年齢の割に初年度月給設定が低く設定されてしまっているからです。私の場合首都圏でしたが初年度16万円台でした。新卒ならともかく中途でこれはひどいと思います。ひどいというのは、調理経験が数年ある人なら1年経てばサブチーフと変わらないくらいにはできているからです。

私の場合「1年目は初心者だったので仕方ないですが、やはりこれでは生活が苦しいので考えてしまいます…」とかそんな感じで色を付けてもらいました。チーフではなく本社に直接交渉しました。

本社の人事担当・マネージャーも大抵薄給なので、あまり板ばさみにして困らせない程度にしてあげましょう。とはいえ調理員を甘く見ている人も事実多いのであくまで強気でOKです。実際本当に転職となれば本社の人間より調理師の方が強いのでガンガン行きましょう。

もちろん給与交渉に不利になるような大きなミスはしないように日々気をつけましょう。事故さえ起こさなければはっきりとした減点にならないので、最初の1~2年はスピードや味よりも安全と時間に集中しましょう。そのうえでチーフから信頼と評価を得られるように日々がんばるのが大切です。

役職手当をもらう

具体的にはサブチーフ、チーフへと昇格し手当てをもらう方法です。だいたいサブチーフ手当が1~2万円台、チーフ手当が3~4万円台くらいが相場です。

これは基本的に今いる現場で上が空くのを待つ形になりますが、自分からやりたいですと手を上げれば異動してでも上を目指していくことは可能です。

割がいいのはサブチーフです。サブの話をもらったら迷わず受けましょう。この記事を読んでいる方は経験者か現役の方が多いと思うのでわざわざ説明するまでもないかもしれませんが、サブはほとんど三番手と変わりませんよね。チーフが休んだら代役やりますがあとは特にこれと言って明確な役割がありません。お店の「副店長」とかだと店長がいない日や時間帯に代わりをつとめますけど、学校給食の場合チーフはほぼ100%いるのでほぼ肩書だけで給与アップというのはおいしいです。

一方チーフは急激に責任が上がるので金額によっては割が悪いと感じる場合もある気がします。サブチーフ→チーフで激変します。

個人的にはサブ2万でチーフ4万とかよりは、サブ1万でチーフ5万とかの方が実態に合った割合な気がします。でもサブは中堅の給料アップの手段なので本当にこうすると「サブになってもこれかあ」となって辞めてしまう率が上がりそうですが。

余談ですが給料や手当の額は絶対他言しないようにしましょう。給食に限ったことじゃないですが中途採用では給与設定や手当の出し方が適当だったりするので、同僚と思わぬトラブルが起きかねません。

他社へ移る

1社目にいるなら「会社に交渉して給料を上げてもらう」より転職する方が上がる確率が高いのでおすすめです。これは飲食店でも同じです。美容師などもそうだと聞きますが、新卒・初心者として安く雇ったところはやめる覚悟で交渉でもしない限りまともな昇給はしてくれないのでいっそ「経験者・即戦力」として他社に移る方がはやいのです。

前項のように役職手当をもらう方法が昇給の主流です。なので昇進が自分のスキル・経験値の上昇と同じペースだったら文句はありません。ですが、能力に自信があったり、特に2年3年以上やっているのに上が詰まっていてサブチーフにすらなれない場合は転職した方がはやいと思います。

学校給食は「経験年数」を最も評価する業界ですが、実際自分で考える力が高い人は短期間でベテランを追い越すことも可能です。修行や身体で覚える系の仕事ではないからです。学校給食の場合同じことの繰り返しなので一つの会社・現場ではスキルが伸び悩みます。

例えば転職で現場を変えると以下のように幅を広げることができるかもしれません。

  • 鉄釜とスチーム釜
  • 単層フライヤーと連続フライヤー
  • 違う自治体、栄養士の献立
  • 自校式とセンター

こういった引き出しが増えると転職の際にどんな現場でも即戦力になるということでいい待遇を引き出せます。なにより自分の自信になります。

今の会社で仕事をしながら現在よりいい待遇のところにだけ絞って転職活動をしましょう。無職になってしまうとどうしても弱気になりますが、現職を維持してさえいれば給与面でも強気で具体的な交渉ができます。在職中のほうが印象がいいですし、正直に「給与とスキルアップのためです」という志望動機が生きてきます。欠員が出て急募している会社なら即戦力として高く評価してくれるところも少なくないので、ベースで2~3万アップなら十分狙えます。

ちなみに私の場合5万(17→22万)上がりました。学校給食以外の事業を並行してやっているセンターだったからというのもありますが、一気にスキルアップもできました。

給与交渉を代行してもらう、という手がある

ちなみに転職する際に応募先と給与交渉する、というのは結構大事です。給食業界では入社した時の給与がずっと基準になりつづけてしまうということが多いからです。

でも実際に交渉するというのは難しいですし、入社後の心証とかも気になりますよね。

転職エージェントを利用することで待遇交渉を代行してもらうということが可能になります。

例えば「月〇〇万円まで条件を上げてくれれば入社する」といったことを単なる希望ではなく条件にすることもしやすいです。選択肢の一つとして考えてみてください。

下の記事では給食業界での転職に強いエージェントをまとめています。

給食業界(集団調理)でおすすめの転職エージェントは?給食・集団調理のおすすめ転職エージェントをまとめました。集団調理経験者の転職先や可能性・ニーズの高さ、エージェント利用にあたって知っておいた方がいいこと、具体的な利用の流れなど、この記事に目を通すことで後悔しない転職活動に近づけてください。...

 

公務員を狙う

委託ではチーフでも300万円台前半どまり、400万に届く人はごくわずかだと思います。一方公務員なら初任給こそ委託と同水準ですが、年齢を重ねさえすれば年収500万台くらいまではあがります。

ほとんどが民間委託になっている学校給食調理員ですが、ごくわずかまだ公務員の募集がどこかしらの自治体であるということは見逃せません。

しかしこれは残念ながらあまり現実的ではありません。まず機会がほぼないと言っていいくらい少ないです。自分の住んでいる県に1件か2件くらいと思っていいでしょう。あとは若くないとダメです。応募条件的には30代前半くらいまで可となっている場合がありますが、おそらく20代前半でないとほぼ受からないと思われます。

なぜなら公務員は年齢で給与が決まるので、年齢が高い人を合格させる場合それなりの客観的な理由が必要になるからです。ちなみに私は34歳の時に3件の受験経験があり残念ながら不合格でした。

給食公務員試験は年齢が高くて転職が多くても受かる?給食調理公務員の採用試験に年齢と転職歴はどう影響するのでしょうか。自身の3自治体への受験経験からまとめています。...
【受験体験より】給食調理員の公務員試験はどういう内容が出る?給食調理の公務員試験について、一次試験・二次試験の内容と対策をまとめています。自身の受験経験をもとにしているので具体的な傾向をつかむのに役立てていただけるはずです。...

20代前半など若い人は圧倒的にチャンスなので少なくとも隣の県くらいまで範囲を広げて調べてみてください。

他の集団給食に転職する

これは「学校給食の年収アップ」から外れるのですが実際有力な選択肢なので紹介します。

学校給食調理員の給料が上がらない根本的理由はみんな一緒です。それは学校給食の受託会社は「人件費をケチる」ことでしか利益が出せないから。付加価値の高さ(高い衛生や実績)などをアピールすることで営業している会社もありますが基本的には安さです。地方自治体はどこも財源不足ですし、今後地方を中心にさらにそれが加速します。安さ=人件費削減を売りにせざるを得ません。

同じ理由で病院、保育園なども厳しいです。

ですが、集団給食の中にも実力次第で給与を伸ばせる業界があります。それが産業給食です。

オフィス向け宅配弁当がおすすめです。単に人件費削減で利益を出すという仕組みではなく、通常の飲食店経営と同じく売上・実績次第で給与アップが狙えるからです。オフィス向け宅配弁当は企業によって明暗分かれていますが、昼食難民を狙い受注のIT化などを進めている企業は大幅に業績を伸ばしています。回転釜や連続フライヤーなどでの調理になるのでダイレクトに経験を生かせます。私は学校給食からこの業界に移って100万くらい年収が上がりました(逆にいうと学校給食がそれだけ安い…)。

【年収大幅アップ⁉】学校給食からのステップアップ転職ならオフィス向け宅配弁当がおすすめ学校給食調理員をしていて給与面での頭打ちに悩んでいる方におすすめの仕事としてオフィス向け宅配弁当という仕事があります。経験者として収入面、仕事内容、メリット・デメリットをまとめました。...

 

また介護関係は将来性という意味ではねらい目です。少子化の学校給食に対して高齢者という市場は拡大し続けます。介護調理師の需要は増え続けますし、AIの時代になっても給与がアップすると言われている数少ない職の一つです。はやいうちに経験者となっておくことで、引く手あまたになれるかもしれません。安定という意味では最もおすすめの一つです。

飲食専門のitkは給食業界の転職情報も充実しているのでおすすめです。

 

以上給食調理員の年収アップの方法まとめでした。

以下関連記事です。

委託の学校給食調理員の給料は低すぎるのか?やってられないと思う瞬間委託の学校給食調理員の給料はどのくらい安いのか、またその原因について経験者の目線からまとめています。...

給食業界は給与交渉をはじめ自分からアクティブに動いていかないとなかなか厳しいものがあります。がつがつしていると思われるのを気にする必要はないです。続けたいからこそより多くお金を稼ぐ必要があるわけですし、それに見合うだけ自分を磨いていきましょう。

副業でトータル年収を増やすという現実的な方法

今やどんな職種でも給料を上げるというのは大変です。現状維持ならいいほうで、下がっていってもおかしくないくらいの時代になっています。

ということで本記事で紹介した方法5選よりもいっそ副業するというほうが現実的で確実かもしれません。自由な時間は多少犠牲になりますが副業してトータルの年収を上げるという考え方です。

幸い調理員はほとんど残業がないのでこれが可能です。

もし興味があれば以下の記事をどうぞ。調理員時に私や同僚が副業していたことなども紹介しています。ネットを使うことで雇われない副業というのもどんどん身近になっています。

給食調理員におすすめの副業は?給食調理員は副業のチャンスが多い仕事です。副業が可能な理由や、おすすめの副業を紹介しています。せっかく残業がない仕事なので、トータルでの収入アップを目指しましょう。...

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です