学校給食は給料が上がらないからもう辞めたい。
かと言って給食の経験を生かして給与面でのステップアップは難しそう...そう思っていませんか。
そんな方には産業給食弁当の会社(オフィス向け宅配弁当)がおすすめです。
私は学校給食4年の後産業給食弁当に転職して年収が100万くらい上がりました(実績次第ですが委託学校給食とは違いボーナスもふつうに出るところも多いです)。
同じ集団給食・大量調理なので学校給食経験は評価されやすいですし、実際回転釜の経験などダイレクトに生きます。
ですが...「給食」は給食でも実際は学校給食とはぜんぜんイメージが真逆です。
産業給食…社食とか企業向けの食事提供。
産業給食弁当…企業向けの弁当給食のことです。あらかじめ契約した企業から毎日電話などで食数の注文を受け、それをお昼までに配送する仕組みです。あらかじめルート契約している昼食弁当屋っていうのがわかりやすいかもしれません(社食の出前、福利厚生の一つだったりします)。メニューは3種類とかあるパターンが多いです。調理規模としては数千食レベルが多いです。ですが一つのメニューにつき数百食程度なのでそうなると一つ一つのメニューは自校式の学校給食くらいになったりします。そのくらいの食数単位でおかずを何種類も作っていく感じです。
産業給食弁当業界は基本的に自由
産業給食弁当の大きな特徴は、学校給食のようなルールや几帳面さがなく自由ということです。
まず調味料とかいっさい量りません。
学校給食しかやったことがないと衝撃かもしれませんが(私がそうでしたw)、回転釜に計量もせずに直接スコップで砂糖をドサッと放り込み、醤油も一斗缶からドバドバ適当に流し込んで味付けしていきます。
ちなみに仕込みは人参、玉ねぎ、キャベツなどはフレッシュを使いますが、冷凍野菜もかなり使います。早朝から加熱調理するパターンになるので仕込みは前日です。
※3年ほど働いていたところをはじめ、前職で研修で行ったセンター、他社面接で受けた説明、体験で1日だけ入ったところ、在職中の横のつながりで同業他社との交流で得た情報を総合してまとめています。きっちりしたところもあるのかもしれませんが、大方どこも上記のような仕事の進め方をしています。
産業給食の集団調理では適当にスピーディーなことが大事なので、一人で同時に回転釜3つ(それぞれ別料理)とかやります。イタリアンのシェフが同時に3つ、4つパスタのフライパンこなしているのと同じイメージで回転釜を使います。
学校給食のように喫食時間制限とかないですし、間に合わせればとにかく自由なので火にかけておいて冷蔵庫に涼みに行くとか外に一服しに行くとかも自由です。

なぜそんな大雑把な仕事になるかというと、外部の栄養士のように監視役がいませんし、そもそも衛生基準とかも実際ないようなものだからです。(私は学校給食出身なので衛生はかなり気をつかっていましたが、各調理師任せという感じです。)
産業給食は自治体委託の「給食」と違って普通のお店と同じく「売上」「利益」を出してなんぼの世界なので、とにかく原価を下げて安く提供するのが大方の会社の方針です。
産業給食集団調理がおすすめなタイプ
おすすめなタイプをまとめました。
お金で評価してほしい
学校給食はほぼ給料が上がらないです。
一方産業給食は学校給食よりもベースが高めなのと昇給のチャンスがあるというのが特徴です。
相場のイメージとしては転職時で+5万くらいは上げられると思います。産業給食側から見て学校給食経験者は評価されやすいですし。私は最終的に責任者にもなったので学校給食時より10万近く上がりました。委託の学校と違って売上とか成果を出せばちゃんと上げられます。
もっとも伸びていない会社を選んでしまうと、学校給食同様人件費削減の対象になるだけなのでそこの見極めは重要です。おすすめの会社の見極め方は後述します。

学校給食の量なら余裕
というか物足りなくなった…産業給食は数千食規模が基本です。学校給食センター経験があれば十分やれるはずですが、自校式からの場合かなり余裕があると感じていない限り最初は体力的にきついかもです。
学校給食のルールがめんどう
先述のとおり細かい書類や衛生のルールなしです。
学校給食の細かすぎるルールはイヤだという人、自分で考えてやりたい人にはおすすめです。
味付けや段取りなど自由にやりたい
基本的にレシピなし・味付けなども自由です。
なので自分で考えて自由にやりたい人におすすめです。(自由過ぎて最初不安になるくらいすべてが自由なところが多いです)。逆にレシピをみないと不安な人は向かないです。
学校給食同様週末休みたい人
土曜は交代で出勤などのところもあります。ですが一般企業に合わせて営業しているので基本的に日・祝は確実に休めます。
回転釜の扱いはじめ学校給食での大量調理経験というのは、なかなか一般の飲食などでは生かせません。(病院食や介護食などはアレルギー対応食経験などは生きると思いますが、学校給食のメインとも言える大量調理経験がいまいち生かせません。)
そこで産業給食というわけです。上記に当てはまる方はぜひ検討してみてください。
学校給食→産業給食へ転職のデメリット
労働時間が伸びる
労働時間がちょっと伸びることが多く、朝早い(午前4時とか5時~など 大量すぎるところでは深夜から 10時間~拘束とかが多い)プラス1,2時間で給料がグッと上がるのが大幅なプラスに感じると考えればデメリットとは言い切れません。学校給食より身体は疲れます。
味付けがおおざっぱになる
安い冷凍食材や肉等を食べられるレベルに引き上げるために、濃い味付けにせざるを得ない(学校給食で作っていた味に比べるとたまに悲しい気持ちになる)
手作りできない
ハンバーグとかフライとかは全部既製品を加熱し直すだけなのでそういう料理はまず作れない(学校給食の数もの手作り的な仕事をしたいなら絶対やめたほうがいいです)
同じようなことの繰り返しで飽きる
なんというかひたすらスピーディーにB級レベルのおかずを作りまくると、とにかく飽きる(←これは最終的な私の退職理由)
おいしい給食を作りたいと思って学校給食をやっていた人は違和感を感じると思います。代わりにお金のためという、完全に割り切れる人は最高に自由でいいですが。
私はというと最初完全に割り切っていたのですが、やっぱりどうせ作るなら美味しいもの作りたいっていう気持ちに戻ってしまいました。また学校給食時代は味覚が冴えていましたが、産業給食に入ったら一気に舌がバカになったというか大雑把な味の判断になってしまって悲しくなりました。
学校給食って外食産業に比べて格段にいいモノ使ってたりしますから。国産野菜使ってちゃんとだしやスープも取ってたなあとか、どこかで常に思い出していた気がします。
またしっかりした衛生ルールがないと不安ならやめておいた方がいいです。
ということで簡単ですが「産業給食」という選択肢をご紹介しました。
オフィス向け弁当業界は一部で伸びている
なおコンビニの台頭等で地方の産業給食は徐々に衰退しているのが実態だと思いますが、逆に都市部ではオフィス向け宅配弁当は人気で業績を大幅に伸ばしているところも多いです。
狙い目は以下のような企業です。
- 都市部など昼食難民が多い地域をターゲットにしていること(企業側が福利厚生の一環で取り入れる)
- IT化を進めているところ。電話注文というアナログが多い業界ですが、注文~支払いなど煩雑だった管理をIT化で大幅に効率化しているところは伸びています。
- 採用時30万円台~はけっこう普通なので、最低でも28万~くらいからで検討した方がいいと思います。
一般的にはあまり知られていないと思いますが、学校給食経験者には有力な選択肢の一つです。
逆パターンはおすすめできない
ちなみに逆パターンで現在産業給食をやっている方には学校給食はあまりおすすめできません。一番大きいのは基本給料の割は下がる(体力的にはラクになるでしょうけど)からです。
またおそらく培ってきた自由な仕事スタイルゆえに栄養士と細かいルールになじめない可能性が高いです。
メリットは拘束時間が短くなりやすいのと、健康的なまかないが食べられることくらいでしょうか。
まとめ
学校給食調理員をしていて給与面での頭打ちに悩んでいる方におすすめの仕事としてオフィス向け宅配弁当を紹介しました。
以下この記事のまとめです。
- ベースが学校給食調理員よりも高く、年収アップが狙える
- 学校給食調理員の経験は評価される
- 比較的自由な風土だがデメリットもある
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