今学校給食調理員をしているけど、一般の飲食店に転職したいという人もいると思います。
家族ができた、将来の心配があるという場合、収入の面から見てどうしてもそうせざるを得ない人も多いでしょう。実際私の給食調理員時代の先輩や同僚も30歳前後でほとんどが転職していきました(男性陣)。その後連絡を取り続けているわけではないのですが、転職後の様子ではそれぞれ強みを生かして活躍していました。
この記事では以下をまとめています。
- 学校給食経験を転職時にどうアピールできるか(履歴書、面接)
- 学校給食経験のみの場合、飲食店に行った場合にどんな課題があるか
- 飲食店以外の有力な転職先
自分の強みと弱みを整理して転職への準備していきましょう。
Contents
学校給食経験を転職時にどうアピールできるか
履歴書や面接でアピールするポイントを探すのを難しいと感じるかもしれませんが、以下のポイントを応募先に応じてアレンジしてみましょう。
知らないジャンルがない
和洋中すべてに関わるので全く知らないジャンルというのがなくなります。専門の人から見たら浅いかもしれませんが何が来ても一応こなせる(よほどの技術がいること以外は調べたりすれば対応できる)というのは思っている以上に強みになります。
私の場合ケータリングサービスの会社に行った際に、パーティー料理で洋と中をさばく必要があったため学校給食でのこういった経験が生きました。
料理の基礎を知っている
各種だし、ルウなど既製品を使うことがないので料理の基礎が身についています。これは意外と大きくて和洋中の場合専門外は全くやらないという店も多いですし、チェーン系だとベースは工場で作っているためそういった基礎を全く知らない人も多いです。
料理の基礎的な部分をまんべんなく押さえていることが底力になります。
下処理のスピード
野菜の下処理や野菜のカットなどスピード面は強みの一つです。どこに行っても最初に見られるのは包丁さばきだったりするので、「できるやつ」と評価してもらいやすくなります。
実際チェーン店出身者などは包丁が苦手な人が多いのでこれはけっこうアドバンテージになります。

スタッフ・工程管理の経験
チーフ経験がある人はマネジメントが強みになります。シフトを回すというより毎日全員を直接まとめ上げていく必要があるので、特に意識していなくても十分力がついているはずです。サブに比べてその実績が評価される可能性は高いです。実際私も産業給食業界へと転職する際にはそのあたりを評価してもらい、面接中に手ごたえを感じました。
またチーフがやるとは限りませんが、工程表作成や動線図作成などは意外とどんな厨房に行っても役に立ちます。一般の飲食の人はいちいち書類など作成しませんので、手は速いのに無駄が多くなっている人も意外と多かったりします。この辺りをしっかりとやり込んでいて計画と効率を考える習慣が身についているのも役に立ちますしアピールできるポイントです。
※私の自己PR例
あまり参考にならないかもしれませんが、私自身が学校給食の経験をアピールに使った例です。何年も前なので具体的ではないですが、要旨だけメモしておきます。ポイントとしては学校給食現場のイメージが全くわかない面接官も多いため、具体的なスキルをはっきりとアピールするように心がけていました。
産業給食(オフィス向け宅配サービス)への転職時
大量調理経験がありますので、回転釜やフライヤーの扱いには慣れています。また責任者としての工程管理の経験を生かし、人員配置やタイムスケジュールなど現場全体の管理を担えるように成長していきたいです。

ケータリングサービスへの転職時
和洋中などの専門は持っていませんが、基礎的な知識はまんべんなく習得しています。(イベントなどで数百人分の調理がたまにあるという話だったので→)包丁での切込みのスピードには自信があります。
学校給食経験のみの場合、飲食店に行った場合にどんな課題があるか
学校給食の強みを見てきましたが、以下のように弱み・課題になる部分も多くあります。
- 魚、肉の加工
- 飾り切りや盛付
- フライパンの扱い
- 感覚での味付け
- 複数料理の同時並行作業
また店長など管理職系になると以下のような課題が考えられます。
- メニュー作成
- 仕入れ、発注、原価計算
- 接客、クレーム処理

接客や管理などが苦手だしやっぱり無理かなという方へのおすすめの転職先
店舗への就職の場合、どうしても店長候補などの管理職系の仕事が多くなると思います。新卒でないとホテルや板前などは難しいですし。となるとやはり課題は調理経験よりもマネジメント力になってきます。ですが、そうなると苦手な方も多いかもしれません。
そういった方にはやはり同じ給食業界がおすすめです。ただしこの記事をここまで読んでくれているということは給料が上がらないと意味がないという人だと思うので、その方向で2業界に絞って紹介します。なおいずれも私自身経験者です。
1.力と体力には自信がある人、工程管理に自信がある人【産業給食】
こういった人にはオフィス向け宅配弁当のセンターがおすすめです。自分が学校給食→産業給食弁当というルートで給与アップできたのでこのサイト内でやたらとプッシュしてしまってるのですが、ほんとうに大量調理経験がダイレクトに生きます。
回転釜やフライヤーの扱いなどもそうですが、工程管理の経験も生きてきます。特に書類作成やチーフ経験がある人は全体を見渡せるので、慣れたら早い段階で工程のリーダーなど上に立つことができると思います。学校給食経験が生きて2年後に料理長(調理から盛付まで全工程の最高責任者)になり給与は月額30万台半ばくらいでした。
ただし、勤務時間などが実質10時間くらいになるところが多いのでそこを妥協できるかです。それでも学校給食+副業というパターンよりは楽なはずですので現在副業しているという方には特におすすめできます。
求人を探す際は最低でも27、8万~程度のところに絞って行った方がいいと思います。そうでないと学校給食とあまり変わらないという結果になりかねないので。ただ伸びている企業なら産業給食の方が昇給のチャンスは多いので、いったん業界に入ってしまうというのもアリだと思います。
2.細かい仕事には自信がある人
この場合は介護業界がとてもおすすめです。介護業界は給与が安そうなイメージがありますが、実は学校給食より平均的に高いです。
ハローワークなどの求人ではそれほどいい条件は発見できませんが、介護に特化した求人では好待遇の案件が多いです。25万スタートなどの求人が多くあります。経験が買われればこれにさらにプラスされる可能性もあります。衛生面やアレルギー対応経験は介護業界で評価される可能性が高いです。
細かい仕事には盛付の他に、学校給食にはなかったペースト食や刻み食などの作業が含まれます。調理したものをミキサーで撹拌しとろみをつける。包丁で細かく刻むなどです。こう書くと簡単そうですが、これが限られた時間では意外と大変だったりします。私は養護学校給食と介護食、高齢者配食を経験していますが、この作業が時間のプレッシャーの関係で一番苦になっていた時期があります。盛付もあるので、学校給食のアレルギー対応などで「めんどうくさい」と感じてしまう人にはあまりおすすめできません。
このあたりがストレスにならない性格の人は体力的にも学校給食的な大量調理より楽になると思いますし、何より将来性が一番高い業界なのでおすすめです。
飲食業界専門のitkの転職支援サービスは、未経験職種などへの挑戦も含めて親身に相談に乗ってくれるのでおすすめです。
