【受験体験より】給食調理員の公務員試験はどういう内容が出る?

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試験会場のビル。

私は給食調理員の公務員試験を受けたことがあります。一つの年度に3つの自治体を受験しました。結果は一次試験は3つとも合格でした。が、二次試験は1つ辞退、2つ不合格でした。

この記事はこんな方のお役に立てばと思って書きました。

  • 試験の内容がわからないので応募しようか迷っている
  • 応募先の自治体から発表される前に試験内容をイメージしたい
  • 受験は決めているが実際の試験のイメージが湧かなすぎる

私は結果的に不合格だったのであまり偉そうなことは書けません。また公務員試験や受験に詳しいわけでもありません。ですが一次試験はすべて合格しているので、一般教養、作文、適性検査について少なくとも致命的な間違いはしていないはずです。参考にしていただける部分もあるかと思います。※私が受験した時に感じたことは、自治体の給食調理員試験は情報が少なすぎるということでした。調理員枠の専門の対策本などはたぶんありません。

なおあまり具体的な問題内容等は書けないので濁しています。

目次

一次試験

自治体によって試験内容は違う

まずはじめに自治体によって一次試験の構成は違います。私の場合以下のように三者三様でした。

択一式教養試験作文適性検査
N市
T市なし〇(2種)
M市なし(2次試験にあり)
給食調理員試験一次の内容

なお各試験がどういう重みづけをされているのかは公表されないので全くわかりません。もしかしたら単純な加点方式ではなく、足きり方式もあるのかもしれません。このあたりは公務員試験のプロの方に情報を求めていただくとして、私は自分が受けた試験内容等について事実だけを書いていきます。また対策は実際に受けた身としていかに点数を伸ばせるかという視点で書いています。

択一式教養試験

まずはマークシート式の教養試験です。最初に受験した市で次の試験のためと思って終了直後にメモした内容を記載しておきます。五肢択一でした。

以下が各1~2問程度(中学校レベルが多い)

  • 政治・法律(憲法と地方自治や国会)
  • 経済(自由競争の条件)
  • 歴史・地理(時代や国を選ぶパターンや穴埋め)
  • 化学(イオン結合)
  • 生物(優性の法則、血液)
  • 漢字(読みや四字熟語)
  • 数学(グラフや面積、三平方)
  • 英語の読解

その他

  • 国語の読解(4問)
  • 判断推理、数的推理(10問くらい)
  • 資料解釈(2問)

対策

割合としては5割が知識問題でした。レベルは中学校の内容が多かったです。残りは3割ほどが推理問題で、2割は読解や資料解釈でした。

資料解釈というのは、グラフや表などを読み取って正しい肢を選ぶものです。だれでも時間をかければできるくらいの難易度です。

こういった内訳なので中学校の復習を優先したいところですが、範囲が広いため忘れている知識を思い出すのがたいへんです。ですのでまずは推理問題を優先する方がいいと思います。練習さえしておけばその場で解けるからです。難易度は他の公務員試験と比べると最も易しいので練習すれば必ずできるようになります。

私は以下のシリーズで対策しました(勉強が苦手でもわかりやすいのでおすすめ)。この本の一番簡単なやつがしっかり解ければ大丈夫です。予定を立てるなら1日30~60分で1週間程度を目安で間に合うかと思います。(私は出題レベルを考えずに対策をすすめてしまったため一番難しい☆3つのやつも練習してしまいました。ですがまず出題されないのでこういった無駄は避けましょう。)

知識問題のレベルを知りたいと思われる方もいると思うので歴史で実際に出題されたものを一部だけ書いてしまいます。「次のうち江戸時代に起こらなかった出来事はどれか」→「参勤交代」などの選択肢がある中で正解は「御成敗式目」。このように歴史・地理の出題ではかなり広く浅い知識を問われました。また生物なども血液成分の役割(赤血球、白血球、血小板など)など中学校の理科の復習をしておけばOKな内容です。

勉強が嫌いだった人も「中学の勉強でこんな言葉あったっけなあ」というくらいに思い出しておくと意外とできるかもしれません。また勉強が得意だった人は練習問題形式でやらずとも言葉や概要だけ思い出しておけばまず大丈夫です。対策するなら一般教養の一番簡単な本でOKです。イメージとしては2週間前から毎日スキマ時間にパラパラ眺めていくくらいでしょうか。受験資格的に20代の方が多いはずなのでこれで間に合うでしょう。

作文

次に作文についてです。出題テーマは前もって知らされずその場で問題を裏返した時にわかります。3自治体ともすべて給食に関するものでしたが、うち1つは自由テーマでした。ちなみに字数はすべて800字でした。

出題されたテーマの概要だけ書きます。以下のキーワードが含まれる題でした。

  • 「公務」「理想」「給食」
  • 「市職員」「危機管理」「調理員」

また1自治体では以下の出題でした。※言い回しはわざと変えてあります。

  • 「学校給食であなたが重要に思うこと」というテーマで題を自由に設定して書きなさい。

私は「食育の基盤を担う学校給食の役割」として書きました。

対策

対策のポイントは以下です。

  • 800字を基準に練習する
  • 「給食」+「何か」という組み合わせで頭の中に筋書きを作っておく

私は事前の情報収集から800字か400字のいずれかで来ると想定していました。結果は3自治体とも800字でした。ですので800字を基準に書く練習をしておくのがいいかと思います。

練習というのは、800字とは何文くらい使えるものなのか、序論・本論・結論はどの程度の比率になるのか、こういった感覚をつかんでおくということです。この感覚をつかんでおかないと本番で間に合いません。800字で練習しておけば仮に600や400で出されても分量を減らせばいいだけなので大丈夫です。また1200字などで出題される可能性は低いと感じました。理由は試験時間、受験者レベル、テーマなどから考えて800が限界かつ妥当だと感じたからです。

またテーマは「給食」そのものでくるか、「私の家族」「学生生活」系でくるかわからず両方備えていたのですが、3自治体とも給食そのもので出してきました。ですので給食+何か、この「何か」にきそうなものをいくつか選んで筋書きを書いてみるのがいいと思います。例えば衛生とか栄養とか食育とかですね。できれば本番形式でいくつかやってみましょう。ちなみに2自治体で公務という視点が入っているのは要注目です。やはり民間委託経験者を対象にしているためでしょう。

なお多くの受験者は作文がかなり苦手だと思われます(私も苦手ですが)。対策が足りていない人が大多数です。というのは解答を集める際に周囲の人の用紙が見えてしまうのですが、どの試験会場でも用紙の7割程度しか埋まっていない人がほとんどだったからです。5割程度の人も多数いました。これはどの自治体でもそうでした。もちろん字数が多ければいいというものではないです。ですが基本的に800字程度の短さなら9割程度は使いたいところです。

これはチャンスです。作文で差をつけましょう。全体のレベルから考えると、内容がそれほど整っていなくても自然な構成で字数を埋めることさえできれば上位に入れるものと思われます。

私は一次試験はすべて合格しましたので、参考になるかと思い別記事↓で解答例を掲載しておきます。あまり給食+何かという構成の文を見ることがないと思うのでイメージづくりに。

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ただし私は作文の先生でも試験対策を専門でしたわけでもありません。あまり参考にしすぎぬようご注意を。作文が苦手な人間なりの自己流攻略法です。作文の書き方そのものについては書籍等で勉強されることをお勧めします。

適性検査

適性検査にはいろいろ種類があります。自治体によって内容が違いましたが、大まかに2つに大別して一例をメモしておきます。3自治体を総合すると労務職員としての適応性を作業適性社会適応性の両面から見るというパターンが多いようなので。

作業適性

まず作業適性は、簡単な計算をする、図形を選択する、字をカウントするなどです。じっくり考えるのではなくパッと判断していくやつです。途中わからない問題があっても飛ばすことはできず、必ず順番にマークをしていかなければなりません。25分で70問でした。

なお解答を集める際に周囲のマークシートの埋まり具合が見えるのですが、周囲5人程度をざっと見渡したところ40~50くらいでした。なので平均解答数は70問中50弱程度だと思われます(母体が少なすぎですが)。

作業適性検査の対策

作業適性(計算や文字のカウントなどの単純な判断)は1問あたり15~20秒程度で処理していくスピード感覚が必要です。私は70問中65問でしたので周囲の受験者よりもおそらく得点は高かったはずです。特にスピード重視したわけでも正確性を重視したわけでもありません。でも自分が優秀だと言いたいわけではありません。この手の試験の攻略法(自己流ですが)を意識しただけです。

それは1分で2.5問くらいは解かないとダメだということ。大事なのはペース配分です。かなりの頻度で時計をチェックしていました。

つまり20秒くらい考えてわからなければ、その時点で直感で正解に近いと感じたものを答えにしてしまう作戦です。そうしないとたまたま苦戦した1問で1分以上持っていかれる可能性があります。実際には全く見当がつかない問題というのは少ないはずなので、とにかくつまったら自分でしっかり時間切れにしていくことが高得点のカギな気がします。

と言いましたが実際採点基準はわかりません。1問1点として間違えたら単純に-1点かもしれません。が、スピードよりも正確性が重視されていて1問間違えたら-2点以上などのペナルティがあるのかもしれません。なのでとにかく数を増やすことを目指してバババッと解答していくのはリスクが高すぎるのでやめましょう。かといって慎重すぎるとおそらく平均ペースを上回れないので、ある問題で苦戦したら思い切りよく直感に委ね、次へ行くという方針でやはりよいのではないかと思います。

社会適応性検査

社会適応性の検査は、社会生活上の対応力や常識(高齢者・子供への接し方や救急など)、職場での行動や判断(上司、人間関係)などの内容でした。絶対的な答えがない、どの選択肢も間違っているとは言い切れない感じのやつです。これは30分で30問でした。

社会適応性検査の対策

社会適応性の問題には以下の方針で答えを選びました。

  • 早い段階で確認や報告・相談をすること
  • 自分で判断したり自己のやり方を押し通さないこと
  • 最終的には上司に従うこと

ルールとチームワークが求められる給食現場では何が求められるかという点を基準にしました。ですがこの解答方針がどういう評価・点数になったのかはわかりません。でもこれで一次試験は通ったので少なくとも致命的な間違いはおかしていなかったということで。

一次試験当日について

一次試験の様子についてかんたんにメモしておきます。

スケジュール

午前マークシートで午後作文というパターンや午前中に全部終わらせるなどのパターンがありましたが、共通してラストは作文でした。

服装について

どこも服装の指定はありませんでした。ですが浮きたくなければスーツが無難です。というのは私服とスーツが半々くらいの試験会場もありましたが、私以外全員スーツという会場もあったからです。

なお私は私服でしたが一次はすべて合格だったので、私服で問題ないということだと思います。私服と言っても一応ジャケットは羽織っていましたが。ちなみにトレーナーのような格好の人もいました。

男女比

受験者の男女比はどこも半々くらいでした。男性の方がやや多いと感じた会場も一つありましたが、他二つは女性がわずかに多めと感じました。

二次試験

二次試験は主に面接です。適性検査を二次試験で行なう自治体、身体検査を行なう自治体、受験資格を満たしているかの真否等調査をこの段階で行なうという自治体もありました。ですが、面接以外はどれも確認程度であって差をつけるためのものではないと思われます。なのでここでは重要かつ必須である面接に絞って書いていきます。

評価基準

公務員試験の面接は評価基準が定められているようです。ソースは労務関係を含む公務員試験対策本たち。

積極性、社会性、信頼感、経験学習力、自己統制、コミュニケーション力などです。とはいえ面接官は人事のプロという感じはしませんでした。

面接カードの内容

まず3自治体とも事前に面接カード(面接シート)に記入し提出するのでそれをもとに進めていく形でした。自己PRや長所短所など以外にこんな項目がありました。

  • 調理師という職業を選んだ理由
  • 採用されたらどう貢献したいか
  • 今までで最も打ち込んだこと
  • 過去の困難をどう乗り越えたか
  • 最近目標を持って取り組み始めたこととその結果をどう生かしたいか
  • 良好な人間関係を築くうえで大切なことは?

私の不発だった対策集

2自治体(1つは辞退したので二次は受けず)とも面接カードにある項目以外はほとんど聞かれませんでした。もちろん完全に面接カード通りに進むわけではないですが、あくまで自然な流れで話が派生していく程度でした。

私としては一応応募先自治体について以下の知識を仕入れて対策をしていましたが出番はありませんでした。またこれらと結びつけて答える機会もありませんでした。

  • その市(県)の特産品
  • その市の教育行政の方針や施策など(給食調理とどう結び付いているかという視点で整理)
  • 市の歴史や特徴

また下記のような食育、地域、安全への関心を試すような質問も想定はしておきました。

  • 食育関連(例えば子どもの好き嫌いと健康について)
  • 地域振興(地元の食材をPRなど)
  • 現場でできる対策(アレルギー事故防止など)

ですが何一つこういった切り口はきませんでした。基本的に上記は栄養士等の仕事ですしね…。ですが公務なのでもしかしたら調理員としての立場でどう考えるか等の切り口があるのではないかと思ったのです。また念には念をということで食育基本法など食や教育関連の法律の要旨も押さえていました。

…ぜんぶ不発でした。

まあこれだけ対策をしたという安心感を持って本番に臨めた、という意味では無駄ではありませんでしたが。

試験の雰囲気

私は二次試験は1つは辞退したので、2自治体受験しました。どちらも面接官は4人でした。

ですが形式(レイアウト)が違いました。

T市では3人が正面で1人は横から見ている(発言はなし)という配置でした。質問者もほとんど中心にいる1人で後半になって左右の人から少しだけ質問を受けるという形でした。この配置図は想定しておくと焦らずに済むと思います。想定していないと最初礼をするときに横にいる人に挨拶しようか迷ってしまうかもしれないので。この場合まず正面に礼、横に向き直って礼、正面に向き直って座るように促されるのを待つという流れです(正解は知りませんがとりあえず私はそうしてみました)。帰りは横の人にも向かって礼をしました。

一方M市では4人が正面にいる形でした。各面接官が自分の担当の範囲で質問していくという分担形式でした。

対策…というか私の反省点

M市では部屋がやたらと広~いのに奥~の方に席があるという配置でした。なのでドアを開けてから席に着くまでかなり歩きました。そして4人ずらっと並んでいるというのは3人よりもさらにプレッシャーがかかります。正直こういった面接開始前の雰囲気で緊張が増してしまった部分がありました(先に受けたT市では小さめの部屋で正面に3人というパターンだったので、無意識にそのイメージでドアを開けてしまったんですね)。

全く物怖じしないタイプはいいのですが、私のように気が小さい人はドアの先にいろいろな想定をしておくのがいいのかもしれません。極端な話8人くらい怖いおっさんがずらっと並んでにらみつけてくるくらいのイメージでいけば、何がきてもリラックスできるんじゃないでしょうか。

他の反省点としては理論武装しすぎた部分がありました。調理員の裁量を超えた部分でやる気をアピールしすぎたかなと。

まとめ

調理員の公務員試験は、

  • 一次試験で一般教養、適性検査、作文があることが多い
  • 一般教養はないところもある
  • 作文は苦手な人が多いので対策して差をつける
  • 面接は事前に記入したエントリーシートを中心に進む

公務員試験は評価の方針などの情報があるので対策がしやすい就職試験です。後悔がないようにしっかり準備してのぞみましょう。

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