【実例】給食調理員の作文試験のコツ~作文が苦手な人間の攻略法

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原稿用紙。作文試験。泣き顔。

給食調理員の試験と言えば作文です。一般教養試験がない自治体も少なくないようですが、たいてい作文はあります。そして苦手な人が一番多い試験かと思います。私も学生時代からとても苦手でした。

この記事はこんな方向けに書きました。

  • 調理員の作文試験はどういうテーマが来るのか知りたい
  • 「給食」に関する作文例が書籍などにはないので答案を見てみたい
  • どの程度のレベルで合格なのか知りたい
  • 作文が苦手でも切り抜けられる方法を知りたい
  • 給食に関する文章を書くのに必要な知識と便利な切り口を知りたい

私は作文を含む一次試験を3回すべて合格しました。解答用紙は9割以上使いましたし、時間も最後の10分程度を見直しに当てられました。とはいえあれでよく通ったなとも思っています。もともと苦手ですし満足のいくものが書けたとは感じなかったので。

この記事では苦手なりに作文試験をどう攻略したのかをかなり具体的に書いていきます。実際に受けた給食調理員試験の作文の例も掲載します。といっても原稿を持ち帰ることはできませんので、試験終了後にメモした筋書き的な再現答案です。

  • きちんと作文が書けるようになりたい人はこんな素人見解ではなく本で勉強しましょう。
  • 公務員調理師の作文試験の話ですが、栄養士の作文試験でも参考にはしていただけるかもしれません。
目次

作文試験の内容

まずはどんな内容が出題されたかです。3自治体受験しましたが、どこも給食に関するテーマでした。800字(原稿用紙2枚分)で60分でした。

私が受けた3市に限って分析すると、大きな市(つまり受験者多)ほど難しめのお題でした。小さな市(受験者少)はほぼ自由テーマでした。一次試験でどのくらい絞り込みたいかによって難易度を調整しているように感じます。なので自分が受験する自治体の規模や合格枠を調べておくとテーマの難易度が予測できるかもしれません。

なお私の場合は3/3つまり100%給食関連でしたが、「家族について」など一般的なテーマもあり得ると思います。作文試験について各受験案内をみると、文章による表現力課題に対しての理解力、その他の能力をはかるなどとなっています。

具体的な話に入る前にサンプルとして私が書いた再現答案を一つ載せます。

N市

出題テーマ:「公務」「理想」「給食」

この三つのワードが含まれたお題でした。ポイントは公務という視点から理想の給食を述べるというところでした。ただ「理想の給食」とか「あなたが思う理想の給食」とかだったら好きなように書けますが、「公務」という縛りが入っているのが難しいところです。

※なおこの記事ではキーワードだけ挙げていきますが、実際の出題はキーワードではなく「給食における衛生の重要性と食中毒の予防」といったようにタイトルとして成り立っている形で出てきます。

筋書き

  1. 私が考える理想の給食は以下の三点である【書き出しはいっさい工夫せずシンプルに宣言から入る】
  2. 一つ目は安心安全であること
  3. なぜなら給食は食中毒をおこしやすい子どもや高齢者が食べるから
  4. 二つ目は栄養や健康に優れていること
  5. 日本は諸外国と比較しても国全体、文化全体で優れた取り組みをしてきた
  6. 三つ目は満足や喜びを与えること
  7. 押しつけではない形で、食べる側は選べないから【ここまでで約6割】
  8. ただしこれは民間給食でも可能
  9. では公務で行うとはどういうことか
  10. 営利、顧客獲得競争ではない
  11. そのため調理師の立場としては自分のやり方ではなくチームとして上記の理想の給食を目指すべき【ここまでで約9割】
  12. (締め)大人になっても給食で好きだったものという話になることがある
  13. それを話す人がうれしい気持ちを思い出すような給食をつくりたい

「理想」という作文が得意な人からしたらおいしそうなワードが入っていますが、「公務」と結びつけるのが難しかったので一般論に終始しました。今自分でみてもいまいちな部分がたくさんあります。書き出しも構成もつまらないですし、エピソードなどもありません。内容も正しいのかわかりません。でもともかくこれで合格でした。

ちなみに後から考えた筋書きは下記のような構成です。「公務」とはすべて法律に基づくので食育系を出して結びつけていく作戦にしてみました。

  1. 子どもの頃給食が楽しみで仕方なかった(つかみ)
  2. 理想の給食は「楽しい給食」(一点に絞って言い切る)
  3. 楽しければ、それが食生活の乱れや肥満・痩身傾向に対応していくことにもつながる
  4. つまり公務として食育推進基本計画を推進することができる
  5. この同じ目的を達成するにしてもただ食べ残すなと強制するのでは理想とは言えない
  6. 楽しさが自然に健康や将来につながるようにしたい
  7. 実際自分も給食で苦手を克服できた、今のよい食習慣につながっているなどのエピソード
  8. 作り手として安全や食べやすさなど楽しさにつながる工夫はたくさんできる
  9. 子どもたちの将来を作るため自治体職員として貢献したい

こんな感じでしょうか。でも本番では60分という短時間その場で出されたテーマになかなか対応できるものではありません。

なので私は最初から自分なりの攻略法を決めていました。これなら作文が苦手でも失敗せずに及第点に届くと思った作戦です。ではここからそのポイントと攻略法を書いていきます。

なお(繰り返しになりますが)王道の作文を書きたい人は本でちゃんと勉強しましょう。

基本的な時間配分と攻略法

まず最初に「作文」という試験名ですが、イメージとしては「説明文」を書けばよいという作戦にしました。

苦手な表現力などは置いておき、しっかりした構成、わかりやすさだけに絞ります。うまい!と唸らせるような作文は必要ないと割り切りました。目指すのは一次試験を確実に突破することであって、一位で通過することではない(二次試験に一次試験の点数は引き継がれない方式かもしれないので)からです。後述しますが受験者のレベルは高くないので構成とわかりやすさだけに絞っても十分通過できます。

60分をどう使うか?

では最初に時間配分からいきます。試験では解答用紙の他に必ずメモ用紙が配られます(これも回収されます)。ですのでまずはそれを使って筋書きを作ります。私の時間配分と攻略法を書いておきます。

  1. 【5分】まずは全体の展開を決めます。
  2. 【15分】筋書きを作ります。このときしっかり文の単位まで作り込みます。
  3. 【30分】筋書きにしたがって書いていきます(清書)。言い回しや表現はここで工夫。
  4. 【10分】誤字等がないか、表現を改良できないか見直しをします。

勝負は書き始める前に決まる

ポイントは2.の筋書きづくりをどれくらいしっかりと行なうかです。この筋書きで勝負の8割が決まります。これが言いたくて最初に時間配分について書きました。

800字の場合40文字×20文くらい書けます(この40文字の根拠は練習で書いた際に算出)。人によって違うかと思いますが、私の場合は一文40文字目安。そしてそのすべて、つまり20個の文をすべて筋書きとしてメモ用紙に書き出します(ただし大抵書きながら膨らませたくなる部分が出たりするので筋書き時点では16~18文くらいにしておく)。この筋書きはどんな感じかというと最初に出した例のような感じ。番号を振って何文くらいになるか目処をつけられるようにしていくわけです。最初の例は多少簡略化してしまったので、詳しくはこの記事の後半実例で見てください。

注意点として、解答用紙にいきなり書き始める、筋書きがはっきりしないまま書きはじめるのは絶対やめましょう。もしテーマが複雑で筋書きが固まらなければ最初の30分くらいまでなら延長で投資してもいいくらいです。筋書きさえ固まれば20分でサッと書くことは十分可能だからです。

ではここから筋書きを立てる上でのポイントに入っていきます。私の戦術は以下の2つだけでした。これをひたすら繰り返しました。

  • 箇条書きで並列にポイントを挙げていく
  • すべて「主張→その理由」という組み合わせにする(あるいは「宣言→具体例」など)

それぞれ解説します。

1.ポイントを羅列する「箇条書き」作戦

限られた時間で一本道の文章を書いていくのは難しいです。意外とひねられた出題もあるので大失敗のリスクがあります。そこで私が使っていたのがとにかく箇条書き的な書き方です。具体的には記事後半の再現答案を見ていただくとして、この方法のメリットは以下です。

  • 主張が混乱して支離滅裂になるなどの大失敗は絶対にない
  • 筋書きがスピーディーに作れる。ポイントを列挙していくだけなので。
  • 要素を並列的に出すので自分のカラーや主観を入れなくていい
  • 比較的どこから読んでもわかる展開なので修正もしやすい

一次試験は何十人という中から一位を取る必要はない試験です(たぶん)。どうすれば失敗を避けて無難に及第点を取れるかが大事です。

受験者はレベルは高くありません。実際解答を集める際に周囲を確認すると5~7割程度しか埋まっていない受験者が大多数でした。ということはおそらく内容の濃さや表現の上手さなどはいりません。失敗しなければOKです。このためには並列で要素を並べるのが一番です。

ちなみに私は中小企業診断士という試験に合格していますが、その二次試験も記述式です。100~200文字くらいで数問に回答していくのですが、やはり箇条書き作戦を使いました。こういった資格試験の場合、ポイントを稼げそうなキーワードを盛り込んだ方がいいからです。こういった難関とされている試験でもこの戦法が一番有力とされていて、皆さん使いやすいと思っているということです。

2.「主張→理由」をひたすら繰り返す

仕事の報告などと一緒です。とにかく最初にズバッと短く言い切ります。そして理由や具体例、中身を続けます。

これは文章全体でもそうですし、細かい単位でもそうです。

先のN市の例でも前半の構成がそうなっています。最初に「私が考える理想の給食は以下の三点である」という宣言(主張)をし、要素を3つ続けています。またその要素についても「要素→その理由」というブロックを3回続けているだけです。

ではこの作戦を展開した残りの2事例の筋書きを紹介していきます。

M市

出題テーマ:「市職員」「危機管理」「調理員」

ポイントの1つは「危機管理」をどの範囲まで考えるかです。食中毒やアレルギーなどに絞ることもできますが、災害への備えや災害時の食の提供など市職員としてできそうなことも頭に浮かんだため迷いました。ですが調理員としての裁量の範囲がわからないため、そこに足を踏み入れるのはギャンブルに思えました。そこでシンプルに危機管理=日々の衛生と安全という解釈にしました。

そして2つ目のポイントは市職員という立場についてどう書くかということです。市職員になったことがないので、自分が民間委託側で感じていた限界や壁という切り口から逆に考えていく形を取りました。

筋書き(番号は文の数を表しています)

  1. 調理員としての危機管理は多岐にわたるが、給食では特に以下の二点が重要
  2. 一つ目は食中毒の防止
  3. 小さな原因・ミスが大規模で重い被害につながるから
  4. 二つ目はアレルギー食に関する事故
  5. アレルギーを持つ子供が増加し対応範囲も広がっているから
  6. ただしこれらは当然民間委託会社でも重要だし取り組まれている
  7. では市職員の立場だからできる危機管理の方法は何か
  8. それは自治体内での連携強化と継続的改善である
  9. 具体的には以下の三点である
  10. 一つ目は教育委員会や関係部署との連携強化
  11. 民間企業では組織が違うため当然これができない
  12. 二つ目は現場の栄養士や教員とのコミュニケーション強化
  13. これも民間では契約や指揮命令系統などの制約から十分にできない
  14. そしてこの意思疎通はアレルギー事故防止とも関係する部分である
  15. 三つめは継続的なノウハウの蓄積や向上
  16. 民間だと人材の定着率の低さなどからこれが難しい
  17. 経験や知識が不足している調理員がいることが事故の原因になることがある
  18. 以上のような危機管理の取り組みを市職員としての立場から行うことが必要である
  19. 市職員が先頭に立ち、民間委託の組織や調理員を含めた給食全体のレベルアップを図っていく

ポイント

いちいち以下の〇点であるという宣言を入れて箇条書き作戦を開始。一つ目→理由、二つ目→理由を繰り返しています。

全体の構成としては最初に調理員の危機管理のポイントを二点、その後市職員の立場からという形に発展。箇条書き作戦を二回使っています。

正直「危機管理」というかなりお堅いキーワードがくるとは思っていませんでした。しかも市職員という立場から書けと。結果作文というより本当にただの説明文という感じになってしまいました。でもただの説明文ですが、これで通りました。予期しないテーマがきても箇条書き作戦ならなんとかなるということです。

終了後の反省点

11.について(教育委員会や関係部署との連携強化で危機管理体制がどう強化できるか具体例などを入れればよかったか)

16.について(契約の更新等で業者の入れ替えなどのリスクを入れてもよかったか)(一方自治体の職員ならば長期計画的人事でノウハウを蓄積・継承できる、ということを入れてもよかったか)

そもそも作文の内容や主張そのものが間違いだらけかもしれません。なにしろ公務を知らないので。内容そのものは参考にしないでください。

3つのキーワードの組み合わせで迷った時の対策案

最初に出したN市もこのM市も3つのキーワードが絡んだ出題でした。三題噺のようにかけ離れたものではなく、近い距離のワードをどう組み合わせるかが問われていました。

ですが、実際に本試験で問題を見たときにキレイに絡ませてまとめ上げるのは至難の業です。なので私はまず「A+B」、次に「(A+B)+C」という構成を取りました。

  • N市…「公務」「理想」「給食」なので「理想+給食」→後から「公務」という視点を足す
  • M市…「市職員」「危機管理」「調理員」なので「危機管理+調理員」→後から「市職員」という視点を足す

キーワードを整理しておきましょう。

  1. 「給食」「調理員」という応募職種そのもの
  2. 「衛生」「安全」「理想」といった給食に関する専門知識、取り組み方
  3. 「公務」「市職員」という所属する組織や立場

こう考えると両市は似た出題になっていることがわかります。この切り口で処理できる出題の可能性は高いのかもしれません(民間経験者を試すわけなので公務的な視点を入れてくる)。

特に2.については土台になる基礎知識と切り口を持っていないと厳しいので後述します。

さて最後に紹介するのは「自由に書きなさい」という出題がきてしまったので、作戦を捨てて普通に作文っぽく書こうとしたやつです。

T市

出題テーマ:自由テーマ。「学校給食であなたが重要だと思うこと」について題を自由に設定して書きなさい。

まさかの自由テーマ。ですが「あなたが」とあるので、自分自身の主観や気持ちを交えた方が良さそうなのがポイント。志望動機とも自然にリンクさせやすい出題。なので文章構成力や論理性よりも人間性や表現に比重を置いて評価される可能性も考えました。それを達成するために「食育」というジャンルを選択しました。「衛生」や「栄養」などだと「あなたが」という部分を出せないので。また書き出しも自然な感じを目指しました。

筋書き(番号は文の数を表しています)

主題:食育の基盤を担う学校給食の役割

  1. 「あー今日もおなかいっぱい」戦後70年経ち飽食の時代になった
  2. 「また健康診断が…」それとともに生活習慣病など健康の問題も増えてきた
  3. そんな中で学校給食は子供の成長のため重要な役割を果たしていると言える
  4. 子供は未来を担う存在だから
  5. 少し時を戻して学校給食の始まりを考える
  6. その目的は成長期のエネルギーと栄養の補給であった
  7. しかし冒頭のような時代の変化によりその目的は変化した
  8. それは生涯にわたる食生活の基盤をつくるということ
  9. 食生活は健康はもちろん精神や能力にさえ影響を与え続けるので重要
  10. ちょうど学校の授業や活動がその後の人生の取り組み方の基礎になるのと同じ
  11. 自分自身について考えても学校給食からよい影響をたくさんもらった
  12. 三大栄養素や塩分などの概念を知った
  13. 美味しく思える組み合わせ方や彩りを知らず知らずのうちに感覚として身につけた
  14. もし学校給食がなければ毎食インスタント食品だけでもなんとも思わなくなっていたかもしれない
  15. (まとめ)学校給食の役割は成長期の栄養補給から食育の基盤づくりへと変化してきた
  16. (決意表明)自分も公務として未来を担う子供たちの成長に貢献することを決意している

筋書きの要旨

  • 1.~4.で導入と背景の説明。セリフ形式などを使って作文っぽい表現。
  • 5.から学校給食の変遷を書いていき、一番言いたいことである8.に向かっていく
  • 9.と10.で8.の主張を発展、補強
  • 11.から14.で自分のエピソード
  • 15.と16.で結論

筋書き構成の順序

自由なので難しかったですが、「食育…生涯にわたる食生活の基盤をつくる」という知識を使いました。これなら今の自分が過去の給食からどんなメリットを受けているかという個人的な思い入れを込めて書きやすいと思ったからです。

なので筋書きの構成はまず8からはじめて、9~14、15~16、1~7という順序ですすめました。

終了後の反省点

自由テーマという形で逆に意表を突かれました。また「あなたが」という出題のされ方をどう処理するか作戦を立てるのに時間がかかりました。そのため構想・筋書きで25分ほどかかってしまい、後半やや焦るとともに表現の工夫や校正に時間はとれず。書き終わったのは5分前でそれから急いで題を最終決定しました。

構成も3.と特に8.の主張に至るまでがむだに長いですね…その場で出されたお題に一本道で書こうとするとどうしてもこうなりがち。苦手な人にとっては制限時間内に作文っぽく書くのは本当に難しい。やはり基本的には箇条書き作戦をとる方が無難と改めて感じました。

また「重要」と言えば「衛生」という条件反射をしそうになりました。が、もしこれでプランし始めたら完全にコケるところでした。衛生に関するエピソードや思い入れがないので膨らませられないからです。もっとこうきたらこうという「自分なりの方向性」を作っておくことが必要でした。知識不足、作戦不足。

ということでこのことについてちょっと補足しておきます。

給食の基礎知識と展開のパターン化

構成は大事ですが結局給食関連の基礎知識がないと書けません。そう考えると準備が面倒くさく感じるかもしれません。でもだいじょうぶです。主なキーワードを押さえておくだけなら意外と簡単です。受験者は実務経験があることがほとんどなので、基本的にこの3つだけ押さえておけばたぶん大丈夫です。

  1. 公務、市職員
  2. 安全と衛生
  3. 食育(栄養含む)

事実わたしもこの3つだけで乗り切っています。「危機管理」ときたので2.を使いましたし、「あなたが重要だと思うこと」ときたので3.を使いまいた。「理想」ときたら2.と3.を広く浅く使いました。

ですが最重要はやはり1.公務、市職員ですね。これは出題率が高いですし、直接テーマになくても自分から絡ませることができます。特に結論で「公務(市職員)として○○していきたい」と閉じるパターンを確立しておけば、いろいろな意味で締めることができます。民間委託と何が違うのか整理すると同時に、自分がなぜ応募するのか改めてはっきりさせておくことです。

で上の1.を中心に2.と3.の基礎知識をどうやって身につけるかというと、国や法律に関する公式HPを見るのが一番いいです。法律の要旨やガイドラインの頭の部分だけでもいいです。パラパラ眺めるとだいたい公務として給食に携わるということの要点が見えてきます。

私はそれをした上でこのテーマがきたらこう書こうという準備をしていました。自分なりの解釈なので正しくない部分もあるかもしれませんが、良ければ以下参考にしてください。

「こうきたらこう」対策集

ビックキーワードに対してそれに関わるスモールワードを反射的に出します。これで素早く箇条書き作戦の土台を作れます。

「給食とは」「理想」「将来」などフワッときたら

テーマが漠然としすぎていたり、大きすぎるとどう処理していいのか難しいですよね。その場合は以下の3つ、つまり給食の基本的な特徴をすぐに思い浮かべます。

「安全・衛生」「食育」「栄養」

この3つのどれかを選ぶ、あるいは列挙します。

実際にN市では「理想」の給食という出題に対して上の特徴を3つ選んで箇条書きにしました(私は給食に対して特に理想とか持ち合わせていないので一般論に逃げました)。

表現は「安心・安全であること」「健康(栄養)」「満足や喜びを与える(食育)」という形。ただ給食の一般的な特徴を言っているだけですが、表現を変えれば「理想」っぽく見えるかなと。

こういう「理想」とか「将来」とかフワッとした感じのお題はその場で考えて処理しようとすると時間的にも厳しいです。そこで「一般的に給食と言えば…」という切り口で一括処理。面白みは減りますが大ミスは防げます。

安全・衛生についてはあえてかたい言葉を使って真剣さをアピールし、食育については柔らかい表現や具体例の方が気持ちが伝わっていい気がします。食育系なら例えば「子供が配膳・片付けをする」「生徒同士の交流」「みんなで食べる」「一緒に同じメニュー」「毎日変わる」「見た目にも楽しい」「一番楽しみと答える子供が多い」「思い出」といった切り口を頭の片隅に入れておくとネタ出しがラクになりそう。

そしてこういう切り口も用意しておきました。

「日本は」「文化」「昔は」「時代とともに」

地域・時代という切り口です。「安全」「食育」「栄養」このすべてにおいて日本の給食は優れているので諸外国との違いは常にネタになります。また昔に比べてすべてが向上・発展していますので、時代の違いを切り口に将来を語るなどもできます。時事問題との関連付けもアリです。

【重要】「市職員」「公務」ときたら

自治体の職員系のワード、これは重要です。どう処理するか切り口を多めに用意するのがいいかも。

「非営利」「ルール」「法令順守」

一般の調理師や料理人と違い、自分カラーを出す場面はありません。給食の中でも社食などと違って学校給食は非営利です。

「教育委員会」「市の関係部署」「栄養士」「学校の教員」

これらと同じ組織に所属するという事実が民間委託会社との違い。同組織に所属するため意思統一や伝達がしやすい、距離が近い、交流の制限などが緩い。

いや実際はどうだか知りません。別に公務員調理師になったところでほとんど意見する機会などないでしょうが、この際それはどうでもいいです。それっぽく書くことが大事なので。

「ベテラン」「辞めない」「計画的人事」「長期視点での育成」

離職率の高さが民間委託の大きな問題点なのでそれと対比して長所を語り、自分の将来像や目標と関連づけます。

「市の発展」「市民の満足」

自治体は市の発展に寄与する人材が欲しいです。別に調理員に具体的な何かは求めていないでしょうが、心構えとしては大切です。

「ひっぱっていく」「代表」

結論で食という面から市政をひっぱっていく的な感じを出すとなんとなく決意が伝わるというか雰囲気が出るかも。ちょっとやりすぎ感もありますが。

「食育」ときたら

「地産地消」

その市の特産を押さえておいて、具体例として発展させられるかも。

「給食の歴史」

ただの栄養補給だったのが、彩りや食器など心の豊かさや食文化が重視される流れになりました。子供時代の食はその後の人生全般に習慣として影響を及ぼす、その土台作りという役割を給食は担っています。

「日本では」「外国との違い」

配膳や片づけまで生徒が主体となって動くというのは日本の給食の大きな特徴。

「心の豊かさ」

「思い出」「楽しさ」などのワードもあり。

「その後の食習慣」

子ども時代の習慣はその後の人生全体に影響を及ぼすので大事です。その役割を給食が担っています。三大栄養素などの概念も献立表から学んだりできます。

「食育基本法」

詳しく知る必要はないと思いますが2005年成立の法律があるということ。農林水産省。内容は知らなくてもシレッと「食育基本法が成立した後はよりいっそう給食の果たす役割が大きくなってきた」的な感じで書くとそれっぽくなるかも。

★自分の子供時代

自分と給食の関わり、給食への想いなどは作文っぽくなりますし、志望動機ともつなげやすいのでとても使えるネタです。どういうエピソードや思い出があってどういうお題なら使えそうか整理しておきましょう。

食育についてはぜひ文部科学省公式HPをみておきましょう。例えばこのリンク先の最初の2行を読むだけでも方針が立てやすくなりますよ(公務の試験なので国の出している情報は使えるキーワードの宝庫)。

安全・衛生ときたら

「食中毒防止」

さらに細かいワードとしては、集団食中毒(子供は重篤になりやすい)、ルールの徹底、細心の注意、手洗い、洗浄、加熱、温度管理、喫食時間、異物混入などですね。詳しい人が多いと思いますので逆に深入りのワナに気をつけるべし。

「アレルギー事故防止」

安全とくれば食中毒防止となりがちですが、アレルギー対応というキーワードを忘れないようにしましょう。重要性も増していますので。関連キーワードとしては二重チェック、先生への伝達、確認の徹底などでしょうか。

※その他は無視

安全については産地、農薬、汚染などの切り口もありますが、もちろん調理員は口出しできません。その他食に関する社会問題的なことも多いですが、これらに足を踏み入れたら答えが見えなくなるのでノータッチが無難。

補足

上記のように「こうきたらこう」を自分のなかに作っておけばだいたい大丈夫だと思いますが、もう少し補足しておきます。

細かい知識はいらない

細かい知識はいりません。大きなキーワードがテーマにくる可能性が高いからです。

ピンポイントで、例えば「アレルギー対応について」などは少ないと思います。なぜならそのへん掘り下げるのは栄養士の仕事だから。

また作文は知識量を試す試験ではありません。ある程度給食に関する知見は問われますが、あまり細かいお題だと文章力を見るという目的から外れるので。

これらのことから、あくまで大きなくくりでこうきたらこう」というパターンを確立しておくことに集中すべきです。もっと言えば本番中細かい専門知識を書いていく筋書きになったとしたら、方向性を間違えたことを疑った方がいいかもしれません。

難しい言葉なら自分の引き出しと都合よく結び付ける

出題者はひねってきます(私は2自治体のお題でそう感じました)。難しい言葉や逆にフワッとした感じできたりします。この場合自分の引き出しの中のワードと都合よく結び付けられるかが大事です。

意外なワードが来ても焦らないことです。自分の中に似ている引き出しが必ずあります。

最初の例のN市は「理想」というテーマでしたが、単に給食の特徴や要件を列挙しました。またM市の「危機管理」という言い回しに対しては「安全・衛生ときたら」という引き出しから材料を取り出しただけです。想定外と感じたり見慣れない言葉だからと言ってその場で一から考えらたらまず間に合わないということを念頭に置きましょう。

一般的なテーマも筋書きを書いておく

給食以外のテーマで練習しておくのもおすすめです。そうしておけば何がきても安心ですし、給食テーマと「自分」を結び付けて書くことも容易になるからです。例えば以下のようなテーマです。

  • 学生生活
  • 自分の性格・自己PR
  • 志望動機(給食調理員を目指した理由)
  • 私の夢
  • 私の家族
  • 私の友人
  • 最近読んだ本
  • 忘れられない出来事

全部やらなくてもいいので2~3コ書いてみるといいと思います。400字(10文程度)なら10分くらいで筋書きをかけるはずです。これは面接対策にもなるので一石二鳥です。

他にも食と安全、教育、健康など給食以上のレベルの社会テーマを設定して書くのもいいかもしれません。一般的な作文のパターンなら書籍にたくさん例があるので勉強しましょう。

構成と知識以外のポイント

この記事では筋書きの作り方と給食系の土台になる知識について書いてきました。それ以外で評価に関係ありそうなことを簡潔に書いておきます。3回受験してわかったことと反省点です。

字を丁寧に書く

私のように手書きが遅い人間にとって30分で800字を清書するというのは意外ときついです。とくに丁寧に書く意識をすると驚くほど短い時間です。学生時代から時間が経っている人ほど日常生活で丁寧に手書きする機会は激減していると思います。

なので「丁寧な字」というポイントを稼ぎたいなら最初の20分で筋書きを完成させるというタイムマネジメント。そして本番のつもりできれいに書いてみる練習。これらは大切かも。※丁寧な字だと評価されるのかは知りません。

鉛筆はたくさん用意した方がいい

シャーペンを使ってよければいいのですがどこも鉛筆指定でした。鉛筆の場合5~6本あった方がよいです。4本用意しましたが、最後まで尖った芯で書けず結論のあたりになると汚く見えました。

表現を工夫する

この記事で書いたような作戦、つまり箇条書き&結論→理由というのを繰り返すと、どうしても印象がかたくなります。もっと形容詞を使ったり「気持ち・感情」を重視しても良かったなというのが私の反省点です。

「安心」→「食べた人が笑顔になれる」とかこういう言い換え。この方が手作りで食材を扱っている調理員像にマッチしそうですよね。

ちなみに私の場合、「きれいな字」と「表現」は筋書きが素早く作れた時ほどこだわってしまい、時間がなくなり最後焦る、という結果になったのでほどほどにしましょう。

事前に提出する場合

私の場合はすべて試験会場で書くパターンでしたが、事前にテーマが公表されていたり、郵送等で提出するパターンもあるようです。

その場合はとにかく文部科学省や農林水産省のページ(例えば食育関係ページ)など見るべしです。公務とはイコール法律だからです。集めた材料から一つだけポイントを絞って、自分のエピソードなどと結びつけるのが間違いない作戦だと思います。

他には応募先の自治体HPから教育方針や食に関する情報を集めてつなげるのもいいですね。

ともかくいくらでも時間をかけられるわけですからじっくり調べることが大事です。

まとめ

とても長くなりました(たぶんこのサイト史上最高文字数)が、ここまでおつかれさまでした。

以下調理員の作文試験対策についてのまとめです。

  • 最初の20分で筋書きをしっかりと作る(固まるまでは絶対清書しはじめない)。
  • 箇条書き主張→理由のパターンを使う(つまらないが大失敗はない)。
  • お題に3つの要素がきたら無理せず順番に結び付けていく。
  • 給食関連の基礎知識を整理し「こうきたらこう」を用意しておく。
  • 意外なワードが来ても焦らず自分の引き出しにあるものと結びつける。

作文は一番大変ですが一番差がつくところだと思います。人生がかかっている試験になりますので悔いが残らないようにがんばってください。

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