この記事に来られたということは、調理師試験の勉強をどうしようかな?とお考えかもしれません。
お読みいただくことでこんな疑問を解決していきたいと思います。
- 調理師試験は独学できる?
- 独学の費用はどのくらいかかる?
- 試験の難易度は?
- 勉強時間はどれくらい必要?
- 独学のコツ
- 通信講座ってどうなの?
資格試験は教材選びと計画が肝です。
では早速調理師試験の独学についてです。
私は養成学校卒で調理師免許を取得しました。ですが調理師の学習内容は把握していますし、これまで35個の資格試験に合格してきました。ですので調理師試験の勉強をどうするか?ということについて参考になる情報を提供できると考えてこの記事を書いています。
調理師試験は独学できる?
調理師試験は十分独学できます。市販のテキストでの独学がおすすめです。理由は2つです。
- 一番安いから
- テキスト一冊で網羅できる易しい内容だから
1.安さ:調理師はお金持ちではありません。なので安いことは大事。市販テキスト1冊なら2,000円はしないくらいで済みます。もし問題集を買っても4,000円はいきません。(後述しますが古本を買えばさらに節約。数年前のでもほぼ問題なし。)
2.易しい:試験範囲、難易度については国家資格の中でも最も易しい部類に入ります。仮に勉強が苦手であっても十分テキスト一冊で可能な範囲です。
ただ本当に易しいのか、実際の難易度についてもう少し補足しましょう。
基本データと他資格との比較、どんな人が落ちるのか、受験経験者の声などです。
データから見る調理師免許の難易度
調理師試験に関する基本データです。
合格基準 | 全体で60%以上(1科目でも得点が当該科目の平均点を著しく下回る場合不合格) |
合格率 | 約60%以上 |
出題数・形式 | 60問、マークシートによる四肢択一方式 |
試験科目 | 公衆衛生学、食品学、栄養学、食品衛生学、調理理論、食文化概論 |
まず合格基準は全体で60%取れていればOKです。他の国家試験では「各科目最低40%以上かつ全体で60%以上」など厳しめの”あしきり”方式も多いですが、それに比べて甘めの設定とみることができます。「1科目でも平均点を著しく下回る場合」についてはそれほど心配ありません。科目ごとに必ず易しい基本問題を分布させるものだからです。
一番大事な合格率ですが国家試験で60%はかなり高い数字です。しかも受験者が高学歴層ではない試験です。したがって易しい試験と言えます。
以下の国家資格の難易度を偏差値で表したサイトでは、調理師は”偏差値42、簡単”という評価になっています。資格試験を学力のように偏差値評価することの是非はともかく、他の資格との相対的な難易度差を感じるにはとてもわかりやすいと思います。私のいろいろな資格取得経験から考えてもこのサイトの評価は妥当と感じます。
https://shikaku-fan.net/national_qualification_rank.php
また他の試験では普段生活しているだけでは一問もわからないことが少なくありません。でも調理師試験はふだん料理をまったくしない人でも「なんとなくこれっぽいなあ」とわかってしまう問題もけっこうあります。
でも落ちている人が5人に2人もいるのは?
とはいえ5人中2人は落ちている試験です。ではその2人はどんな人でしょうか。おそらくシンプルに準備不足・勉強不足だっただけでしょう。
資格試験に落ちるというのは
- 記念受験・だめもと
- がんばったけど力及ばず
- 単に勉強不足
のどれかです。
まず調理師試験の場合は下記の理由で「1.記念受験・だめもと」は少ないでしょう。
- 実務経験が必要(勤務先から証明書の取得をするという手間をかけている)
- チャンスは年1回(他県利用の併願作戦も一応あるが)
また本当に難しい試験だと「2.がんばったけど力及ばず」層がたくさんなわけですが、暗記系の調理師試験はそんなことはありません。例題を見ればわかるように、普段調理の仕事ができているのであれば”だれでもやればできるレベル”です。覚えているかいないかの確認なので、学力や思考力もほぼ関係ありません。
ですので落ちてしまう40%の人たちはほとんどすべて「3.単に勉強不足」と推測できます。準備不足層はどんなに簡単な試験でも一定割合でいるものです。ということで準備さえ怠らなければだれでも合格できるので、難しそう…とか、自分は5人中3人に入る能力がなさそう…などとしり込みすることはありません。
とはいえ簡単でも勉強しないで合格点に達することはほぼありません。
あまりに舐めてかかると普通に落ちるでしょう。
では実際にどのくらいの準備が必要なのでしょうか。
どのくらいの勉強時間?
調理師試験の必要勉強時間です。※個人の主観
勉強が得意、試験慣れ | 3日~1週間(~10時間くらい) |
普通 | 2週間~2か月(20~40時間) |
苦手 | 3か月(100時間~) |
資格マニアの主観ですがだいたいこんな感じかと思います。ちなみにこの時間差は頭の良し悪しではありません。調理師試験の内容は読解力や思考力などは関係ないからです。勉強のやり方を知っているか(試験勉強慣れしているか)がポイントです。点数を伸ばすコツを知っていると効率は数倍違ってきたりします。※次の項で詳細
極論前日一日だけでも缶詰めになれば受かる可能性はあります。明日試験だという場合でもあきらめる必要はありません。
私の周りにいた調理師資格取得者たちから聞いた話をまとめると「毎日30分から~1時間の勉強で1~3か月」といった感じでした。また調理師試験に落ちたという人は周囲にいませんでした(もしかしたらひっそり受けて落ちていた可能性はありますが)。
勉強法は、テキストと問題集を揃えて普通に勉強していたようです。そのくらいしか会話していないですが、おそらくテキストでインプット、問題集で練習というオーソドックスな方法の人が多いと思います。
凄い努力が必要なわけではないですし、頭の良し悪しも関係ありません。
ただ普通に準備すれば十分合格できる試験です。
では独学のコツをみていきます。
独学のコツ
資格マニアだった私が受けるとしたらどうやるか、詳細に書いていたら長くなってしまったので別記事に分けました。とにかく安く、短時間で、でも確実に受かりたいという人は読んでみてください↓。
概要だけ書くとこうなります。
主な教材は3点
- 調理師試験過去問アプリ(「調理師 アプリ 無料」などで検索)
- 調理師試験公式サイトの過去問ページ(もちろん無料)
- テキストは薄いもの(図などが多く文字が少ない)
テキストは数年前の中古とかを入手すれば最安です。法律やIT系の資格では法改正や最新技術、出題傾向の変化などがあるので最新テキストがいいですが、調理師試験はそういう新要素がほぼないので古くても問題ありません。
さらに言ってしまえば、調理師試験は極論テキストなしでも合格可能です。ひたすら過去問だけ回して突破できる難易度・内容です。実際私も易しめの資格はこの方法で合格しています。
手順の概要
- 最初に公式サイトの過去問を1回分やる
- その後テキスト入手。目次と内容をざっと眺める程度でOK。しっかりと読もうとしないこと。
- あとは過去問アプリだけをひたすら回す(できれば解説・復習機能付きのもの)
- ある程度できるようになってきたらテキストを見たりして知識を整理し、過去問2年分をやって確実に7割~8割以上取れるかチェック。
- できなかったらまた3.過去問アプリ回しに戻る。
いきなりテキストでインプットしようとするというのが、一番しんどくて無駄です。なのでそれだけはやらないようにします。資格試験のコツは過去問をやるだけです。なお過去問は解かずに答えを見る、解説は斜め読み、というようにスピーディーに回すこと。
これで最安、最速で調理師試験を攻略できます。
ダメな(時間がかかる)勉強法
一方ダメな(=時間がかかる)勉強法とはどんな方法でしょうか。
まずテキストを読む→問題集をやるという手順はいまいちです。一見王道でオーソドックスですが、これをやるとまずテキストを読むというところがロスです。完全に無駄とは言いませんが過去問と解答を流し見ていくやり方に比べると時間のわりにほとんど頭に入りません。やった気になるだけの苦行となってしまいます。学校の授業スタイルでやろうとするとこのように大量の時間と精神力を無駄にしてしまうので気を付けます。
一番悪いのは最後まで問題をやらないタイプです。テキストをノートにまとめる、それを見て丸ごと覚えようとする、といった形です。問題は最後の最後まで解こうとせず、確認として使おうとします。これが一番時間を無駄にしてしまう理由は、まず問題の傾向を把握せずに覚えようとしてしまっていること。そしてアウトプットが足りないこと。つまり引き出しから出そうとしないので記憶に定着しないです。
以上ここまで調理師試験は独学で可能であること、独学のポイントを書いてきました。ただいろんなタイプの方がいるので、全員に独学をおすすめするわけではありません。
通信講座の方がおすすめの人もいる
以下のいずれかに当てはまる場合は通信講座もいいかもしれません。
- とにかく勉強に自信がないので質問をしたい、サポートしてほしい
- 勉強習慣がないので、自分一人では計画を立てて続けられなそう
ユーキャンの調理師講座はこの2つの問題を解決してくれるので、安心してカリキュラムに従うことができます。
ユーキャンの調理師講座は一般教育訓練給付制度の利用で最大20%が支給されます。対象者になるかどうかは下のバナーからユーキャン調理師講座ページ内で確認できます。
もちろんカリキュラムがしっかりしているからといって自動的に知識を詰め込んでくれるわけではありません。また誤解されがちですが「通信講座は高いからその分教材の内容も特別優れている」などということはありません。調理師試験のレベルから考えて、教材が市販テキストだったから落ちた、通信講座だから受かった、などということはないと思います。
ではなにが違うのかというと、通信講座ではサポートが受けられるので勉強そのものだけを考えればよくなります。つまり…
- 今日は予定に従ってここまでやれば進捗状況はOKだな(あれこれ計画や進捗で悩まない)
- ここがあいまいだから質問しよう、できているか確認してもらおう
- 今合格ラインに対してどれくらいの力がついているのかな→定期的な添削課題
- なんか疲れた、不安になってきた→講師からの励ましやアドバイス
自分一人ではどうしても勉強習慣が…という人にはぴったりでしょう。
調理師試験は学力関係なく誰でもやれるはずの試験です。問題があるとしたら、自分一人だと不安&計画が立てられないという点です。あるいは最初の”やるぞ!”というスイッチをどうしても入れられず、ダラダラと試験日を迎えてしまう、という最悪パターンです。
落ちてしまった人たちも頭が悪いとかではなく、ただ勉強計画を立てられなかったか守れなかっただけです。こういった計画を守れない弱さを補うために、フォローやバックアップ体制がしっかりしている通信講座を利用するのはありです。
私の場合も難関資格の通信講座を利用したことがありますが、カリキュラムの進捗管理などサポート機能が充実していて助けられました。
あと通信講座ってちょっと習い事的な意味もあります。
勉強していく過程を楽しみたい、その期間を充実させたいというタイプには合っていると思います。
確実に受かることの大切さ
最後にちょっとネガティブな話ですが、1年間後悔しないために大事なことを書きます。
資格試験というのは本気で取りたいときほど落ちてしまったときの経済的、時間的、精神的な損失が大きいです。それぞれの損失とはこういうことです。
- 経済的:調理師試験は受験料が6,000~7,000円ですが、交通費等も含めると人によっては1万円くらいかかるでしょう。これを2回以上繰り返すなら教材に投資して確実性を高めたほうがよいかもしれません。また調理師試験は他の都道府県を滑り止め的に併願するという裏技がありますが、これも受験料を2倍以上払うくらいなら勉強そのものに投資するほうがよさそうです。
- 時間的:年に一回の試験なので、もし落ちると翌年思い出すための勉強をしなおさないといけません。仮に20時間だとしても、その時間仕事をすれば時給1500円なら3万円です。
- 精神的:せっかく”よし今年調理師を取るぞ!”とテンションを上げていたのに、丸一年待つというのはけっこう精神的にダメージです。来年また同じ勉強で時間かかるなーとテンションが落ちてしまい悪循環に陥るパターンもあります。
これらのことを考えてどんな学習方法をとるか総合的に判断しましょう。節約して独学でやるはずだったのにどうしても勉強習慣が身につかずに落ちてしまうと、受験料などで逆に大きな出費になることもあります。
まとめ
この記事のまとめです。
- 調理師試験は独学できる? →十分可能。
- 独学の費用はどのくらいかかる? →2,000円~4,000円くらい(やり方しだいで0円でもいける)。
- 試験の難易度は? →国家資格の中でも易しい。ただしもちろん勉強は必要。
- 勉強量はどれくらい必要? →やり方による。オーソドックスなら30時間くらい?でも過去問をスピーディーに回すことに専念すればおそらく10時間以内。
- 独学のコツ →テキストは読まずに過去問をやりまくること。
- 通信講座ってどうなの? →どうしても自分一人では計画を守れない、という人にはおすすめ。
自分に合った方法で調理師試験の勉強をがんばりましょう。
独学のコツについてもう少し詳しく読みたい方は下記をどうぞ↓
ちょっと現実的なお話ですが調理師免許の価値について↓
調理師学校に行って免許を取るという方法もあります↓
食に関する他の資格についてもまとめています↓
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