飲食転職

【両論】調理学校のメリット・デメリット~行く意味はないってほんと?

将来料理を仕事にしたい人や料理人への転職を考えている人は、専門学校に行くべきか悩むこともあると思います。

この記事では調理専門学校のメリットとデメリットについてまとめました。※私自身は高校の調理科を卒業して調理師免許を取得し、15年以上業界にいました(今は転職してIT企業でWeb系の仕事をしています)。ですので高校の調理科という選択肢についても最後の方に少し書いています。

どんな進路を選ぶにしても後悔のない選択ができるようにしっかり検討しましょう。

そもそも学歴や資格は必要なのか

学校のメリット・デメリットに入る前に前置きです。

まんが「ブラックジャックによろしく」によると、医者になるにはすべての科について学ばないといけません。だから最終的に歯医者や内科の看板を出している人も、外科やその他すべての科について学んでいるんですね。

一方料理だとそうとは限りません。料理はそもそも学校で習う必要がないですし、調理師免許も必要ないところがほとんどです。なので「料理人になるための必要性」という観点からすると否定に傾くのは当然です。

ですがだからといって学校が無意味とか間違いとは言えません。すべての人が料理人を目指して学校に行くわけではないですから。途中で進路を変える可能性なども含めて考えるほうがいい時代です。

学校に行くことについては賛否両論意見が分かれます。個人的には正直どちらも理解できます。私自身学校で料理を学ぶことからスタートしましたが、確かにメリットとデメリットがあるからです。(※高校の調理科だったのでちょっと特殊なのですが、行って良かったと思っています。)

この記事は、まだ就職したくないから行くとか、料理ならば少しは興味があるから、という方もしっかり対象にしています。

実際専門学校卒の先輩方でそういう人がけっこう多かったですし、私自身も普通科を避けるために消去法で選びました。ですがそういう場合でもメリットデメリットについて一度確認してから進路を決めることは無駄にはならないはずです。

調理学校に行くメリット

1.料理や関連する基礎を学べる

今は動画などでテクニックや断片的な学習はいくらでもできる時代になりました。だからこそ体系的に基礎を学ぶことの価値がより高くなっていると思います。

基礎をしっかり習得して自分の中で整理できていれば、後からいくらでも情報を整理して取り込むことができるからです。

また料理だけでなく食品学、栄養学、衛生学などの基礎を学ぶことができるのが大きなポイントです。いきなり実地ではどうしても栄養や衛生という観点が弱くなりがちです。昔はそんなものいらねえという感覚の人が多かったですが、今はそういう時代ではありません。職人としても最低限の知識として求められる場面、役に立つ場面は確かに増えています。またメニューなどの開発やマネジメント業務ならダイレクトに基礎力になります。

個人的には栄養学の基礎を学べたことが自分の中で財産になっています。

2.幅広いジャンルに触れられる

調理学校では和洋中その他すべてのジャンルに触れることができます。もちろん広く浅くという形になるので、それだけでプロの現場で即戦力になるということはありません。

ですがこれによって知識が特定の料理やメニューに偏るということを防げます。意外と仕事をしはじめてからでは店で扱う以外のメニューや食材に触れるという機会はありません。余裕がなくてやりたくてもやれないことも多いでしょう。

幅広いジャンルに触れておくことは大切です。卒業後何をやっていくにせよ、コツをはやくつかむことにもつながります。また知識が応用力のベースになるという強みもあります。ここが学校卒とそうでない人の大きな差だと感じます。

3.高いレベルの専門料理が学べる

調理学校では専門料理が高いレベルで学べるのが大きなポイントです。

一般に学校の講師というのは、レベル、教え方、実戦的でない、などいずれかダメなことが少なくありません。ですが調理師学校の場合専門料理の講師の実力は確かであることがほとんどです。

私の場合は和洋中すべて現役プロの外部講師だったのでレベルはかなり高かったです(テレビなどメディア出演もある知名度が高いの方々なので、見せ方や教え方もうまかったです)。

これは下記のように価値が高いことです。

  • 専門料理の講師の実力は就職してから出会う先輩たちより高い(目標になる)
  • 仕事をしてからだと丁寧に教えてもらう機会自体がない(教え方の勉強にもなる)
  • 就職後は自分の専門外を学ぶ機会がほぼない(専門外をゼロから独学だとたいへん)

プロ養成機関として当然ですが、民間の料理学校の講師とは比較になりません。将来仕事にしないとしてもこの機会を得るために通うのも悪くはありません。

4.調理師免許が取れる

調理師免許という国家資格が取れることもメリットの一つです。

また後に専門調理師免許を取ろうとした時に有利になります。(※受験資格である実務経験年数が通常より短くなる、技術考査というものに合格している場合は学科試験免除など。)

調理師免許は実務経験を積むことで後から受験資格を得ることができます。その場合はテキストで独学か通信教育などで学習する形になります。

5.就職先のあっせん

有名店やホテルなど料理を本格的にやりたい人が就職先を探すうえで有利です。実際、紹介やあっせんがないと応募自体が難しいところもあります。

私自身は特に学校の紹介で恩恵は受けていないですが、やはりそれなりのところに行ったクラスメートはいました。

6.仲間ができる

調理学校に行くと同じ目標を持った仲間ができます。社会に出てからだとなかなか友達という関係は作れないのでこれは貴重です。

ですが環境という意味ではそれほど期待できません。家ではまったく料理はしない、料理にそれほど興味がない、仕事にする気はないという生徒も少なくないからです。実際学校卒業後に料理を仕事にし続ける人はそれほど多くはないというのが実態です。

私の場合は高校の調理科だったので、全体的に進路がしっかりしている割合が高かったです。普通科に行きたくないという理由で選んだ自分が一番低かったかも。

実家の後を継ぐとか子供の頃から料理人が目標とかが多めでした。あるいは高校で調理師免許を取得して栄養士資格が取れる短大などに進学というパターンも15%くらい(女子)いました。

ですが専門学校だとそうでもありません。専門卒の先輩や同僚の話を総合するとモチベーションは低めです。勉強が嫌いな人がモラトリアム期間として選択するパターンが多いようです。

また以前定期的に調理専門学校から教育実習生を受け入れている職場にいて十数人を指導してきましたが、料理に対して熱心な子は半分以下という感じでした。

 

調理学校に行くデメリット

デメリットはシンプルに時間とお金になります。少し見ていきましょう。

時間がかかる(成長が遅れる)

時間がかかる(=その分歳を取る)から無駄だという点です。確かにその通りです。

やはり実地で学ぶことの濃さとスピードは学校の比ではありません。極端な例ですが仮に学校で20年学び続けたとしても現場ではまったく戦力にならないでしょう。

ただしこれは料理人(専門の職人)を目指すならという意味であることは忘れないようにしましょう。

昔と今では時代は以下のように変化しています。

  • 料理人は高い技術と厳しい修行が必要だった不要論やその傾向が少なくなっている
  • 中卒や高卒が多かった専門卒で就職しても年下の先輩ばかりにならない
  • 料理人を選んだら一生やる業界をまたぐ転職もふつう
  • 料理人は職人チェーン化でマネジメントや開発などの仕事が増えている

私自身時代の変化を肌で感じていますし人生は長いです。割烹にいた人間が今はIT企業でWebデザイナーやってます。

お金がかかる(元が取れない)

入学金や授業料・実習費などです。専門学校の場合およそ200万くらいかかります。

日本料理やフランス料理など職人を目指す場合、学校卒だからという理由で収入が増えることはないのでその意味では元は取れません。それどころか逆に学校にいっている期間に実務経験を積んだ人の方が収入が勝るでしょう。

ただし調理師専門学校の進路は職人だけではありません。専門卒という学歴が意外と生きてくることもあるので一概には言えません。

 

調理学校と進路について

ここまで調理学校のメリット・デメリットについてみてきました。ここからは進路について補足したいと思います。

料理専門学校がおすすめな人

調理学校は習い事ではないのであまり気軽に考えるべきではないのでしょうが、大卒が当たり前の時代です。専門学校に行くという選択をした上で何をやろうかなという人も少なくないでしょう。

以下どうしても料理を仕事にすると決めている人以外でおすすめできる人です。

なんでもいいので専門学校にいきたい

料理は別に一生の仕事にしなくても一生の特技や趣味にすることができます。決して無駄にはならないスキルという意味ではトップクラスでしょう。また実習は楽しいので勉強が嫌いな人にもおすすめです(とはいえ座学の割合のほうが高いのですが)。

やりたい仕事がまったくない

料理は高収入になりませんが、食いっぱぐれないという意味では最強レベルの職種です。今は飲食業界は人手不足なのでひっぱりだこです。どのみちやりたいことが何もないのであれば、料理の基礎を習得し調理師免許を取っておくのも悪くありません。

料理を仕事にしたいが職種は決めていない

料理関係の仕事をしたいけど、職人になりたいわけじゃない(なりたいのかわからない)という人もおすすめです。広いジャンルを学びクラスメートと接することで視野が広がってやりたいことを見つけられるかもしれません。今は料理研究家やYouTuberなどいろんな職種が市民権を得ていますし、学校はよい場だと思います。

ですが将来料理関係や飲食店関係をやりたいという場合でも、進路の幅を広げるという点では調理専門学校以外を考慮することが大切です。

進路を広げるならこの2つの方がおすすめ

大学

1つには大学をおすすめします。なぜなら例えば飲食チェーンなどの管理職は大卒だからです。そして収入の点では職人よりも経営やマネジメント系に回るほうが圧倒的に有利であるという事実があります。

中途採用でも管理系は大卒が資格になっていることが多いです。もちろん中途の場合はただのフィルターとして設けているだけですが、やはり学歴が一つのものさしにされている事実があります。

栄養士(の短大など)

もう1つは栄養士という進路です。これは資格の価値という観点があります。

調理師免許は実務経験さえあればあとからいくらでも受験できます。ですが栄養士は必ず学校に行かないと取れません。

また栄養士資格なら管理栄養士というメジャーな上級資格への道が開けます。調理師の場合も専門調理師という資格がありますが、こちらは知名度も低いうえにほとんど評価はされません。

高校の調理科を選ぶという選択肢

私自身は高校の調理科を卒業したので最後に書いておきます。メリット・デメリットについてさっくりまとめるとこんな感じです。

メリット

  • 専門学校に行くより早く社会に出られる
  • 好きなことをやりながら高卒資格が取れる(もちろん調理師免許も)
  • 大学に行く気がないなら普通科より有益な可能性

デメリット

  • いろいろと進路が限定的に可能性
  • 大学に行きたくなった時受験が不利
  • 将来専門卒や大卒という学歴に劣る可能性

まとめ

調理学校に行くメリット

  1. 料理や関連する基礎を学べる
  2. 幅広いジャンルに触れられる
  3. 高いレベルの専門料理が学べる
  4. 調理師免許が取れる
  5. 就職先のあっせん
  6. 仲間ができる

調理学校に行くデメリット

  1. 時間がかかる(成長が遅れる)
  2. お金がかかる(元が取れない)

進路

  • 料理は無駄にならない
  • 大学や栄養士の短大なども検討してみよう
  • 高校の調理科という選択肢もある

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