料理が上手くなりたいと思った時、ネットでいくらでも情報が集められるいい時代になりました。
実際そのへんのプロより上手い人もたくさんいると思います。ですがプロはやはりプロです。お金をもらってそれを生業にしているからこそのものがあります。この記事ではプロと料理好きの違いについてまとめました。
私はさして技術はありませんが、15年以上料理を仕事にしていたのでプロとは何かについて思うところはあります。
この記事がこういった方の参考になればと思います。
- プロを目指すか悩んでいる
- 飲食業への転職を考えている
- 将来自分で店を持ちたいので実地で経験を積むべきか考えている
プロは何が違うのか
1.コスト感覚
一番の違いコストの感覚です。
料理は材料にお金さえかければいくらでも美味しいものは作れます。趣味でやっている方だとコストをかなりかけていることが多いです。
ですがプロにとっては利益が出せるか、最悪単品で赤字だとしてもトータルで利益が出せるかが最も大切です。料理を見たときにパッと原価や利益を計算するクセがついています。
仮に料理好きが高じて仕事にすると妥協しなければならない場面も多くなります。先に材料ありきで値をつけられる超一流店などは別でしょうが、脱サラして開業などの場合ネックになるのがこの点です。
2.客観的評価
2つ目は食べさせている相手です。
家族や友人などに食べさせているというのは、常にホームで戦っているようなものです。プロは常にアウェー戦ありです。お馴染みさんがいてファン化しているとしてもそれだけでやっていけることはありません。
そういった厳しさやプレッシャーがあるからこそのやりがいとも言えますが、単に自己満足で好きという感覚で仕事に選ぶのは安易かもしれません。
3.スピード
3つ目はスピード、手際の良さです。
ここに差が出るのは環境がないと力がつかないからです。例えばプログラミングの勉強をするとしたらほぼプロと同じ条件で学習できます。ですが料理は違います。
家庭ではできないこともたくさんありますし、一番の差は量を扱えないということです。魚を毎日何十尾も捌いたり、卵を何百個も割ったり、フライパンを何十回も振ったりはできません。
料理が好きで上手くてもプロの現場ではまったく通用しないというのはほとんどこのスピードの問題です。
また毎日量をさばくことでカンが磨かれますし、考える人はポイントをどんどん押さえて伸びます。ですがこれらは家庭でも身につけられますし、プロでないほうが考えたり調べたりに時間を取ることができるという部分はあります。
好きなら料理を仕事にできる?
自己満足や中途半端な好きなら仕事にしない方がいいかもしれません。仕事が嫌いになる可能性もあります。それくらい料理の世界は厳しいと言われています。もっとも最近は働きやすさが改善されているので、そこまでではなくなっているのかもしれません。
たまに専門料理を極めるタイプで、家でも休日でも何か作っては研究しているという人がいます。ですがそういう本当に好きな人はこの記事を読んでいないでしょう。
結局迷っている場合はやってみないとわかりません。何事もやっていくうちにより好きになったり、飽きてしまったりするものなので。料理の場合料理自体が嫌いになるという人はおそらくほとんどいません。チャレンジしてみましょう。
私自身のお話をすると、高校の調理科に進学する時点では料理は全くやったことはありませんでした。つまり好きでも嫌いでもなく、漠然とした興味や憧れでした。
好きになってきたのは学校の後半くらいから卒業後割烹で仕事をしていた頃です。だんだんとコツなどがわかってきて上達が感じられたからです。
でもだんだんと嫌いになりました。薄給長時間労働でがんばり続ける意欲を失いました。そこまで好きにはなれませんでした。それでしっかり休めて残業もない給食に移り、その後いろいろ転々としました。
今現在は調理を仕事にしていないので趣味として楽しんでいます。実は仕事にしていた時よりもいろいろ調べたりしています。ですがもし今後また飲食業界に戻ったとしたら家では作らないだろうなと思います。やっぱり好きとか嫌いではなく「仕事」になってしまうんですね。
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