食に関する資格の人気が高まっています。おすすめの資格をまとめました。
食に関する資格は数も目的もかなり幅広いです。「食 資格」などで検索すると、数の多さに混乱するほどです。
ですのでこの記事では以下の4つの目的別に限界まで数を絞って紹介しています。
- 調理・栄養を仕事にしたい人
- 食の専門レベルを上げたい人
- 料理スキルを上げたい人
- 自宅受験からチャレンジしたい人
※上記のどれかに当てはまる方は目次から飛んでいただくことができます。
この記事を書いている人
15年以上調理の仕事をしてきました。昔資格取得が趣味だった時期(取得資格約35個)があります。
◆持っている食関連の資格
- 調理師
- 給食用特殊料理専門調理師
- フードコーディネーター3級
- 食生活アドバイザー3級
- 全国高等学校家庭科食物調理技術検定3級
料理・食を仕事にしたい人におすすめの資格2選
まずは就職・転職時に役立つメジャーな資格からいきましょう。
調理師(要受験資格)
認定 | 国家資格(都道府県知事) |
受験資格 | 実務経験2年以上(養成学校卒業で取得など例外あり) |
試験級など | 上位資格に専門調理師 |
実施日等 | 年に一回(都道府県によるが多いのは10月ごろ) |
試験方式 | マークシート式 |
合格率 | 60%程度 |
飲食店や施設などで実務経験が2年必要です。雇用形態はパート・アルバイトでもOKです(勤務時間などの条件あり)。
給食系などは調理師免許が重視されていて、応募資格が要調理師免許(または栄養士免許)となっている求人も多いです。これは調理師資格も集団給食業界も食品衛生を重視しているからです。ただし飲食店では資格よりも経験の方が圧倒的に重視されます。
いずれにせよ、知らない人はほとんどいないくらいメジャーな資格なので、業界外の人から専門家として一目置かれる(実力はどうあれ)ことが少なくありません。
なお”調理師を持っていないと開業ができない”という誤解をされている方もいますがそんなことはありません。開業の際は「食品衛生責任者」という資格があればOKで、これは1日程度の講習のみで取得できます。調理師など資格保持者はこの講習が免除となるというしくみです。
上位資格に専門調理師…日本料理・西洋料理など6種類の専門料理ジャンルから選択し実技試験等に合格する必要があります。受験資格は調理師として6年~実務経験が必要です。
ユーキャンの調理師講座は一般教育訓練給付制度の利用で最大20%が支給されます。対象者になるかどうかは下のバナーからユーキャン調理師講座ページ内で確認できます。
栄養士(要養成課程修了)
認定 | 国家資格(都道府県知事) |
取得条件 | 栄養士養成課程を修了後に申請(試験なし) |
試験級など | 上位資格に管理栄養士 |
栄養士になるには養成機関にて学ぶことが必要です。給食系の現場などの仕事が主ですが、スポーツ関係やフリーランスとして活躍している方もいます。
もし進学先として調理師と栄養士どちらの養成学校に進むべきか迷っているなら、栄養士のほうがおすすめです。これには2つ理由があります。
1つは調理師は何らかの形で実務経験さえ積めば後から受験できるからです。逆に後から栄養士を取ろうとしたらどんなに経験を積んでいても学校に行かなくてはなりません。
もう1つは、栄養士>調理師だからです。一般に調理師資格が求められる場合というのは、料理の腕うんぬんではなく食品衛生知識などの確認的意味合いが強いです。なので栄養士免許を持っていれば上位互換なので”尚良し”となります。
さらにつけ加えるなら現代は高齢化や健康志向など栄養や献立に関する需要が高いという点もあります。
上位資格に管理栄養士…管理栄養士は調理業界以外の方でも耳にする機会が多く、知名度は高いです。私自身調理学校時代~給食等の現場を通じて、やはり”管理”を持っているベテラン栄養士は一目置かれていた印象があります(逆に新人は”管理を持っているのに仕事ができない”と揶揄されるという現実もあったりしますが…)。
食の専門レベルをアップしたい人におすすめの資格2選
時代とともに直接調理をする以外にも食に携わる仕事も増えてきました。食育、健康・スポーツ関連、新しい店やサービスのプロデュースなどです。こういった形で食に関わる方におすすめの資格をご紹介します。
もちろん調理師や栄養士として働いている場合にも+αの武器になりえます。
履歴書に書くためではなく、知識を増やしたり整理するためにチャレンジするのもありかもしれません。
食生活アドバイザー
認定 | 民間資格(一般社団法人FLAネットワーク協会) |
受験資格 | だれでも受験できる |
試験級など | 3級・2級(併願可能。2級からもOK) |
実施日等 | 年2回(7月、11月) |
試験方式 | 3級:マークシート式 2級:マークシート+記述式 |
合格率 | 平均で3級65%、2級40%(公式サイトより) |
「食育」という言葉がまだ辞書になかった1999年に発足した検定です。20年という歴史と食生活への関心の高まりから着実に受験者数を伸ばしているので、資格の価値にはそれだけのものがあります。
内容はまさに食生活全般、トータルな知識が必要です。
- 栄養と健康
- 食文化と食習慣
- 食品学
- 衛生管理
- 食マーケット
- 社会生活(税・法律、経済、消費生活など食に関わるしくみの理解
食品の販売、福祉施設などで提案・アドバイスや食育指導を担う人におすすめの資格です。
下記どんな問題が出るか、公式サイトのチャレンジ問題3級ページへのリンクです。
ユーキャンの講座は2級・3級の両方の試験に対応しています。(下のバナーから公式案内ページをご覧になれます。)
フードコーディネーター
認定 | 民間資格(日本フードコーディネーター協会) |
受験資格 | 3級(中学校卒業以上) 2級・1級(下級の認定登録者) |
試験級など | 3級・2級・1級 |
実施日等 | 年1回 |
試験方式 | 3級(マークシート式) 2級2次~(講座受講、課題提出) |
ただ単に知識を詰め込めばいいという資格ではありません(2級と1級)。実務的なスキルと費用・時間がかかります。
必ず3級から順に受験していくことになります。3級はマークシート方式で、食に関する幅広い知識が求められます。
2級資格認定試験を受験するには、3級資格認定登録が必要ですがこれには登録料がかかります。2級1次試験はマークシート方式ですが、これを通過すると2級2次資格認定講座に進みます。これは講座受講後、企画書の課題を提出する形になります。1級は企画書、プレゼン、面接などまさに実務そのもののスキルを試されます。
この記事を執筆時点で合格者は3級は3万人弱、2級は2000名弱ですが、1級は狭き門でわずかに120名となっています(公式サイトより)。
なおあくまで個人的な感想ですが、以前3級を受験・合格してみて「3級止まりならほぼ意味がない資格かな…」と思いました。この資格は実際に実務で関わる人が最低でも2級、できれば1級を目指したときにはじめて価値があると感じます。
各級数万の出費とそれなりの時間が必要ですが、上級になると実践的な試験内容なのでフードビジネスに携わっている人には価値が高い資格と思います。
料理以外の周辺知識をつけてみるのもいいかも…色彩検定・カラーコーディネーター
料理は彩りも大切な要素です。今はWeb・SNSの時代なので、見た目の重要性は高まり続けています。その意味では、プロデュース・食の発信に携わる方には色彩検定やカラーコーディネーターもおすすめです。
料理スキルを上げたい人におすすめの資格2選
次は料理スキルを上げたい人向けの資格です。よく誤解されますが栄養士や調理師の資格は料理スキルの証明ではありません。
以下紹介している資格も取ったからといって腕の証明となるとは言いきれません。でも1.実技試験がある、2.料理に特化している、という特徴があります。
なので料理スキルを上げたい、そのための目標がほしいという人にはおすすめです。
家庭料理技能検定
認定 | 民間資格(学校法人香川栄養学園 文部科学省後援) |
受験資格 | だれでも受験できる(1級は準1級合格条件) |
試験級など | 5級・4級・3級・2級・準1級・1級 |
実施日等 | 年2回(筆記・実技で別日程) |
試験方式 | 4級までは筆記のみ。3級からは実技あり。 |
3級からは実技試験があるため、知識だけではなく技術の証明になります。包丁技術関連が多いので練習したい人にはよい目標にもなるはずです。
大人がはじめて受験する場合は3級から検討してみるのが良いと思います。理由の一つは、この資格の価値は実技試験があること(4級までは筆記のみ)だと思うからです。また5級・4級は合格率98%以上など難易度が低すぎるからです。なお3級の実技試験は、きゅうりの輪切りやほうれん草のお浸しなどから出題されます。
ふだんよく料理をする方なら2級からがちょうどよいと思います。
準1級や1級は合格率が低くなっています。公式サイトの”合格者の声”を見てみると、管理栄養士など食に関わるプロが料理スキルの証明として受験していることもあるようです。
おそらく普段よく料理している人にとっては知識面のほうがネックになりやすいです。実際3級などの合格率をみると、学科のほうがだいぶ低くなっています。私も1級を受験したことがあります(当時準1級はありませんでした)が、一応プロの調理師なので大根かつらむきと三枚おろしは100点でしたが学科ができませんでした。現在は学科・実技ともに公式テキストが充実しているようで、合格率も全体的に高くなっています。
料理検定
認定 | 民間資格(辻調理師専門学校・辻製菓専門学校主催) |
受験資格 | だれでも受験できる |
試験級など | 3級・2級・1級 |
実施日等 | 期間中に指定の会場にてCBT受験 |
試験方式 | 3級:マークシート式 2級:マークシート+記述式 |
CBT(Computer Based Testing)方式とは、コンピュータで受験する方法です。試験終了時に結果がわかります。受験料も安いですし会場も日本全国に多数あります。
無料の公式アプリもあるので、受験しなくてもスキマ時間で手軽に勉強できます。>公式サイト アプリの案内ページ
私もまだ受験はできていませんが、暇なときにアプリをクイズ感覚でやっています。内容の濃さと勉強のしやすさの両面がそろっているので、料理の知識をつけたい人におすすめです。
公式問題集&解説もありますが個人的には無料アプリで十分と思います。
自宅受験からチャレンジしたい人におすすめの資格3選
本格的な受験はハードルが高いと感じる方には自宅で受験できるものもあります。
まずは手軽に受験できるものから始めて、徐々に本格的な資格にステップアップしていくのもいいでしょう。また手軽に受験できるものは食のなかでも特定の分野に特化していたりします。そのため国家資格よりも実際に役立つという特徴もあり侮れません。
食育実践プランナー
認定 | 民間資格(一般社団法人日本味育協会) |
受験資格 | だれでも受験できる |
実施日等 | 通年 |
試験方式 | 自宅で受ける(マークシートで70%の得点で合格) |
「実践」という言葉が含まれているように、メニュー作りや食材の選び方など家庭で実践できる内容を学ぶことができます。忙しい・試験に受かる自信がないという人でも大丈夫です。
ユーキャンの食育実践プランナー講座
- 受講期間内であれば試験は何度でも受けられる
- 標準6か月だが、学習が遅れても開始から12か月はサポート
受講することでほぼ確実に資格を取ることができます。試験が苦手という方におすすめです。すべてセットになっているので、テキストや問題集を買い揃えたりする必要もありません。
野菜スペシャリスト
認定 | 民間資格(一般社団法人FLAネットワーク協会) |
受験資格 | だれでも受験できる |
実施日等 | 通年 |
試験方式 | 自宅で受ける(マークシートで70%の得点で合格) |
”食材”系の資格はたくさんありますが家庭で一番役立つのは野菜の知識です。
家庭での料理は下処理されている肉・魚を使い、加工品を使うことも多い時代です。丸ごと買ってきて調理するのは野菜が一番多いでしょう。”旬”もありますし、スーパーでの新鮮野菜の選び方などはすぐに役立ちます。
野菜スペシャリストは生涯学習のユーキャン
- 受講期間内であれば試験は何度でも受けられる
- 標準5か月。受講開始から12ヵ月まで指導
家で受験できるものということで野菜スペシャリストを紹介しました。他にも食材系の資格というのはたくさんあります(下表)。興味がある資格があったらぜひ調べてみてください。
魚 | 魚食スペシャリスト検定、日本さかな検定 (ととけん) |
肉 | お肉検定、お肉ソムリエ認定試験 |
野菜 | 野菜ソムリエ、ベジタブル&フルーツアドバイザー資格 |
調味料 | 調味料ソムリエ(旧称:調味料マイスター)、調味料検定 |
個人的には野菜以外だと調味料系が家庭でも役立ち度が高いかなと思います。
薬膳コーディネーター
認定 | 民間資格(本草薬膳学院) |
受験資格 | だれでも受験できる |
実施日等 | 通年 |
試験方式 | 自宅で受ける(マークシートで60%の得点で合格) |
”美容””健康”に関心がある人を中心に薬膳の資格は人気があります。薬膳コーディネーターは生涯学習のユーキャン
薬膳とは、中医学(中国伝統の医学)に基づいて作られた食事です。体調を改善し健康な体づくりを促します。美容効果があるレシピを学べるので女性に人気です。
ユーキャンの講座を受講、添削課題3回のあと最終課題の資格試験(自宅でOK)を受けます。この講座も下記により自信がない、忙しい人でも大丈夫です。
- 受講期間内であれば試験は何度でも受けられる
- 標準4か月。受講開始から12ヵ月までサポート
講座系の資格は受験料と考えると高いですが、自宅で自由に受けられる習い事と考えるとリーズナブルです。
結果的に資格も取れる、というお得感があります。
まとめ
- 料理・食を仕事にしたい人におすすめの資格 →調理師、栄養士
- 食の専門レベルをアップしたい人におすすめの資格 →食生活アドバイザー、フードコーディネーター
- 料理スキルを上げたい人におすすめの資格 →家庭料理技能検定、料理検定
- 自宅受験からチャレンジしたい人におすすめの資格 →食育実践プランナー、野菜スペシャリスト、薬膳コーディネーター
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