給食調理員はとにかく大量・厳しい衛生ルールで仕事をしています。
そのため仕事で身についてしまったクセが日常生活や家庭の料理でも習慣として出てしまうことがありました。
普段料理をしている主婦ならいいのですが、社員の場合普段は全く料理しないという人も少なくありません。そんな人がたまにプライベートで料理すると感覚が大量調理の仕事モードなためこんなことが起こったりします。
以下全部学校給食調理員だったころの私です。
1.生肉は超危険物扱いする
給食では生肉は専用エプロン、冷蔵庫内は専用の場所、その日の担当者のみが扱う、もちろん素手では絶対に触らない、など厳重すぎる扱いです。
なので家でも冷蔵庫に入れる時からまるで爆発物を扱うような危険物扱いをします。パックされた状態で冷蔵庫に入れるのに周りと一切接触しないようにしたがります。絶対的肉専用エリア作りたい。
切る時とかも使い捨て手袋使いたいし、扱った後厳重に手洗いします。なのでテレビなどで料理人が常識レベルで衛生的に扱っているのすら心配になる…
あとレアとか怖すぎイメージなのでついついしっかり焼きすぎちゃいます。
2.野菜は剥いた後によく洗う
学校給食では皮むきなどの後に三層シンクであらいますので、剥いた後に洗うというのがデフォルトです。ほうれん草やキャベツなどの葉物も全部カット後にしっかり洗います。
これ飲食や家庭ではやらないパターンですよね。栄養やうまみの流出もあるのでこの癖はなおしたほうがいいと思っていますが、つい洗おうとしてしまいます…
3.せん切りは太め
サラダに添える極細人参とかきゅうりのせん切りとか太めにしちゃいがち。一般的に「せん切り」って言った場合の常識の範疇からギリギリオーバーしている感じです。
いつも加熱するものしか切らないから。サラダもとにかく全部一回茹でたいんです。
そもそもきゅうりって生で食べるパターンあったっけ?…みたいな感覚に一時期なっていました。
4.とりあえず人参をいれちゃう
給食の人参率は異常なほど高いです。おでんにも入れちゃうくらいなので。
なんだか人参特有のオレンジ色がないと物足りなく思ってしまってなんにでも入れたくなってしまいます。そのせいで逆にダメな色合いになることも。でも栄養を考えるクセがついているのはいいこと。
5.おでんとかも具材を細かく切っちゃう
煮物とかとにかくすくった時にみんなに具材が平等にいく一口サイズにしちゃいます。いつもそうしているので大根とか輪切りにしただけだと巨大すぎに感じます。
でも家庭でもこれならケンカも好き嫌いもおこらなくて平和だと思います。コンビニおでんも給食方式にしちゃえば販売中止しなくて済みそう。個人的には鶏卵じゃなくてうずらの卵なのが好き。
6.普通乱切りにしないものも乱切り
ブリ大根とか普通大根を乱切りにしないものまで、乱切りにしちゃったりします。または厚いちょうとか。
何でも乱切りが好きなのでおしゃれ料理が作れなくなってしまいました。いつもごった煮みたいな感じで。
7.買った食材を全部使おうとする
学校給食では調味料や米以外全部当日の朝納品が原則です。
きっちりの量が来るので当然その日の献立ですべて使い切ります。そのせいで家でも根菜とかですら、買ったらすぐ使いたくなる病になってました。
どのくらい保存がきくかとか考えなくなります。このクセのおかげで家の冷蔵庫は常にすっきりしていますが、在庫をなくしてしまうので逆に困ることもあります。
8.作ったものはその日に全部食べる
作ったあと翌日以降に残すのは危険な気がしてしまいます。
飲食店だと普通の家庭よりよほど作り置きしていますが、そういうことに敏感になります。
一週間とか持つような常備菜もなるべく早く消費したくて、結局いつも食べすぎてしまうという問題が…
9.数人分の感覚がわからない
いつもボールやバケツ(のようなもの)でドバドバ醤油とか流し込んでいるので、家庭の量がわからなくなったりしました。
4人分とか逆に難しく感じます。
給食で味の微調整をするときは、醤油なら1000人分で200cc単位とかなのでこれを4人分とかに直すと1cc以下とか…少量の微調整は繊細です。
10.最終的に「給食しか作れない」とか言って投げ出す
給食では野菜など最低でも何十個単位で処理していきます。
なので野菜1個の半分とかこまめに皮剝いてとか家庭料理は逆にめんどうに感じます。あとフライパンとか盛付とか普段やらないので意外と難しい。バーベキューとかで頼りにされても困ります。
最終的に「いや料理は給食しか作れないから」と言い出します。
でも多くの調理員さん、しっかり家庭を守る方や料理が本当に好きな方はこんな風にはなりません。
以上給食以外一切料理しなかった時代の私でした。

