調理員から見た小学校と中学校の給食の違い。どちらが大変?

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現場視点の小学校給食と中学校給食の違い。学校の校舎と盛りつけられた給食のイラスト。

小学校給食と中学校給食の両方を経験したので比較してみました。

各2年ほどと個人の少ない経験で書いています。あくまで私の経験した現場ではこうでした、という調理員目線からの一例としてご覧ください。

目次

数ものの計算は小学校の方がやや手間

中学校給食は小学校のような学年による重さの区分けがありません。いっぽう小学校は学年ごとに次のように量を調整します。

 学年計算
低学年(1-2年)0.9
中学年(3-4年)1.0
 高学年(5-6年)1.1
小学校給食の数もの重量比

ハンバーグなど数ものの重さです。中学年の1.0を基準にして低学年は1割減、高学年は1割増の掛け算をして重さを出します。

中学年が100gなら低90g、高110gです。この小学校の数ものの割り振りは慣れればどうってことないのですが、初心者や時間に追われている時には地味に厄介だったりします。でももし計算が苦手でも大丈夫です。大抵チーフとかが穴埋めの計算表とかを作ってくれていますし、いつも同じパターンなのですぐに慣れます。

社員の仕事なのでパートの場合はこういう仕事はしなくてOKです。

汁物の配缶は完成総量に対して各クラスどのくらいにするかの重さ一覧表があります。クラスの人数と学年ごとの比率を掛け合わせたものをあらかじめ表にしておくわけなので調理員側での計算は必要ありません(栄養士が年度ごとに作成)。

アレルギー対応はやや小学校が大変

アレルギー対応はどちらも同じく大変です。自治体と各学校がどの程度まで対応するかで調理員の負担は変わります。

ただ基本的に小学校の方が対応レベル、件数とも多いです。

また実際に作業していて思ったのは小学校のアレルギー対応の方がプレッシャーでした。やはり児童が小さい方が自己判断できない可能性が高いので担任の先生への確実な連絡が必要でした。

アレルギー対応食の担任への受け渡しと伝達・確認は配膳パートの役割になります。割り当たったパートさんはかなり重要な任務になります。とはいえほとんどの担任の先生は事前にかなり正確に把握してくれています。なおアレルギー対応食の調理自体は必ず社員が行ないます。

異物混入は中学校の方が…

大量調理では異物混入防止が重要なポイントの一つですが、感覚的には中学校の方が異物混入等の事故・クレームは多かったです。

小学校の件数が少ないのは、たぶんその事実があっても小学生自身が訴えないケースが多いのかもしれない、という私見を持っています(だからOKという意味ではもちろんありません)。

また小学校の場合は先生からも厳しく言われる等は少なかったです。先生も髪の毛程度なら仕方ないですよね、子供が落としたかもしれませんし…という感じ。栄養士から「気をつけてください」という通常の指摘が入って終了、という甘めの世界になることがあります。

一方中学校では栄養士以外の先生が本気で立腹、平謝り等がありました。これは推測ですがたぶん生徒側からしっかりした対応を求められることが多かったのではないかと推測しています。中学生くらいになると作り手は業者という認識をしているので当然です。

またクレームが出ると数軒続けて起こるというのも中学校ならではでした。ベテラン社員いわく異物混入があったといううわさが広まると生徒が入念にチェックするようになるからじゃない?という話でした。

給食現場というのは異物混入等が起きたら全体責任です。基本的にはチーフが責任を負い対処しますが、再発防止は皆で考えることもあります。事故が続くと雰囲気が悪くなることがあります。

まとめ

小学校給食と中学校給食の違いでした。全体にやや小学校のほうが細かい配慮を求められることが多いです。

なお小学校の方が自校式(給食室)の割合が高いです(中学校は給食センター方式が多い)。働く際の大変さはその現場の食数で決まります。

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