料理教室に通う目的としては、料理の基礎を知りたいという方からもっと腕を上げたい、あるいは通うことを楽しみたいなどさまざまな目的があると思います。
この記事では料理教室に通う目的(メリット)とデメリットをまとめました。
また一口に料理教室と言ってもさまざまなタイプがあるので、注意点や選び方のポイントも解説しています。
私自身は調理師になって20年以上になりますが、そのスタートは高校の調理科でした。グループでの調理実習を3年間やりました。プロ養成機関なので料理教室とはちょっと違う部分がありますが、調理実習で学ぶことの特徴やポイントは把握しています。
料理教室の目的(メリット)
まずは多くの人が通う目的つまりメリットからみていきましょう。すべての料理教室に当てはまるわけではないですが、主に以下の5つの目的があります。自分の目的に合った教室選びに役立ててください。
1.料理の基礎を学ぶ
料理教室に通うと料理の基礎を実践的な方法で学ぶことができます。
だしの取り方や火加減などはなかなか一人ではわからないことも多いでしょう。包丁の使い方や材料の混ぜ方などまったくやったことがないと見当がつかないということもあるはずです。
料理教室のカリキュラムはこういった料理の基礎をしっかり学べるように考えて作られています。
料理上達のコツは、レシピを通じてうまくいくパターンを知ることです。
料理教室はそれがもっともスムーズにできるように考えています。
2.教えてもらえる、質問できる
料理教室の大きなポイントの一つは直接教えてもらえる、その場で質問できるということです。
レシピ本や動画サイトではこれができません。なぜそうやるのかという疑問、どんな応用ができるかというポイントを質問できます。
なぜか自分がやると上手くいかないというケースにアドバイスをもらうこともできます。
またこのやり方でいいのか確認してもらうことで自信になります。
お手本を見せてもらうときも直接ライブで、目の前で見るというのは大きいものです。
3.周りの生徒から学べる
料理教室では周りに自分と同じ生徒がいるので、刺激をもらったり意外なことに気づかせてもらったりがあります。
「あ、そうやるとうまくいくのか」と気づかされたり、みんなもここで苦戦するのかと安心したり。同じ立場同士だから同じレベルで疑問を持ったり学び合えることってあります。
反面教師的に気づいたりもします。自分が当たり前にやっていたことと反対のことをしている人を見て、ああそうやるとやっぱり段取りが悪くなるなと確認したり。
料理は基本的に家で一人で作ります。一緒に作るにしても家族なので目新しい気付きを得たり刺激をもらうということは少ないと思います。
仕事もそうですが数人で作業することで得られることはいろいろあります。
特に包丁の使い方や段取りは親がやっているのを見て自然に覚える人が多いと思います。私は調理学校の実習を通じて、いろんな人のやり方を学べたことが一番良かったなと感じています。
特に総合的な段取りはレシピ集や動画などでは出てきません。例えば洗い物をどのタイミングで片づけるといいとか。自分の家庭しか知らないと意外なクセがついていたり、全く気付いていなかったということがけっこう多いです。
4.レパートリーが増える、偏りを打破する
料理教室ではたいていカリキュラムにしたがってマスターしていくので、レパートリーが増えますしそのジャンルについてまんべんなく学ぶことができます。
例えば料理の基礎コースなら和食洋食などバランスよく学べるはずです。パンなどの場合も自分が知らなかったような種類も学べます。
独学だとどうしても特定の料理や食材に偏ります。自分が好きな料理や子供の頃親が作ってくれた馴染みあるジャンルしか作らないことが多いです。特定の食材や調味料ばかりに偏るということはよくあります。料理教室のカリキュラムはこれを打破するのにちょうどよいです。
まんべんなく学ぶということはレパートリーを増やす以上の効果があります。幅広いジャンルに触れることはコツをはやくつかむことにつながるからです。
コツとは成功の共通点をつかむこととも言えます。
世界中で食材や調味料が違っても料理のコツというのは一緒なので、和洋中その他とまんべんなく学ぶ方がはやく応用もきくようになります。
5.おしゃれな料理が作れる
家庭の自己流と料理教室の差の一つはおしゃれさです。プロっぽい料理とも言えるかもしれません。これは習わないと身につきにくいところです。
盛付や切り方のコツやおしゃれにするコツというのは、意外と学ぶ機会はありません。
いつもと違う環境だからこそこだわって作れるということもあります。
レシピを見ていても「一度も使ったことがない食材だから」という理由で他のものに代替している人も多いと思います。ですが食わず嫌いになっているだけかもしれません。使ったことがあって代用するならいいですが、一度も使わずにその良さを知らないのはもったいないです。
料理教室のデメリット
ではデメリットをみていきましょう。特にグループ制の教室を選んだ場合に発生しやすい弱点が多いです。4つあります。
1.【重要】グループ制だとやれない作業が多い
まずはグループで作るということのデメリットを小さく見ない方がいいです。私は高校の調理科で3年間4人1組の調理実習をしてきてその弱点をよく知っています。
おそらく思っている以上に、あなたが作業するチャンスは少ないです。1人が担当する割合を数字で考えると、4人1グループだとたったの25%です。
家庭科の調理実習を思い出してみましょう。一人一人作るパターンはまだいいですが、班でまとめて作るパターンだと積極的な子がメイン作業をやっていましたよね。ほとんど何もしない子もいたり。
例えばハンバーグ、マカロニサラダ、スープという献立を4人で作るとしましょう。ハンバーグの成形くらいは各自でできるかもしれません。
ですがそれ以外で例えば、Aさんがハンバーグのタネを混ぜる、Bさんがマカロニを茹でて味付けする、Cさんがスープを作る、Dさんがサラダの野菜をカットする、みたいな分担になったとしましょう。Dさんは主にハンバーグの作り方を学びたかったのに残念です。
このようにやりたい作業ができるとは限りませんし、余裕がない作業をしていると人がやっている作業を横目で見ることもできません。
もちろんどのみち家で復習することが大事なのですが、その場でできないのなら家で動画でも見てマネした方が良かったと思う可能性も低くありません。
2.グループ制だと人間関係やレベル差がネック
もう一つグループ制の弱点として人間関係があります。いつも同じメンバーが揃うことはないと思いますし、合わない人と組んだとしてもその回だけがまんすればいいのでそれほど心配する必要はありません。ですがそれでも誰かと組むというのはストレスになることが多々あります。
また意外とレベル差というものが大きいです。同じ初心者と言っても、つまり本人が初心者と思っていても実際のレベルはさまざまです。
自分が周囲に比べてできる方だった場合、なぜこのメンバーと一緒にやっているのだろうかとイライラするかもしれません。また上手い人ほど放置される可能性もあります。
また逆に自分が他の人よりできない場合もつらいです。迷惑になっていないだろうかと余計な気を使ったり、メインの作業を遠慮してしまうということも多くなります。
3.先生のレベルがピンキリ。期待はできない
料理教室の講師というのはレベルがさまざまです。料理歴が長い人から若い人までいます。
料理教室の講師というのは、プロの料理人とはまったく別の存在であるということを覚えておきましょう。
「プロの料理人」をイメージしているとがっかりするケースがあるかと思います。
この点は大手だからといって期待はできません(後述します)。特に自分が中級者の場合、基本的に講師の技術面には期待しないほうがいいでしょう。
4.結局上達は自分次第
これはデメリットというより心構えです。
料理教室の時間内でできることは少ないですから、結局自分で予習復習したり家で作ってみるなどの努力が必要です。
料理教室ではレシピ通りにすすめていくので、よほど教え方が上手くない限りコツなども自分でつかむしかない部分があります。費用も安くないので、自分でしっかり向上していく気持ちがないともったいないです。
以上4つのデメリットを見てきました。これらは基本的にお金を出せば解決できる可能性が格段にあがります。質の高い講師陣&マンツーマン制という最強の組み合わせを選べるからです。
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ですがそこまで予算がある人は少ないでしょうからどのデメリットなら我慢できるか、メリットと天秤にかけて検討しましょう。
さてここまで料理教室のメリット、デメリットをみてきました。次に料理教室のタイプをみていきます。完璧なところはないので、自分の目的にあったところを選ぶようにしましょう。
料理教室のタイプ
一口に料理教室、クッキングスクールと言ってもいろいろなタイプがあります。
料理の上達に直結する要素として主に以下のような違いがあります。
- 先生がすべてお手本を見せるのか、いきなり実習する(先生は部分的にお手本)のか
- すべて自分一人で作るのか、グループで作るのか
- 先生はマンツーマンでつくのか、複数人(複数グループ)を同時に見るのか
1.~3.を掛け合わせるとパターンは6通りになります。上記の3項目はどれも前者が手厚い指導になりますがその分費用が高くなる傾向になります。
自分の目的によって最適なスクールは変わってきますが、デメリットのところでも見てきたように一番重要なのは2.グループ制かどうかです。
しっかり学びたい人は多少費用がかかっても自分一人で作るパターン、3.もできればマンツーマン指導がおすすめです。
一方仲間とも交流したい人や費用を優先する場合はグループ制を選びましょう。
他にも各料理教室によって以下のような違いがあります。
- 選べるコースの種類
- カリキュラムの形がメインか、単発でのチョイスが可能か
- 雰囲気やおしゃれさに重点を置いているか
- レシピにこだわっているのか、それとも基本的なコツやポイントに重点を置いているのか
- スケジュールは合わせやすいか
- 講師が選べるか
さいごに料理教室選びをする上での注意点をみていきましょう。
グループ制の欠点については先述のとおりなのでその他です。
その他料理教室選びの注意点
大手は安心とは限らない
大手だから安心という理由で選ぶのはどうかと思います。
確かに一定のレシピと設備で受講できるというのは安心感があります。ですが一番肝心なのはやはり講師です。大手の場合は特にそうですが、講師の資格が単にそこのカリキュラムをすべてマスターしたからという場合も多々あります。先生の平均年齢が若すぎる場合は気をつけた方がいいかもしれません。料理の実力よりも営業力がある人を重視する傾向もあるからです。
特に料理の基礎を学びたい、ポイントを知りたいという場合は、見栄えがしない料理だと感じても料理の経験が豊富な講師が多いところを選んだ方がよいかもしれません。
男性の場合
男性は特にグループでのレッスンに馴染むのが難しいかもしれません。
男性歓迎の料理教室は多いですが、実際には女性比率がとても高いです。ガラス張りの教室を何度ものぞいてみたことがありますが、私が見たときはいつも女性100%でした。全く気にしないという人はいいですが、比率があまりにも違うので気にしてしまう人の方が多い気がします。
レッスンに集中したい人は男性のみの料理教室かマンツーマンのどちらかを検討してみると良いと思います。
まとめ
料理教室の目的(メリット)です↓
- 料理の基礎を学ぶ
- 教えてもらえる、質問できる
- 周りの生徒から学べる、友人ができる
- レパートリーが増える、偏りを打破する
- おしゃれな料理が作れる
料理教室のデメリットです↓
- グループ制だとやれない作業が多い
- グループ制だと人間関係やレベル差がネック
- 先生のレベルがピンキリ。期待はできない
- 結局上達は自分次第
料理教室のタイプです。いろいろな特徴がありますが料理が上達するかについてはこの3つが重要です↓
- 先生がすべてお手本を見せるのか、いきなり実践する(先生は部分的にお手本)のか
- すべて自分一人で作るのか、グループで作るのか
- 先生はマンツーマンでつくのか、複数人(複数グループ)を同時に見るのか
自分に合った料理教室を選んで、楽しみながら料理上手を目指しましょう。
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