ジム通いして半年くらいの初心者ですが、最近衝撃的な本に出合ってしまいました。「プリズナートレーニング」です。名前もだけど、それ以上に危険なのが表紙w
有名な本みたいですね。で、読んだ結果ですが内容よかったです。
筆者の主張するジム通い不要(危険)論には納得できました。うすうすボディビルやジムトレに感じていた違和感や危険性も解決してくれました。
でも初心者の私はジム通いはしばらくやめないなと思っています。そしていつか一定のところまで行ったらこの「プリズナートレーニング」通りに自宅で無料でトレーニングをしたいなと思っています。
この記事ではジム不要派の本に納得できたにも関わらず、ジム通いの決意を新たにした理由4つをまとめました。
プリズナートレーニングとは
最初に本について簡単に紹介します。一言で言うと、自重トレだけでも十分筋肉はつくよ、という本です。
筆者はジムのような環境がない刑務所の中で身体を鍛え上げたという人です。つまり使えるものは自分の身体(体重と重力)だけ。
本編のトレーニング方法以外のページがちょっと無駄に長い気もするのですが、自重トレへのモチベーションを高めるという意味では無駄ではありませんでした。私がずっと疑問に思っていたこと「古代の兵士とかって結構ムキムキに描かれたりしているけど、どうやって鍛えていたんだろう?」という問いにも答えをくれていました。
この本の主張のポイントは、ジムトレーニングは不自然な鍛え方であり、関節などを痛める危険がある。見た目だけで真の強さにはならない。ジムで鍛えられるのは対象物を動かす力だが大切なのは自分の身体をコントロールする(つまり体操選手)ことだよと説いています。
完全に納得です。ジムトレは危険で実用的でないなあというのは半年くらいやってみて感じていたです。この本は何よりも「人体の自然な動き」というものを重視していますし、学問的な根拠も随時出しているので印象がよかったです。
具体的なトレーニング方法ですが、腕立てやスクワットなどビック6と言われているものをそれぞれステップ1~10まで順にやっていこうというものです。腕立てなら壁に向かってやるというところから始まって、最後は片腕でやるという感じです。
欠点としては、写真がついてはいますがやはり動画が主流の時代なので言葉だらけでわかりにくいと感じます。あと翻訳がいまいちな気も…。
でも本当にカンタンなレベルから始まるのでだれでも始められますし、順に達成していくということでモチベーションも維持しやすくなっています。
でもジムに行こうと思った4つの理由
素晴らしい本でしたが、それでも私はジムに行こうと思ったのでその理由を書きます。(※著者もジムに行く人を否定しているわけではなく、両方行なうハイブリットトレーニング例も紹介しています。)
1.筆者とは目的が違うから
筆者は刑務所という過酷な環境で生き残るという目的でトレーニングしています。だから対象物を動かすよりもまずは自分自身を動かすことを重視します。いざという時に身を守るのに使えない身体では何の意味もないと。
でも一般社会で生きている私は違います。というか丸ごと正反対です。
まず本当にケンカになる場面になったら逃げます(戦うならトレーニング以上に格闘技をやった方がいい)。予防、つまり絡まれる確率を減らす目的なら見た目だけで十分です。
災害時や緊急時にはより実用的な筋肉にしておいた方がいい気もしますが、その場合でも自分自身より対象物を動かす力があればいい気もします。ビルから落ちそうだからぶら下がるとかより、がれきを持ち上げる場面の方が現実的です。
というか私のトレーニング目的にはそもそも上記のような理由は1ミリも含まれていません。目的はシンプルに2つだけです。
- 見た目を変えること。
- 健康体(基礎代謝を上げて太りにくい身体)を作ること。
もちろんこの2つはプリズナートレーニングでも達成できます。筆者の主張通り時間をかければきっとウエイトやマシンよりいい形で達成できます。不自然な筋肉の付き方もしないでしょうし筋肉の質が高くなりそうです。関節を痛めるリスクも低いので健康を害する心配もありません。
でも手っ取り早く結果が出る方がいい。マシンはともかくウエイトトレーニングはやっぱり筋肥大には効率的です。単純に重さを上げればいいので、プリズナートレーニングと違って身体の使い方やバランスを身につけなくても大丈夫です。それでも最初の変化を感じるまでに最低3か月はかかるとか言われているくらいです。自重で始めたらその最初の感動がいつになるのか…運動神経が悪い私では準備期間だけで数年かかりそうです。
なので筆者が不要と説くプロテインも引き続き摂取します。いずれ減らしたいですが、初心者の今だからこそがっつりめに取ります。
2.ジムのほうが効かせる感覚がつかめるから
プリズナートレーニングはざっくりとしたトレーニング方法は書いてありますが、あまり詳しくないです。だから効かせる、効いているイメージがつかめない人も多いのでは…と感じました。例えば肩甲骨を寄せるイメージとか。初心者ほどこの本を読んでも効果的にはやれない気がします。
逆に私は筆者が否定しているベンチプレスでこそ効かせるという感覚をつかめました。動きが固定されているからこその利点です。
実際本を読んでさっそく腕立てのステップ1(壁に向かって腕立て)をやってみましたが、「なるほどこれは意味があるな」と感じました。でもその理由はおそらくベンチプレスで感覚を覚えていたからです。たぶんジムに行っていなかったら「??…簡単すぎて意味ない?」という感覚にしかならなかった気がします。
自重トレではある程度のレベルからはまずバランスをとることが求められます。だからそちらに注意が向くと筋肉に効いている感覚が味わいにくい気がします。余裕をもって扱える程度のウエイトトレーニングの方が、効かせる感覚をつかむという点で優れていると感じました。
ジム、自重どちらのトレーニングもYouTubeなど動画解説を観るという手がありますが、やはりジムのトレーニング関連のほうが情報量が充実しています。情報が充実している方ではやく感覚をつかみたいです。
3.自分の身体能力が低すぎるから
これは2.と近いことなのですが、あえて分けました。
プリズナートレーニングはステップ1からはじめて10まで段階的に上げていきます。ですが私が読んで試したところ、ある一定のステップで急に難しくなります(一応このレベルができない場合はどうするという橋渡しはありますが、サクッとしすぎている)。
今の私はレベル5とかの基本的な動きのところが限度ですが、おそらく最低でもレベル7とか8まではいかないと見た目が細マッチョとかにはならないでしょう。ところがこれらのレベルがかなり難しいのです。プリズナートレーニングはスタートのレベルこそ低いですが、途中からはレベルが高すぎる!
特に難しいと感じる理由は筋力というより身体能力が求められそうだから。本の目的が使える筋肉を身につけることなので当たり前なのですが、見た目に比重を置きたい私のような人にとっては後半のステップで求められる身体能力は完全に不要です。
筆者は時間をかければレベル10までだれでもたどり着ける的なことを言っていますが、運動が苦手すぎる私はそんな気がしません。というか何年もかける根気がないです。
なお難易度順がおかしいと思う箇所もあります。特にスクワットのレベル1。これは脚に対しては確かにレベル最小ですが、体幹などのバランスが求められすぎて全くできませんでした。
一方ウエイトトレーニングなら身体能力にほとんど依存しません。マシンは身体の使い方がほとんどわかっていなくても効かせられます。
筆者は自重トレで身体の使い方を覚えることを奨めています。理想ですし正論です。でも運動苦手な人が身体の使い方を覚えるところからやろうとしたら、そこまでモチベーションが続きません。ジムの脱落者は多いということですが、きっとそれ以上に脱落するでしょう。
ジムマシンの功罪を考えると「身体の使い方がわからない人でもできる」というのが最大の功かと思います。筆者の主張通りリスクや弱点が多いのは承知の上で、初心者の私はジムを活用していきます。
4.ジムに行かないとやらないから
私は筆者のように生き残らねばという追い込まれた状況ではないので家では甘えが出ます。
ジムに出かけていくのは準備にも行き帰りにも時間もかかりますが、それによってやっとスイッチが入ります。
またジムという環境に身を置かないとちゃんとやりません。家だと、やるにはやるけれども成果がしっかり出るほどフォームをチェックしたり、追い込んだりはしなくなりそう。
目標にしても「何キロ上げられるようになった」とか、「なになにを何回できるようになった」みたいなわかりやすさって大事です。私は余裕を持って扱える重さしかやっていませんが、重さを目標にしてモチベーションを保つ人の気持ちはよくわかります。
またジムにお金を払っているから行くというのもあります。悔しいですが利用者にとってもメリットがあるビジネスのからくりだと思っています。
ジム通いはイベント
なんというか今の私にとってはジム通いはやっと定着させた日常のイベント、行事なのです。
「今ジムに通っている」というやっている感がないと、運動習慣も食事習慣も続かないです。刑務所は他にやることがないかもですが、一般社会はやるべきこともやりたいこともたくさんです。
だからジムに行くというイベントを通じて「今自分はジムに通っている」=「トレーニングが生活の一部になっている」と自分に言い聞かせることが何よりも重要です。そうしないと生活からトレーニングという要素が簡単に締め出される気がします。
ちなみに結構否定的なことも書いてきましたが、プリズナートレーニングも並行して始めました。ですがそれはジム通いをしているからです。今ジムをやめたら家での自重トレもきっとやめます。
ジムの呪縛から解放してくれた
ジム通いがイベントみたいになっているという話を書きましたが、やっぱりお金も時間もかかるからずっとはやりたくないとは思っていました。
この本は「ずっとジムに通い続けるのかな?」という呪縛から解放してくれました。それが読んでよかったなあと思う最大の理由です。
ジム通いで成果を出す人、それは習慣化している人や楽しくなっている人です。つまり成功=呪縛というからくり。
呪縛、それは例えば筋肥大を目指しているなら、やめると筋肉が減る恐怖感に囚われている、あるいはもっと大きくしたい欲に囚われているイメージです。これだと「ジムを卒業」というイメージができません。
でもプリズナートレーニングは自重でも十分トレーニングができるということを教えてくれました。また漠然と感じていた筋肥大を目標にすることの不自然さも教えてくれました。
今は最終的にこの本の通りに自宅で鍛えるのが目標です。レベル10はできるようになる気がしないですが。もしレベル6や7ができるようになったら、ジム卒業を考えようかなと思っています。
プリズナートレーニングは上級者向けかな
つまりプリズナートレーニングは上級者向けかなと思っています。初心者ほどジムに行った方がいいと思います。理由はすでに書いてきた通り。
でも初心者なら絶対読んだ方がいいです。知らずにジムのトレ続けてたら怖いと感じるくらいです。ただでさえ始めたばかりの頃軽い負荷でいろんなところを痛めそうになっていたので。もし危険性を認識せずにいたら絶対どこかのタイミングで大けがしていた気がします。
ジムも自重も両方やるなら
繰り返しになりますが私はジム通いと並行してプリズナートレーニングも始めています。マシンも自重も両方否定しない派も多いかと思います。
いろいろ調べているとトレーニングのベテランほど、「初心者はまず自重→その後ジム」という意見を持っているようでした。
確かに理想や理屈ではそうなると思います。
でも初心者の私的にはジムからはじめて最終的に自重の方がいいと思います。理由はこの記事で書いてきたとおりですが、改めてまとめるとこんな感じです。
- 初心者は身体の使い方がわからないので効かせる感覚をジムで養う(自重は難しい)
- 自重では最初の成果を感じられるまでが長すぎる(モチベーションが持たない)
- 初心者はマシンでもフリーウエイトでも自重以下の重さしか扱えない(ジムでもけがのリスクは低い)
まとめ
私が自重トレの本プリズナートレーニングに納得した上でジムに行く理由です。
- 筆者とは目的が違うから(身体能力より見た目と体脂肪率)
- ジムのほうが効かせる感覚がつかめるから
- 自分の身体能力が低すぎるから(プリズナートレーニングは途中からとても難しい)
- ジムに行かないとやらないから(ジムというイベントを消すとトレーニング意識が消える)
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