トレーニングってやってもやっても目に見えてなかなか成果が出ないですよね。特に初心者のうちは成功体験がないので、最初の感動を味わう前に挫折することも多いと思います。
とえらそうに言っていますが実は私も初心者です。具体的にはウエイトトレーニングをはじめて約半年。3か月くらい経つと見た目に変化が出てくるらしいということを信じて頑張っていたのですが、最初の3か月は全く変化せず(筋肉量などの数値も)。
ですがここ3か月あることをしはじめました。すると最近急激に変化が出てきました。具体的には大胸筋や上腕筋がくっきりしてきた、腹筋の割れ目が見えるようになった(ただし空腹時のみ)などです。ベテラントレーニーやマッチョの方たちには程遠いですが、トレーニング初心者にとって最初の感動です。
この記事ではそのあることについて書きたいと思います。
「限界」からその倍くらい追い込む
結論から書くとトレーニングでしっかり追い込むということです。これをやったらぐいぐい変わってきました。なんだそんなことか、と思わないでください。
私はやっているつもりだったのですが、想像以上にまったくできていなかったのです。これはフォームとか器具の使い方とかの話ではなくて感覚、メンタルの話です。
初心者の限界はまだ「50%」かもしれない
私は追い込むという言葉を完全に舐めていました。
ウエイトトレーニングを初めて3か月間までの間「追い込んだ・限界だ」と思っていた感覚を今の自分が評価すると、まだ道半ばです。つまりまだ50%しかやっていない感じ。
今はそこからちょうど倍くらいの時間、同じくらいの負荷を与えています。その結果見た目にグッと成果が出てきました。トレーニング直後もしっかりと筋肉が張っている気がします。
言葉がサラッとしている
この「追い込む」ですが、言葉で書くとサラッとしているので私を含めて受け手によってはまったく伝わっていないのだと思います。
運動経験が豊富な人にとって「追い込む」というイメージはきっと厳しめでしょう。運動部だった人は無理やり追い込まれる経験を毎日のように積んできたでしょうし。またトレーニングのベテランの方は追い込んだときの感覚がおそらく日常になっているのでサラッと言えるのかもしれません。ですが私は運動経験がゼロなので、自分の中でかなり甘めに限界を決めていたんだなと感じました。
勉強・成績の話と同じかなと思います。以前聞いた話ですが、成績が悪い子たちは勉強の方法以前に勉強時間自体が全く足りていなかったそうです。成績が悪い子が「かなり頑張った」という自己評価をしている。でもその時間を成績が良い子たちと比べてみると、何分の一かの時間でしかなかったそうです。
人間は「もう限界…」と思ってから実はかなりやれるのかもしれません。よほど普段からがんばっている人や根性がある人は別でしょうが、私のように人一倍根性がないタイプはたった半分で限界と感じてしまっていました。パーソナルトレーニングだとこういうことはないのかもしれませんね。
ちなみにこのことに気付いてからマッチョの人たちがどれだけがんばったのか想像できるようになったので、その努力をリスペクトできるようになりました。
気付いた理由
なぜ追い込みの足りなさが原因だと気づいたか書いておきます。
ある時ジムで変にテンションが上がって自分を徹底的にいじめたくなりました。というか慣れてきたらやってる感が足りなくなってきてそれがほしかったというのもたぶんあります。それまではなんでも10回3セットやったら終わりにしていましたが、その日はひたすら腹筋とベンチプレスをやりまくりました。たぶん15セット以上はやったかもしれません。もう起き上がれなくなるくらいまでやろうとしていたので数えていませんが。そうしたら翌日強烈な筋肉痛がくると同時に、ちょっと見た目にも筋肉が張っている気がしました。
そこからあれっ?と考え始めました。思い出してみると、山登りとかバスケとかやった翌日って筋肉痛で朝起きるのもしんどかったなと。比べるとウエイトトレーニングをしているのにそれより筋肉痛が軽いとはどういうことだと。ああ、これは全く刺激が足りていなかったんだなと確信しました。
「8~10回を3セット」手段が目的化のワナ
なぜしっかり効かせることの大切さに気付かなかったのかなということを考えてみると、初心者の頭の中では手段が目的化されているからではないかと考えています。
トレーニングの目的は筋肉に適切な刺激を与えることです(たぶん)。重さや回数を決めてこなすことはその手段です。本来それ自体が目的ではありません。
ですがだいたいトレーニングの教えをみると「○○を〇回〇セット」という入口になっています。たいてい8~10回で限界がくる重さを3セットという感じですね。それが最も筋肥大に効果的と言われているからです。でも初心者がこれをギリギリこなせる重量でやるとフォームが乱れるし、なかなか効かせられないです。逆にフォームが大事ということで軽めにすると10回3セットでは刺激が足りないから成果を実感できません。
つまり回数を入口にしてしまうとどちらでもうまくいきにくいのかもしれません。少なくとも私はそうでした。で、成果が出るまで時間がかかるのだろう…ということで思考停止したまま10回3セットをやります。もう頭の中では手段(10回3セット)が目的になっていて固定化しているからそれを変化させるという発想はでてきません。
ここでもし「あくまでも目的はこの筋肉に適切な刺激を与えることですよ」ということを強調されていたらどうでしょう。つまり「とりあえずは軽めにして回数を増やそうがセット数を増やそうが自由でいいですよ。限界までやることが大事なので。」「8~12回を3セットは、あくまで最も効率がよいとされる理想的な手段です」と。
これだったら試行錯誤する習慣が早く身につくし、私ももっと早く効果を実感する体験ができた気がします。「8~10回3セット」はわかりやすいですが、独り歩きしている感が強いです。オーバートレーニングについての補足は必要でしょうが、実際そこまでやり込める人は少ないと思います。
最近ジムでパーソナルトレーニングを受けていた初心者と見られる方がしっかりメモを取りながら「なるほど〇回〇セットですね」という確認をしていました。教える方も教えられる方も熱心でいいなと思いながら見ていましたが、回数を教えるということに偏りすぎている感じがしました。
本当の「限界」まで追い込むことが一番大事
今は大切なのはこの「追い込むことだけ」と言っても過言ではないと感じています。これをやらないと他のことをどんなに工夫しても目に見えるほどの成果は出ないのかもしれません。
というのは見た目の変化が出ないなあと思っている期間、すでにいろいろ試していたからです。プロテインをはじめとする食事や栄養、休養、フォームやトレーニング方法(重さや回数)、トレーニングの頻度…でも変わってきませんでした。ここ3か月くらいの「限界までの追い込み」で日に日に変化がわかるようになりましたが、その間上記のようなことは何も変えていません。
本当の限界ってどれくらい?自分的目安
- 汗が「ぼたぼた」落ちる
- 体調がいいとき以外は吐き気がする
- 終わった後歩こうとするとフラフラっとくる
- 最初の頃は翌日触ると「痛っ」てなる
最初の頃「限界」って思っていたころはこれらはまったくありませんでした。限界=ちょっとつらくなってきた…くらい。そういえば最初の頃はウエイトトレーニングでは汗はじんわりかく程度でした。
限界から倍くらい追い込むための方法
どうやって最初の頃の「限界」ではなく「本当の限界」まで追い込んでいるかということを書いておきます。
※ちなみに一時期は単なる気合い、「これをやらないと死ぬ」とか「これをやるとすごいご褒美が出る」的なイメージでやろうとしましたが、うまくいかなかったのでやめました。
回数やセット数を決めず、重さも目標にしない
限界まで追い込む、私にとってこれは回数を決めないということです。毎回各トレーニングのおおよその重さと回数の目安は設定してはじめていますが、いつも結果的に完全に無視しています。
いろいろ試しているので決まった方法はまだないのですが、最近のベンチプレスやバーベルスクワットだとおおよそこんな流れです。
- バーだけでウォーミングアップ
- 8回3セットは余裕でできそうな重さで始める
- 最初の2セットは予定通り8回繰り返す
- 3セット目は余力の限り10回以上でもひたすらやりつづける
- そのあと5~10キロずつ減らして2.~3.を繰り返す
- 途中から8回に届かなくなってくるので、各限界の回数までで3セット
- 最後はバーだけで10回3セット。これは儀式みたいな感じなのでやり切ったら終わり。このときプルプル震えているくらいになっていたらしっかり追い込めていて成功。
※スクワットはこれを繰り返すとひざがやばくなる時があるので、最近はあまり回数をやりすぎないようにしています。
このように、限界まで追い込むといっても実は重量はそれほど重くしてはいません。単発の負荷を高くするとフォームが乱れて、効かせたいところから感覚が逸れる気がするからです。あとは高負荷はケガも怖いので。
効率は良くないですが、結果が出ているのでしばらくはこの方法を続けようと思います。でも追い込むという目的を効率よく達成するには高負荷・短時間の方が当然いいと思うので将来的には改良したいです。フォームや効かせる技術をしっかりして8回3セットで十分になれるようにするのが目標です。
重さも記録したり目標にしたりはしていないので自由に変えています。なので今日はなんとなく気合が足りない、筋肉痛が残っているという場合は軽い重量にしています。それでもひたすら回数を伸ばしていき、最後は「もう一回もできない」という状態にするので翌日しっかり筋肉痛がきます。
腹筋は自重か10キロの負荷を持ってやっています。最近は最初の3セットくらいは15回、途中から10回を1セットにしています。どうしても上がりきらなくて「くふぅ」と言いながら戻ってしまうまでやります。セット数は全く数えていませんがやたら多くなるので3セットになるように回数で調整(50回×2セット、3セット目は限界までなど)はどうかなと思っています。または単にゆっくりやればいいのかもしれない…。
とにかく私の中で大事なのは、回数や重さで達成感を味わおうとするのをやめたということです。ではどこで達成感や成果を感じるのかというと翌日の筋肉痛です。あとは筋肉が張ったという感覚。これを目安にしたことで回数とか重さの義務感がなくなったので楽しくもなりました。
3~4日に1回のペースを守る
トレーニングした箇所は中2日は休ませています。超回復という理論があるからではなく、単純に丸2日間は空けないと痛くてまともにトレーニングできないからです。しっかり追い込むと翌日は高負荷をかけられないというよりも、該当部位を使う動きすべてが筋肉痛でつらいです。逆にこのくらい追い込まないと目に見えて成果は出てこないんだということを学びました。
そしてこれ以上休むと追い込むときにつらくなる、気持ち的に追い込めなくなるということにも気づいてきました。具体的には丸1週間以上休むとまず追い込むどころかトレーニングをしはじめる時点できつく感じます。それでもある程度までならやれるのですが、追い込む前に挫折する、つまりダメだったころの「限界」で挫折することも多いです。この場合はリハビリ期間だと思って諦めていますが、このように一度間隔を空けてしまうと追い込めるモチベーションまで回復させるのが大変です。
ちなみに最近は週6で3分割(主に脚、背中、胸)に分けてやっていますが、週2なら2時間くらいかけて全部一気にやっています。どちらでも追い込むことさえできればいいという方針です。ただやはり一日で全部位をやろうとすると疲れて追い込むときの気合が余計にいるので、細かく分けていく方がいいのだろうなあとは思っています。
辛いトレーニングほど優先する
嫌いなものが残るとしっかり追い込めないので、優先的にやるようにしています。具体的にはスクワットなどの脚トレ。
一日で全身やる場合は脚→背中という風に辛い順にやっていきます。疲れてからやると手を抜いてしまうので。逆にベンチプレスなど楽しいものは最後の最後にしています。ベンチプレスはデザート。疲れていてもおいしいのでしっかり追い込めます。
また基本的には日をわけて部位ごとにトレーニングしていますが、脚や背中の日にコンディションを合わせています。こういった日は仕事や睡眠不足などで疲れが残らないように特に気をつけます。逆にベンチプレスなどの日は多少コンディションが悪くてもやれるので気にしません。
このように意識的に差をつけることで好き嫌いでさじ加減せずにできています。
脚をしっかり鍛えることで、全身をデザインしているイメージが強くなり本格的に楽しくなってきました。つらいので当初はかなり適当に流していたのですが、しっかりやるようになって上半身にも成果が出てきました。
しっかり追い込むようにして良かったこと
追い込むのはつらいですがよかったこと、気づいたことがたくさんありました。
見た目がめきめき変化して楽しい
毎週のように変化を実感できるので圧倒的に楽しくなりました。
そうなるとますます回数や重さなどの「ノルマ」ではなく、筋肉痛という「成果」の方に集中できます。こうして次回もしっかり追い込めるという好循環になっています。
効かせる感覚がわかってきた
結果にこだわった追い込みをすることで、しっかりしたフォームで最初から最後までやる意識になりました。
その結果狙った部位に効かせるという感覚がよりわかってくるようになりました。まだまだ初心者の域ですが。
トレーニングへの意識が柔軟になった
成果に集中することで結果(筋肉痛)を出せればOKという意識、つまり自由で柔軟な感覚になりました。
トレーニング時間はものすごくはやい
本気で追い込んでいると1時間のトレーニングなんてあっという間です。私の場合は高重量というより適度な重さで限界まで繰り返すという方法を取っているからかもしれませんが。
以前回数をノルマのように決めていた時は30分でも長いと感じていたのに、しっかり追い込もうとすると時間が少ないと感じることが多くなりました。
考えてみると回数をこなすというのは一定時間作業をする仕事に似ているからかもしれません。今は成果主義の仕事のように取り組んでいるので、無駄に休まない、効率を考えるなどの発想で好循環が生まれています。
なんでも夢中でやってしかも成果が出ている時ほど時間が経つのがはやいですね。
誰でも成果が出せるんだという実感
私は運動が得意ではなかったので、初めて自分でも上達が実感できるスポーツに出会えた感じです。
他の運動やスポーツだと向き不向きなどがありますし、練習しても下手な人は下手だったりします。ウエイトトレーニングをスポーツと呼ぶのかわかりませんが、これほど運動神経が悪くても楽しめるスポーツは他にありません。動きが難しくてできないということもありません。
筋肉関係の遺伝などはあるのでしょうが、しっかり追い込めば誰でも成果が出せるという楽しさに気づけたのが一番良かったです。
よく眠れる
運動すると疲れてよく眠れると言いますが、ウエイトトレーニングをはじめてすぐの頃は特に変化を感じませんでした。
ですがしっかり追い込むようになったらかなり疲れるのでとにかくよく眠れます。
まとめ
数行で終わるかなと思って書き始めたのですが、ずいぶん長い記事になってしまいました。
記事を要約して箇条書きします。
- 初心者は自分が思っている以上に「限界」を低めに見積もっているかも
- それだといつまでたっても成果が出ないかも
- 初心者が8~10回3セットにこだわると追い込む意識は身につかないかも
- 回数や重さよりも筋肉への刺激を確認することが大事
- しっかり追い込むといいことがたくさんある
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