飲食転職

調理師だった私がウーバーイーツで注文する気がおきない理由

ニュースを見ていると新型コロナウイルスの影響でUber Eats(以下ウーバーイーツ)が大人気らしいですね。

らしいというのは、私は一度も利用したことがないから。

でも実は最近配達員はやってみたいと思っていました。

理由は、お小遣い程度の副業したい&運動ができそうで一石二鳥!だからです。特にジムにいけなくなって運動不足なので、お金をもらって運動できるなんて最高じゃない?と思いました。もしほとんど稼げなくても、そもそも週末にサイクリングするつもりだったと思えばぜんぜん損ではない。

そこでやってみるなら何回かは自分が受け取り手として利用してみないとダメだろうと考えました。配達員がどんな服装でどんな感じで受け渡すのかとかも知っておきたいですし。

でもそうやって想像しようとすると、どうしても頼みたくないという気がすごく強くなりました。最初はモヤモヤとした感じだったのですが、整理するために書き出してみると意外なほど理由が多くはっきりしてきました。たぶん調理師として仕事をしていたことが大きいみたいです。

この記事ではその理由をまとめていきます。

※本記事はウーバーイーツを否定したり悪く言ったりする意図はまったくありません。記事の目的としては、魅力を感じつつもどうしても利用しない人というのはどういう人なのかという参考にということです。

ウーバーイーツを試す気にならなかった理由5選

1.人が口に入れるものという意識が…

私が配達員をやってみようかなと思ったときにまっ先に気になったのは実はトイレです。

トイレをどうやって効率よく確保しようということじゃなくて、しっかりと手洗いできる環境があるのだろうか?ということです。あとはもし配送中だったらトイレに行っている間に荷物から離れるのが怖い。何かいたずらとかされたらどうしよう。こんなことが心配になりました。

また私は服装に対して敏感になってしまっているところもあります。働いている環境では厨房からトイレに入るときは白衣を脱ぐという環境が長かったからです。

そしてググってみるとどうやら皆さん公園やコンビニを利用しているようです。ただチェーン系の注文が多いのでお店のトイレを利用しているというパターンもあるようでした。

気にしすぎというのはわかっています。そもそも外を走っているんだし自転車のサドルやインターホンやら触っています。というか私もケータリング業をやっていたことがあるので、一度梱包してしまった後はあくまで荷物という扱いをするのはわかっています。それで本来なんの問題もありません。

ただ一度ネガティブなイメージしてしまうと問題が多いと不評だった時期のイメージを払拭できなくなってしまいました。スピードを優先するあまり人が口に入れるものを運んでいるという意識がまったくない?人がいるという事実がどうしても拒否反応を起こさせます。やはり口に入れるものは宅配ピザ店など料理の企業という母体に属している人にお願いしたいと思いました。

2.住所を知られたくない

2番目の理由は住所と顔を知られたくない、です。

ただAmazonとかヘビーユーザーですし、他のWebサービスとかでもバンバン住所入力しています。でもウーバーイーツはなんとなく嫌です。個人事業主に個人情報を知られることを心のどこかで嫌がっている自分がいます。

もしへんな人がきてラーメンの汁が全部なくなっていたり料理がごみみたいにぐちゃぐちゃになっていても正当な文句も言えないと思います。家と顔を知られている個人に逆恨みされるのがとても怖いです。相手が一方的にこちらの自宅を知っているというのもフェアじゃない感じです。いざという時にトラブルを伝えられるしっかりした窓口がないというのは不安です。

3.アカウントを作りたくない

今後も利用しそうならいいのですが、とりあえず一度お試しするのにアカウントを作らなければいけないのが嫌いです。

アプリダウンロード、メールアドレス入力、特にパスワード。結局一度しか利用しないWebサービスのためにパスワードの管理が山のように増えていっています。ですので最近は”どうしてもここでしか買えない”というもの以外はアカウント必須の買い物は遠慮しています。

その点電話一本はやはりラクです。私のように”出前なら電話があるところでいいや”というアナログ人間には、ウーバーイーツですら登録のハードルは高いです。ウーバーイーツの需要は年金世代にこそありそうなのに、主な利用者は50代までというのはうなずけます。

ちなみにこんなこと言っていますがこれでも私はWeb制作者です。IT企業にいますがもともとアナログな厨房で暮らしていたので周りの生粋のデジタル派感覚とは相いれません。時代に逆行する感覚を持つ貴重な存在と自負しています。

4.冷静に考えてさすがに割高すぎる

4番目の理由はやっぱり冷静に考えるとだいぶ割高ということです。手数料やサービス料などなど(実は仕組みがよくわかっていない…)。

タワーマンションの住人ならいいかもですが、狭いアパートに住んでいる庶民にはかなり贅沢です。

料理本体が1000円以上とかだとプラスの数百円は微々たるものに思えてくるのも怖いです。私はこういうところを冷静にならないと認識できなくなるタイプなので特に。おそらく利用したらクレジットカード払いだと思うので、手数料で多額の現金がでていく感覚がなくなりそう。銀行の手数料をとても気にするタイプなので、ウーバーイーツはやめておこう。

そもそも私は自炊派なので人と会う以外はふだん外食もほとんどしません。理由は業界の中の人だったので外食産業がいかに安い食材を利用しているか、質のわりに割高かを知っているから。

外食もコンビニも贅沢と思っている人間にはウーバーイーツは価格的にものすごくハードルが高いです。

5.本当は一度使ってハマるのが怖い

いろいろ試さない理由を書いてきましたが、本音を言うと一度使ってみたら便利すぎてハマってしまった!ってなるのが怖いです。

普段スーパーでセール品や見切りの半額食材ばかりを購入しているのですが、節約を楽しむ生活から一気に散財派になりそうなのが最大の恐怖

食事を作ったり買いに行ったりする時間を節約してその分稼げる人はいいですが、私の場合はだらけるためだけに利用するようになりそうです。またウーバーイーツはどうしてもファストフード系が多いので、もしハマったらさらに健康診断の数値が悪化しそうです。

便利かもですが、その分お金と健康を奪われそうだから使わないことにしました(負け惜しみ)。

試す気にならなかった理由まとめ

  1. 人が口に入れるものという意識が…
  2. 住所を知られたくない
  3. アカウントを作るのがめんどくさい
  4. 冷静に考えてさすがに割高すぎる
  5. 本当は一度使ってハマるのが怖い

よく考えたら①④⑤、これらは外食しなくなった理由そのものでした。ウーバーイーツの前にそもそも外食に対してネガティブなだけだった気もしてきました。

でも外食しないもう一つの理由は、引きこもり系なので自宅で食べるのが快適だからです。ということでウーバーイーツの魅力とジレンマについて追加して書いてみます。

ウーバーイーツの魅力とジレンマ

いろいろ利用しない理由を書いてきました。でも魅力を感じている点はいろいろあります。

まず最低金額いくらというのがないのは大きな魅力です。どうしても何か頼みたい、でも通常のデリバリーは最低金額が1500円以上とか高いから頼めないということは確かにあります。

また届けるのみで余計なサービスはしない、というスタイルにも魅力を感じます。私は日本の過剰な言葉遣いとかは好きではないからです。これもやってみようかなと思った理由の一つでした。

結局当座は試さないことにしましたが上記を考えるとちょっとジレンマです。ただやはり今はいいやと思った自分について考えてみると、どうやら”効率”という考え方や言葉が好きじゃないみたいです。

どうしても効率優先

ウーバーイーツで働くとしたらどうしても効率優先になります。仕事なので当たり前ですがその程度が問題になります。

自社のピザの配達だったらやっぱり優先順位はこうです。

  1. 丁寧に気持ちよく届けること
  2. スピード

②は大事だけれど①を削ることはしません。

でもウーバーイーツはどんなにサービス精神旺盛で誠実な配達員さんでも

  1. 効率とスピード
  2. 丁寧に気持ちよく届けること

という順番になりそうです。おそらく②を削ってでも①を追求する人の方が多いでしょう。

過剰なサービスはいらないけれど、効率を求めすぎて安心がおろそかになるレベルに達するのは嫌なんです。

ちなみになぜ効率が嫌いかと言うと、私は自分自身の効率や生産性に自信がないから。効率が悪くても周囲の人とうまくやる方が会社で居心地のいい人生を送れるという方針で生きてきました。こういう人間にとってウーバーイーツのように本気で効率を追求する会社や職業が増えると、絶対勝てないから怖いです。

ウーバーイーツの将来性

せっかく記事を書いているのでウーバーイーツの将来性を考えてみようと思います。といっても使ったことすらないので感覚的なことですが。

たぶんまだ利用者は増えるのでしょう。コロナで需要や認知度が高まったのも大きいです。今回初めて私のように本気で利用しようか考えてみたという人がたくさんいるはずです。

少なくともお金があれば使わない手はないというくらい便利そうです。私が使わない理由に全部賛同する人もそんなに多くないと思います。ですのでコロナ関係なく、お金は持っているのになんとなく試してなかった層がまだまだ利用していくのだと思います。

一方配達員側には将来性はやはり感じられません。コロナの影響で配達員が飽和状態というニュースも見かけますし、残念ながら時給は上がることはないでしょう。参入障壁も低いですしスキルの蓄積も期待できないです。ただ自転車を使えば体力をつけられそうなことにはちょっと魅力を感じます。

ずっと続ける仕事としては厳しいですが、時間が自由なアルバイトとして、また会社員の夜&週末副業としては魅力的に思っています。

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