実店舗で包丁を選ぶ場合の最大の特徴は実物を手に持つことができることです。これが理由でネットではなく足を運んで選びたいと思う人もいるでしょう。
ただ専門店や本格的な包丁を選ぶのは敷居が高いと感じる人も多いと思います。
この記事では、店舗で購入するメリットを生かすためのポイントをまとめていきます。
包丁専門店のほかに東急ハンズや212 KITCHEN STOREなどの調理道具店(つまり包丁がショーケース内に陳列されているタイプの店)も含めて書いています。家庭用のちょっといい包丁を買う場合はそういったお店もいいでしょう。比較的全国どこにでもありますし、気軽さという点からみてもおすすめです。
基本手順
1.欲しい種類を決める
まずは目的の包丁を決めます。
- 種類 (「出刃包丁」などの名前)
- 長さ(「刃渡り18㎝など」刃の部分の長さ)
- 錆びやすさなど(素材)
お店ではこれらはわかりやすく表示されているところも多いです。このあたりはこちらの記事を参考にしてください。
2.店員さんに話しかける
軽く店内を見たら店員さんに話しかけるのがおすすめです。
どんなのが欲しいのか使えるとたいてい付加情報もくれるのでまずは店員さんに声をかけることをおすすめします。また具体的な種類がわからない場合も、使用目的と普段どんな包丁を使っているかの2つを伝えればおすすめを紹介してくれるはずです。
3.実物を持ってみる
そうすると実際に手に持って触らせてくれます。ちなみに専門店では刃がついていない状態で置いてあるのでそれほど怖がらなくて大丈夫です。とはいえまったく切れないわけではないですから注意して扱いましょう。
ではいよいよ本題、この実物を持ってみるときのチェックポイントです。
実物のチェックポイント
ホームセンターなどと違ってショーケースで包丁を置いているお店の利点は、実物を手に持てることです。
最初はよくわからないかもしれませんが、何本か持って比べてみるとだんだんと使いやすそうか見えてきます。
では実物のチェックポイントを見ていきましょう。
まずはたくさん触れる~特に柄の相性を確かめる
せっかく実物を触れるので、気になる包丁はもちろん、できるだけたくさんの包丁を持たせてもらいます。
柄の部分は質感や形がさまざまなので好みが分かれるところです。材質だけでも木、プラスチック、刃と一体型(ステンレス等)などがあります。今まで使ったことのある包丁と同じものを選ぶのもいいですが、違うものも試してみるとよいと思います。
人気の一体型の柄の場合(GLOBALとヘンケルス)
家庭用にちょっといい包丁を買おうという場合、人気なのがGLOBAL(グローバル)とヘンケルスです。これらのシリーズは柄が一体型になっているのが特徴の一つです。それぞれ柄の形が異なるので好みも分かれます。なのでどちらかが目当てだとしても両方持ってみることをおすすめします。
東急ハンズや212KITCHEN STOREなどの調理道具店ではこの二種類が中心の品ぞろえになっていることが多いです。ショーケースに入っていますので、店員さんに声をかけて開けてもらいましょう。
たいてい包丁の販売に詳しい担当の店員さんがついて案内してくれるはずです。
包丁そのものに詳しい店員さんは少ないですが「女性にどれが売れているか」などの参考情報を教えてくれます。
さてこの人気の二種類ですが、あるお店の店員さん曰く、女性は特に持ってみてはっきり好みが分かれることが多いそうです。理由は柄の形です。
私はその好みが分かれるのは指の太さ(手の大きさ)が一番関係あるのかなと思っていましたが、その店員さんは「人によって持ち方が違うからではないか」ということでした。やっぱりいろんな人がそれぞれ持っているのを見ているからわかるんですね。結構皆さん持ち方・使い方に特徴やクセがあるそうです。
ちなみにヘンケルス(ツインフィン)の方が持ちやすいという女性はGLOBALはややごついと感じてしまうようです。
ただ、もちろんすべての方がそうではなくヘンケルスよりGLOBALが持ちやすいと感じる女性も多いそうですから、こればかりは持ってみないとわからないようです。
出刃包丁や刺身包丁
魚などを扱うことが多くて出刃包丁や刺身包丁を購入したい場合、総合的な調理道具店ではあまりにもラインナップが少なすぎる(下手をすると1種類とか)ので、包丁専門店に足を運んだ方がよいと思います。
まず専門店の場合、それぞれのお店でラインナップ、扱うメーカーが異なるので、いろいろのぞいてみて自分が欲しい種類や素材に強いお店を選びます。和包丁、洋包丁、特殊鋼など店によってそれぞれ品揃えが違います。
専門店ではじっくり自由に手に取れるところが多いですし、親父さんに話しかけてみたりして相性が良さそうなお店だったら遠慮せずにどんどん持ってみましょう。
木の柄の場合、和包丁では丸いもの(出刃に多い)や八角形のもの(高価なものが多い)、栗型のもの(刺身包丁に多い)などが代表的ですが、こちらも相性や好みがあるものですので、いろいろ試しに握ってみるのも楽しいと思います。
ちなみに木の柄の洋包丁では柄の形はだいたい同じでも、刀身と柄の接合の仕方が違いそれによって強度や値段が変わることがあります。
長さと重さを再チェックする
長さが使いやすいかチェックするときは、縦に振ってみる以外に皮をむく時のように横にしたりいろいろ動かしてみます。コントロールしにくいと感じるなら2~3㎝短いものを選びます。
長さはあらかじめ家で使っているものを測っておくほうがいいです。持ってみて大丈夫でも、家のキッチンに合わない可能性もあります。シンクで洗う時長すぎて邪魔にならないか、包丁差しに収まるかなどもポイントになります。
重さは少しだけ重いなと感じるくらいなら心配ないです。使っているうちに慣れます。ただあまりにも重いものを選ぶとやはり使いにくいので違和感が大きいときは一段階軽いものを選びましょう。
最終チェックする
最後のポイントは包丁の最終チェックです。検品みたいなイメージです。包丁というのは思っている以上に一本一本が微妙に違います。
曲がっていないか、重心の位置、傷がないかの3点を確かめます。
曲がっていないか
曲がっていないかどうかのチェックは包丁を目線と平行になるように持っていき片目で見てみます。
一本一本よくみるとそれぞれ微妙に曲がっていることがありますが、左右にくねくねと曲がっているものは絶対にアウトです(あまりないですが、何回か見たことがあります)。
重心の位置
特に刺身包丁など刃渡りが長いものを選ぶ場合は重心の位置に注意しましょう。
包丁専門店では同じメーカーの同じ包丁を数本ずつ在庫してあることがほとんどですので、これが欲しいと思った場合在庫を全部出してもらい比べてみましょう。もう買うことを決めているので遠慮することはありません。
特に手作りの和包丁で刃渡りが長い場合(刺身包丁など)、上下に振ってみると一本一本重心が微妙に違うことに気付けるはずです。
どちらかと言えば刃元に重心がある感じのものを選びます。反対に刃先の方に重心があり振られるような感じのものはダメです。刃先に重心があると使いにくいですし、途中に無駄な厚さがあるということですから研ぎにも影響が出てしまいます。
傷がないか
さいごに傷がないかチェックしましょう。意外と小さくはない傷があるものです。
選ぶ手順としては、まず曲がりや重心の位置をチェック。
どれも問題なさそうならその中から傷が少ないものを選ぶ、という感じです。
まとめ
実物を試しながら包丁を選ぶときのポイントまとめでした。
最初は持ってみてもよくわからないと感じるかもしれませんが、重さ、握り心地などしっくりくるものがあるはずなので、できるだけいろいろ試しましょう。ネットで下調べも重要ですが、実物を見て触っていると好みも変わってきたりします。
また何回か実物を持ちながらの買い物を繰り返していると、フィーリングが合うものがわかるようになってきます。調理道具店の店員さんや専門店の親父さんと話すのも勉強になりますし楽しいです。実物の包丁をいろいろ触らせてもらうとネットでの買い物もしやすくなります。
まだ調理道具店や専門店に行ったことがないという方はぜひ一度足を運んでみることをおすすめします。包丁専門店は敷居が高いという場合は、東急ハンズや212KITCHEN STOREなどのキッチン道具を扱うお店がおすすめです。
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