この記事では「バッティングセンターでホームランを打ちたい!」と思って取り組んだ不毛な研究と記録を書きます。
私は野球経験はなく、球技も苦手だったタイプです。たぶん今も経験者から見たらひどいバッティングフォームでしょう。それでも月約2回ほど通って1年で5回ホームランに当てることができました。
最初に記事タイトルの個人的な結果を書いておきます。2,315球で4回ホームランという結果でした。つまり約579球で1回。1プレイ25球とすると1ホームランに23ゲーム必要ということになりました。
2022/06/08追記
記事執筆後さらに959球打ちましたがその間のホームランは2本でした。約480球で1回。1プレイ25球なら19ゲーム必要。これまでの記録すべてを合計すると3,274球で6回。約546球で1回。1プレイ25球なら22ゲーム必要。現在の自分の実力だと500球で1HR。1球で当たる確率は0.2%程度です。
というわけでホームランを打つための取り組みをまとめました。
この記事を読んでもわからないこと↓
- ”実際の”ホームランの打ち方
- 正しいバッティングフォーム
- その他野球の技術的なこと
この記事を読んでわかること↓
- HR的の大きさや当たる確率の低さ
- 当てようとするとどのくらいお金がかかるのか
- なぜ的に当てたいのか~一人遊びができる人におすすめの理由
本記事はたまにバッティングセンターに行ってズバッと当てたい系の記事ではなく、コンスタントに毎月通って一定の確率でホームランを出したい、という内容です。この記事の執筆までに1年以上通って半年以上データを取っています。
野球がうまくなりたいのではなくただ単にホームランの的に当てたいので以下のように取り組んでいます。
- 成功条件(ホームランに的中)をしっかり知る。
- 1.の的が小さすぎるならもう少し大きな的を作ることで自分の力量を知る。
- 2.の確率を上げていく。
というわけでまずはホームランの的の計測から。
バッティングセンターホームランの条件
まずはバッティングセンターホームランの特徴です。
- 高さ(ボールを上げる角度)が極めて限定的
- 左右の方向も極めて限定的
- 打球はどんなに弱くてもいい
本当の野球でホームランを打つのとは全然違いますね。
やっているのはバッティングではなく的当てゲーム。野球よりもむしろダーツやゴルフに近い感じです。
以下的に当たる条件を整理。
ホームランの条件を数値で整理
私がよく行くところを例にします。
結論から言うとホームランに当てるには以下の両条件を満たす必要があることがわかりました。
- 打球角度(高さ):20度程度
- 打球方向(幅):1.7度の範囲内
これを同時に満たせたときにはじめてホームランになります。
ホームランの的って何度くらいなの?【打球角度と打球方向】
もう少し詳しくみていきます。ホームラン的の高さ、つまり打席から見た角度です。何度くらいでしょうか。
写真から計測すると20度弱です。写真からざっくりとツールで計測ですが、地面からで20度、打席で打つ高さを起点にすると19度くらい。
いくつか別のところにも行ったことがありますが、体感ではどこもだいたい同じくらいだと思います。
上図のように天井ネットに当たってから当たるパターンもあります。これはその時によるので角度はよくわかりませんがたぶん25度まではいっていないと思います。
ちなみに本当の野球でホームランを打ちたかったら30度くらいの角度に強い打球が打てるようになるとよいようです。つまりバッティングセンターの的の角度は実際の平均的なホームランよりだいぶ低いです。
ただ20度でも最初ゴロしか打てなかった私にとっては十分高いです。30度に強い当たりを打つとか不可能に感じます(ホームランバッターってすごい)。
ホームランの条件1
打球角度を20度~くらいにする
打球方向が1.7度の範囲というのはセンターのネットの実寸法から割り出しました(計算詳細は長くなるので割愛)。※バッセンごとのホームランの的によります。今回の計測から推測するとどこでもおそらく1.5度~2度の範囲内には収まることが多そうです。
ホームランの条件2
打球方向を横幅1.7度という精度でコントロールする
さて成功条件を数字で確認できましたが正直よくわからないです。
もうちょっと感覚的に理解できるようにしたい…というわけで以下。
ホームランの的ってどのくらい小さいの?
まずはネットの向こう全面をこのようにエリア分けして勝手に命名します。
ネットの向こう側に当たれば”ヒット”【オレンジのエリア】
中央エリア(2本柱が立っているのでその間)かつ上半分に入れば”長打”【赤のエリア】
ちなみにそれぞれの角度はこんな感じです。”ヒット”は7~22度。
”長打”は14~22度。ただし天井ネットに当たってもいいので実際は22度+αです。
打球方向です。
”ヒット”になる横幅は約60度です。”長打”は20度。ホームランの幅は1.7度くらい。
打球方向について実際の野球場だとこんな感じです。
素人がホームラン的をピンポイントで狙うのは不可能に近いので、エリアに入った中から一定確率でホームランが生まれる、と考えることにします。
さてどのくらいの確率でしょう。
上の写真の場合、面積をざっくり測ると”長打”の100分の1がホームランです。
また”ヒット”の600分の1がホームランです。
最初計算したとき「的小っさ、確率低っ」って思いました。
経験者ならともかく未経験者はライナー打つのも難しいですからね。
目標があまりに小さいので、もうちょい大きな目標をつくる
さてここまで見てきたように”ホームラン”は小さすぎます。素人がピンポイントで狙うのは不可能&不毛なのでもうちょっと大きな目標を設定することにします。
- ”長打”エリアに100回打てれば1回ホームランがでる。
- ”ヒット”エリアに600回打てれば1回ホームランがでる。
これらのエリアに打てたら成功とカウントして、その確率を上げるように意識してきました。
※なお先述のように天井ネットに当たってからホームラン的に当たることもあります。ですので天井ネットに当たろうがエリア内にボールがいけばインとしてます。
半年間の実データ
上記のような的の計測をしてかつ記録を取り始めたのは通い始めて6か月くらいからです。そこから半年のデータです。
総球数 | 2,315 |
総ヒット数 | 824(率.357) |
総長打数 | 290(率.122) |
総ホームラン数 | 4 |
先の画像だと”長打”の100分の1がホームランになる面積比ですが、実際には長打エリアの72.5分の1でホームランでした。やはりある程度角度と方向をねらっているせいか単純な面積比よりは確率が高くなりました。※試行回数少なすぎですがまあ遊びなので…
またヒットエリアの600分の1の面積比ですが実際には206分の1でホームランでした。また完全ランダムに飛ばせばヒットの数は長打の数の6倍になるはずですが、実際には2.84倍だったので打球方向等が一定程度コントロールできていることがわかりました。
なお最初の頃は記録していないですが体感でたぶんヒットが1割くらい(25球中2~3回だけ)でした。空振りやファールチップやゴロばかりだったので。特に打球を上にあげるのが難しかったです。
直近3~4回の記録から計算すると、25球で長打エリアに4球、ヒットエリアに9球くらいは飛ばせるようになりました。
ホームランを出すにはどのくらいお金がかかるのか
このように一定のエリアにどのくらいの確率で飛ばせるかを数えることで、今の自分の「ホームラン確率」を知ることができる=ホームランに必要な球数と金額がだいたいわかってきます。
仮に1ゲーム25球200円と設定してみましょう。単純面積比だと”長打”100本につき”ホームラン”一本。
- ”長打”が平均1本(.040)の人は【100ゲーム 2500球】…20,000円
- ”長打”が平均3本(.120)の人は【33ゲーム 825球】…6,600円
- ”長打”が平均4本(.160)の人は【25ゲーム 625球】…5,000円
- ”長打”が平均5本(.200)の人は【20ゲーム 500球】…4,000円
- ”長打”が平均12.5本(.500)の人は【8ゲーム 200球】…1,600円
調子が良い時の私で上から3番目です。せめて平均5本(.200)はいきたいのですがなかなか難しいです。ただし先の実データでは長打エリアの72.5分の1がホームランになっていたので、それでいくと20ゲームやれば一本出せるくらいになります。
※バッティングセンターによって値段も的の数・大きさも向こう正面の広さも全部違うのであくまで例です。
上手い人は何ゲームに一回HRを打てるのか
以前プロみたいにうまい人を見たことがあります。150キロ表示の球を全部ほぼ同じ角度と方向に打ち続けていました。先のエリア分けだとおそらく”長打”8~9割です。
こういう人なら1ゲーム25球としてホームランに当たる確率少なくとも20%以上ということになります。5ゲームやれば1本は出せるくらいの計算です。
なるほどバッティングセンターが一日何回(ひと月何回)までって制限するわけです。
この記事は「幾何分布」とかはわからない人間が書いています。小学校算数レベルです。はじめて出るまでに必要な試行回数は…とかそういう難しいことはなしでいきます。
素人が1ゲーム(25球)でホームランを出せるのはどのくらいミラクルなのか
未経験者の場合、たまに行って”長打”に入れられるのは25球で1球くらいかもしれません。
この場合”長打”エリアに100本打つのに100ゲームかかります。
この技術レベルにも関わらず1ゲームでHR達成した場合はかなりの強運と言えるかもしれません。1%のガチャを1回で引き当てるのと同じようなものです。
どのくらい”惜しい!”を経験することになるのか
私は先述のように”ヒット””長打”エリアを決めて遊んでいるわけですが、定期的に通っているとその枠におさまらないくらい惜しいやつをたくさん経験します。
私の中ではこれを”HRもどき”と”HRもどきもどき”と命名しています。
面積からの単純計算だと、”ホームランもどき”はホームラン1本ごとに平均1回経験。”ホームランもどきもどき”はホームラン1本ごとに平均3回経験します。
”ホームランもどきもどき”の視覚的イメージです。
「惜しい~」ってなりそうですが、これはホームラン1本につき3回も出現する範囲です。体感的にもそんな感じです。
最近は慣れすぎて”もどきもどき”ごときでは惜しいと感じなくなってしまったのが、うれしいような寂しいような複雑な気持ちです。
”HRもどき”はさすがに「惜しいなー」と思います。ほとんどかすったように見えるので。でもこれも何回も経験します。
この方法のメリットと楽しさ
この自分ルールを作ってからバッティングセンターに通うのがより楽しくなりました。
その日ホームランが出なくても、”長打”が多ければホームランという目標に近づいているのがわかるからです。
単なる「惜しい」ではなく「よし!近づいている」になります。
”もどき”や”もどきもどき”→ホームランに近づいている→モチベーションアップ
大きな目標を複数段階作ることで最終的な結果だけにとらわれないで済むようになりました。
また修正もしやすいです。例えば”ヒット”の割合が高いのに”長打”の割合が極端に低いなら、バットで捉えてはいるけど打球方向がずれているか角度が足りない、ということになります。
フラフラと当てる
ちなみに最初の頃はマシンがある面も”ヒット”と考えようかと思っていました。鋭い低いライナーで捉えた感じがしていたからです。でもどんなにしっかり当てても角度で言うと7度以下。低すぎてホームランには結びつかなそうなのでダメとしました。
体感的にボールの下を打ってフラフラでもいいから打ち上げる意識のほうが確率が高いと思っています。
実際に5回のホームランのうちまっすぐ鋭く当たったのは1回だけでした。天井ネットに当たってから当たったのが1回、残りはちょっと落ち気味か平行くらいで当たりました。
これはそもそも強い当たりを打とうとしていないというのがあります。的当てゲーム、コントロール重視だとこのほうが割がよいと感じています。
ホームランを狙うようになった経緯
最後に野球経験者でもないのになんでバッティングセンターでホームラン打ちたいのかっていう話です。
最初は健康のために月に2回バッティングセンターに行くようになりました。ただ通い始めて3か月目くらいに偶然ホームランの的に当たって目的が変わりました。
たぶん実際の野球だったら浅めの外野フライ(内野フライか?)みたいなゆる~い感じでしたが、それでも的に当たってファンファーレが鳴る、おまけに景品(ペットボトル飲料ですが)までもらえました。こんなのでも運動経験がない人からするととてもうれしいわけです。
もう一回打ちたいなあ…どうやって確率を上げようかな…とやっていたら趣味化しました。
バッティングは運動としてもちょうどいい
目的は完全にホームランに代わってしまいましたが、結果的に継続する習慣になって健康維持につながっているのでよかったです。
なぜバッティングセンターを選んだかというと…その頃ちょうど軽いジョギングをはじめていましたが走るのって基本つまらないです。
なにか球技のようなゲーム性ある全身運動もしたほうがいいということで選びました。(詳しく書くと長くなるので端折りますが、心臓や腰や股関節の不調で通院することになり先生からアドバイスをもらったりしました。結果的に腰の不調が解消できました。)
腰については他に勧められたものとしてはテニスや卓球もありました。他人と一緒にやらないといけないのが苦だったのでパス。いろいろ消去法でバッティングになりました。
ちょうどコロナ禍だったので、屋外のバッティングは低リスクというのもありました。
素人でも一人遊びが好きな人間に合っている
私が感じているバッティングセンターのメリットです。
- 少しお金がかかるが特別高いというほどではない(私は月2回で2,000円)
- 気が向いたときに一人で行ける
- ボウリングのようにスコアとか出ないので下手でも恥ずかしくない
- コロナ禍でもほとんど問題ない
本記事のように勝手に大きな的を描いて目標を立てて遊ぶと未経験者一人で行ってもけっこう楽しめます。一人遊びが好きな人にはおすすめです。
バッティングセンターのホームランにしては長い記事になってしまいましたが、ここまでありがとうございました。
20221205_追記////////
ついにバッティングセンターの本を読んでしまいました。読んでもうまくならないですが、楽しいです。的を作ったらお客さんがたくさん来たという歴史エピソードを知れて納得しました。私完全にそのタイプだ。
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そういえばたまに草野球の社会人グループとか少年野球の子たちとかぶることがあります。皆さんうまいしバッティングの理論とか話しているのが耳に入ると気が引けます。混んでるときにネットのうしろでじろじろ見られたので3回連続空振りしました…いいんだよ。世の中にはこういう楽しみ方をしている人もいるんです。
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