会席料理(割烹)の仕事を経験して思ったこと

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盛りつけられた色とりどりの日本料理。

昔少しですが会席料理の厨房を経験しました。記事ネタがあまりないので、単に経験した感想(というか20年前なので思い出)でも書いてみようと思います。

目次

料理仕事とはイコール仕込み

日本料理って仕込みが多いです。まあどんな調理でもこの面はありますが、特に仕事として行なう料理ってほとんどが仕込みだよなあ…と。

でもそうでもないジャンルもあります。家庭料理もそうだしイタリアンとかは比較的仕込みが少なめです。まあ日本料理は出汁取りだけは逆にシンプルですが。

割烹では特に煮物が評判いい店だったのもあり、料理とはイコール仕込みであるという概念が私の中に叩き込まれました。

そういえば料理の花形工程よりも仕込みのほうが性に合っているなあとは思っていました。

親方絶対

親方は絶対でした。個人店だったのでなおさら。いかにも昭和というか昔のやり方する人でした。

昔ながらの技術はすごかったです。ただ「これはこうするもの!」っていう固定概念もすごくて、最新の知見や現代の食材に合わせたやり方は絶対認めない感じでした。例えば米の研ぎ方とかめちゃくちゃ力入れてゴシゴシしないと怒られました。

一度反論(というより提案)したら「こっちは何十年もやっているんだぞ」的なことをすごい剣幕で言われたのですべてを諦めました。完全にキレてたので怖すぎました。

怒鳴るしモノ投げることあるし常に下駄。今はさすがにここまでの人いないかも。

先輩が「おれ昔尊敬できる親方について各地周ったりしたけど、ここのおやじには絶対ついていけない」と言っていました。その先輩はその後大げんかして辞めてしまいました。

昭和の貴重な最後の絶滅危惧種だったんじゃないかと思います。人生経験的にはちょっと触れられてよかったかもしれません。

見た目命

日本料理は味と同じくらい見た目が大事です。いやむしろ見た目こそ妥協しない感がすごかったです。

八寸(前菜)なんてちょっとでもバランスが悪いと怒鳴られました。

まあもちろん見た目や盛りつけは大事です。ただその目的が喜ばせるためというより金をとるため、という点を強く感じてしまうことは多々ありました。

地元の議員や有力者御用達で団体の宴会もよくやっていました。座敷は事実上料理の味よりも酒と雰囲気が命。宴会で金とるってこういうことか…という現実。

あ、そういえばお吸い物は味の素入れていました。

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コース料理は仕事がわかりやすい

コース料理メイン、というかほぼコースしかやっていない店でした。ですのでピーク時でもやることはシンプル。

まあ忙しいは忙しいですがファミレスのピーク時とかよりは全然やりやすかったです。

厨房はよく戦場に例えられます。予約なしで注文を受けて作るタイプの店は最前線の歩兵。予約ありの会席コースだと後ろにいる砲兵みたいなイメージです。

いきなり蹂躙されたりしないので、流れを止めないように計画通りに淡々と進める感じです。

考えたら私はこのコース料理のパターンと給食のパターンが合っていました。時間と計画が読めないとダメなタイプです。

提供スタイルなどは人による向き不向きが確かにあると思います。

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