企業向けデリバリーサービスの需要が急増しています。また企業向けサービスだけでなく、世の中全体で外食業界よりも中食業界(デリバリーや弁当など)が成長しているということもあり興味を持つ方も少なくないでしょう。
そこでこの記事では利用者側ではなくサービス提供責任者側として働くということについて書いていきます。
私は企業向けデリバリー弁当サービスに調理師として3年以上携わっていました。ごく短期で関わった現場(研修やすぐに辞めたところ)なども入れると4社経験しています。
社食デリバリーサービス
社食デリバリーサービスとは、社内オフィスに昼食などを配達するサービスのことです。社員食堂のデリバリー版、弁当版とも言えます。
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都市部では需要が伸びている
都市部では企業向けデリバリーが急成長していると言われています。私自身の経験的にもその通りです。
要因は一つではなく複数あるというところが特に急成長している要因です。
- 健康志向…外食に比べて栄養バランスの考えられたメニュー
- 節約…外食やコンビニに比べると割安
- IT化…都市部ではサービス提供側がIT化を進めている(注文・支払いなどの自動化)
一方郊外などでは、アナログの営業・運営スタイルのところが多く、売上が微減傾向が続いています。こういうところは既存顧客に頼りっぱなしで、献立作成や営業スタイルの改善に力も入れていません。
もしこれからこの仕事に携わるならどうやって応募先を選ぶといいでしょうか。まず需要がある都市部で、IT化を進めていることは絶対条件かと思います。加えて、健康志向需要に応えている、食材へのこだわりなどしっかりした強みを持っていることです。
コロナショックの影響は?
ちょうどこの記事を書いている今、コロナの影響が食生活に大きく出ています。以下の2つを考慮しないといけないので、長期的に見て企業向けデリバリーにどのような影響が出てくるのかちょっと読みづらいところがあります。
- テレワークの推進で出社自体しない会社が増える →売上減
- 外食店の利用を控える →売上増
流行の時期を過ぎると外食に人が戻るでしょう。またテレワークの普及でオフィスで昼食をとること自体が減少することも考えられます。これらはデリバリーにとってマイナス要因です。
ただおそらくコロナショックの経済的な影響は深刻で長期に及ぶと思われます。節約志向が進みオフィスデリバリー食にしようという動きが強くなることも十分ありそうです。また今回のことから健康志向も強まることはあっても弱まることは考えにくいです。
給与・待遇
私の経験的には調理師として働く場合月27~28万スタートくらいのところが多かったです(郊外や都市部近郊)。ただ20万台前半くらいの求人も多く見かけます。責任者にならないと30万を超えることはないでしょう。
手当込みとはいえ30万弱からスタートできるというのは好待遇ともとれます。私の場合は、薄給の学校給食からだったので好待遇に感じました。
考えておいた方がいいのは、IT化を進めている企業の場合、調理も効率化・システム化していることが多いようです。その場合、調理経験よりもマネジメント能力が問われることが多くなるでしょう。責任者は好待遇なのに対し、調理の一プレーヤーだと薄給というのが加速する可能性もありそうです。
働き方としては10時間以上の勤務が常態化していることも多いですが、ほぼカレンダー通りに休めます。
仕事のメリット・デメリット
社食デリバリーの調理のメリット
- 飲食店などと比べて毎日決まったスケジュール・仕事内容
- たいてい残業はあるものの仕事量は安定
- 休みはカレンダーに近い(日祝は休み・土曜に隔週出勤などが多い)
- 調理師なら接客がない
社食デリバリーの調理のデメリット
- 朝早い(早朝5時からなどは遅い方で、深夜スタートのこともある)
- 大量調理なので体力勝負
- 残業があることがデフォルトになっている
- スキルが伸ばしにくい
そのほかの特徴と実態
- 仕事は効率重視という人にはおすすめ
- 既製品を使っていることが多い
どちらかというと工場の生産みたいな考え方で仕事を進めます。なので効率や導線、タイムスケジュールなどが苦ではない人、分析や改善が好きな人には向いています。
一方料理好きの人にはとてもおすすめできません。外食チェーンもそうですが、健康をうたっている割には既製品の使用がとても多いです。そうでないと採算が取れないので仕方ないですが、しっかりと手作りで料理をしたいという人はやめておいた方がいい仕事です。
飲食業の転職は選択肢が多いだけに逆に難しいと感じる人も多いです。そういった人には転職エージェントの活用がおすすめです。
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社食デリバリーの職種と活かせる経験
社食デリバリーは飲食店経験者ならスキル的にまずできない仕事はありません。以下のように何らかの業界経験を持っていれば採用有力になります。
調理経験(調理師・栄養士免許)
飲食店に比べて大量調理・給食の形態なので、調理師(栄養士)免許については必要となっていることが多いです。
評価される経験としては、給食業界や大量調理経験はダイレクトに活きるので即戦力として期待されます。作業スピード、回転釜やスチコンの扱いなどですね。
また最近では業界全体として料理のクオリティが上がっているので、和食やフレンチなど特定の専門がある人も高評価です。パーティー用のケータリングサービスなどを並行している会社も多いので、そういった会社なら料理長的なポジションとして迎えられる可能性もあります。
店長・料理長などマネジメント経験
社食サービスはスタッフが多く、工程管理も厳密なのでマネジメント能力が問われます。そのため店長や料理長などの責任者経験が活きてきます。
以下この業界で募集が多い調理以外の職種もみてみましょう。
営業職
社食デリバリーサービスは個人ではなく企業と契約する形になります。一社で数十食など見込んで受注することも多いので、数字的にもやりがいのある仕事です。
また複数のサービスを展開している企業なら、足がかりを作ってパーティーの大規模受注につなげるなどのパターンも少なくありません。
ドライバー(配達)
正社員では少ないですが、ドライバー職は働きやすいです。毎日決まったルートを配送していくので、慣れてしまえば安定して仕事を続けられます。お客さんと仲良くなることも多いので半分近く接客でもあります。
ドライバーは毎日顔を出すだけに重要なポジションです。ドライバーさんの信頼度が高いことで、大きなクレームにならない、受注や紹介が増えるといったこともあります。
IT・Web
今伸びているのはIT化を進めている会社です。そういったところは受注から支払いまで一括管理できるシステムを作っています。
自前で構築・管理することはないにしても、IT・Webの知識は運用していく上で武器になります。特に調理業界の中の人はこの点ノウハウに乏しい傾向があるので、それをスキルとして高く評価してもらえる可能性があります。飲食店などでWebサービスを使った販促・集客などをしていた経験はアピール可能でしょう。
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