先日実家のピアノを売りました。
私自身ピアノの知識はゼロですし、このブログも料理系が主なので記事にする気はなかったのですが、これから売る方の参考になるのではないかと思う点が多かったので書くことにしました。
この記事で分かること
- 買い取り業者による査定額の差は最高どれくらいか?
- 見積もりの取り方で大事な点は?
- 減額されるのはどんな点か?
- 取引の流れや搬出等当時の様子は?
記事内参考写真も多めです。
「ピアノ売ろう!」いきおいで電話してみた
実家のリビングでほぼ眠っていたピアノ。最近購入したいものがありピアノが邪魔になりそうだ、ということで急遽「売ろうか」という話になりました。
売るピアノはこれ。
アップライトピアノ(グランドピアノじゃないやつ。今回初めて呼び名を知りました汗)です。
KAWAI KL-68C 1985年製(たぶん)
ちなみにうちで買ったものではなく25年ほど前に譲り受けたものです。35年も前のものだし、メンテしてないし価値はないと思っていました。
テレビCMでの印象もあり、ピアノ売る=タケモトピアノ。さっそく電話してみました(CMの思惑どおりw)。
型番や製造番号などを伝えると調べるので少しお待ちくださいとのこと。どうやらすぐに査定額を教えてくれるらしい。
母と二人「売れるどころか処分代がかかりますって言われそう」とか、「最高で3万円だろう」とかいろいろ言いつつ待ちます。
※ここまでネットでの下調べなどなし。というか処分自体決定ではなく、売れるのかどうかまずは知りたかったという。
「お待たせしました。9万円になります。」
な、なんだと~。思ったよりお金になるじゃん。
処分のつもりが家にお宝が眠っていたと母と歓喜。
即決しそうになりましたが、「ちょっと考えます」と伝えたところ「早く決めていただければ10万になります」とのこと。なんか勝手に額が上がった~。
これでさらに即決しそうになりましたが、(待てよ。もう一社くらいは当たってみよう。)と思いとどまりました。
次にネット検索(たしか地元の地域名で検索した)でたまたま引っかかったユニオン ピアノパワーセンターというところに電話しました。
「20万円です。」
ええっ~いきなり倍額出ました。
売れるのかをまずは知りたいという感じで電話したわけですが売ること自体は決定。ここから比較で本気出すことにしました。
買い取り業者の一覧化で比較
まずはネットで買い取り業者を調べて一覧化します。この時点では候補10社くらい。
どうやら電話(またはWeb)で見積もり額を教えてくれるところと現物を見て見積もりを出すところの2種類があることがわかりました。
今回は電話でサクッと比較したかったので前者に絞ります。
タケモトピアノ | 9万円。 | 10万まで増額とのこと。 |
ピアノパワーセンター | 20万円。 | |
ピアノ屋ドットコム | 7万円前後。 | 関西なので運送料高。 |
ピアノワン | 11万円。 |
本当はまだまだ候補がありましたが、相場がわかってきたので中断。
うちは関東住みですが、ピアノ屋ドットコムさんは「うちは関西なので運送料が…」とのお話でした。「関東の業者さんに頼まれたほうがいいと思いますよ」とのことで対応は感じよく親切でした。なるほど運送がたいへんだから地元がいいのか(考えれば当たり前)。
どうやら20万円を超えるところはなさそう。ぶっちぎりですので。全リスト網羅はやめてピアノパワーセンターに決定。
※ちなみにピアノパワーセンターは額が高いだけとかそういうことはなく、むしろ電話も一番感じがよかったくらいです。当日の搬出の方も2人ともとても気持ち良く作業してくれました。
別にピアノパワーセンターのファンでも回し者でもないです。一社だけ抜けているのでなんかありそうって思う人がいそう(というか私自身が取引終了までどうして一社だけ高額なのだ!?と逆に疑問だった)なので補足しておきます。
なお電話見積もり以外では他に以下がありました。
ピアノの買取屋さん | 現物確認のみ。 | |
伸和ピアノ | ~8万円 | サイト掲載の参考額 |
ピアノの買取屋さんは電話で見積もりを教えてくれるところと勘違いして電話してしまったのですが、電話では無理とのこと。
伸和ピアノさんはサイトに型番で参考額を出してくれているので下調べにもよさそうです。
見積もり額の最高差額
先述の表をまとめると
- 最高差額は13万円(7万~20万)でした。
- 2位との差は9万円(1位 20万 2位 11万)。
- 最初に電話したところとの差額は10万円。
ここまで差が出るものとはびっくりです。一件目で即決しなくて本当によかったです。
見積もりを取る上で大事なことは
ここまでで見積もりを取る上でのポイントがわかりました。
- 複数の見積もりを取ること
- 相見積もりであることが相手に伝わること
- 地域優先。近い会社を選ぶ(最低でも東と西)
まずは1つ目、見積もりは複数。今回見積額の最高差額で13万円(7万~20万)という開きが出ました。しかも基準が100万単位での13万円ではなく、単純に約3倍の差。もっとも7万は関西の会社だったので除くとして、他は10万前後。これを相場と考えて1位との差は約2倍です。
うちの場合処分代がかかるかも…という見込みで電話をかけ始めてしまったくらいなので、最安のところで決めてしまった可能性もなくはなかったです。即決しなくてよかったです。
ピアノ業界のことは知りませんがたぶん各社在庫などの都合で常に変動があるとは思うので、どこの買取社が一番高いだの安いだのはその時に見積もりを取ってみないと答えは出せないものだと思います。
2つ目。相見積もりであることが伝わること。最初の電話では「検討します」と言っただけで1万円上がりました。別に買い取り額アップを狙った駆け引きではなかったのですが、他候補があることが伝わるのは悪くないようです。
3つ目。地域優先。今回ピアノパワーセンターは関東、しかもセンターや店舗がうちの近くでした。引き取りのときに聞いた話では「うちは関東では最高なので、うちより高額になることはないです。」とのことでした。調べる際は地域名から検索をかけるなどもありかもしれません。
実際の買取額と減額の理由
さて上記までは見積額の話でしたが、実際の買い取り額はいくらになったのか…
結論から書くと16万5千円でした。見積もりよりは3万5千円減額です。
理由としては以下です。
- 角の部分にカケがある →埋める必要があるので塗り直し(1万円)
- 内部に虫にやられた部分がある →メーカーによる修理が必要(2万5千円)
虫食いの件は材質や状態など丁寧に説明していただきましたが、ピアノに興味なさ過ぎて詳細忘れました。下の写真の部品のうちのどこかでした。原因はざっくり言うと中に入れている防虫剤が20年前のままだったのがだめだったようです。
調律の記録も20年前が最新でした。弾かなくても調律やメンテはしたほうがいいというのはこういうことなんですね。ただ弾く人がいない場合、調律代を定期的に払うよりは2万5千円の減額のほうがはるかに安いというのは事実です。
減額にならなかったこと(外装)
以下これはどうなんだろうと心配していたわりに減額にならなかったことです。
- 調律していない(20年)
- 外装の細かい傷(1cm未満の微細な傷)
- つやが無い部分あり
- ホコリや汚れ
- ペダルの汚れ
母も私もピアノは全く弾きません。知識ゼロなので外装ばかり気にしていました。この傷はどうだとか、ツヤがなくなった箇所が多いだとか、細かいひび割れみたいのがあるだとか。全部関係ありませんでした。
ちなみに調律については、電話見積もりの際に質問された業者もあります。ですので額に影響する業者もあるのかもしれません。もしくは防虫やメンテナンス状態のあたりをつけるために聞いているのかもしれません。
一応参考までに写真を貼っておきます。小さくてごめんなさいですが、白丸で囲っているような表面の小さな傷はセーフ。赤丸の角のカケはアウトでした。
電話見積もりで伝えること
複数社に電話をかけていたので聞かれること一覧がわかりました。電話見積もりを考えている方はあらかじめ情報を用意しておくとスムーズです。
- まず住んでいる地域【県+市区町村まで】
- ピアノの基本情報【メーカー、機種(型番・モデル名)、製造番号】
- その他ピアノの情報【色、ペダルの数、オプションの有無】 オプション:自動演奏など
- ピアノの状態【大きなキズや鍵盤の故障等がないか】
- 搬出について【何階か、段差はあるか、家の前にトラックがつけられるかなど】
アップライトピアノの型番と製造番号はここに書いてあります。※上の蓋を開けて覗きます。
ちなみにWeb見積もりは今回利用しませんでしたが、各社Webフォームでもだいたい同じような項目です。
電話見積もりの場合の流れ
ピアノパワーセンターの例ですが、こんな感じでした。
- 電話で見積もり額を出してもらう
- 申し込み決定したらその旨伝える
- 引き取り日程の連絡待ち、日程調整
- 当日現物確認(正確な額決定)。現金受け取り。搬出。
電話で買い取り申し込み後にいったん下見にくるのかなと思ったのですがありませんでした。
つまり現物確認は引き取り当日ということです。当日の大幅減額などのトラブルが心配でしたが、電話で聞いたところ以下を説明いただき安心できました。
- ピアノの専門知識がある者がいきます。
- 当日減額になった場合それに納得できなければキャンセル可能。その際キャンセル料はかからない。
電話(Web)と出張見積もりどちらがよいか
今回出張見積もりは一件も頼みませんでした。ですので出張型について自信を持っての内容は書けません。ただ搬出当日の見積もりの様子を見ていて出張見積もりでやることの見当はつきました。
ということで電話と出張それぞれのメリット・デメリットです。
電話(Web)見積もりのメリット 〇
- 複数の見積もりがスピーディーに取れるので比較しやすい
うちのように場所を空けるのが目的の場合スピーディーに目安額が知れるのはありがたいです。
電話(Web)見積もりのデメリット ×
- ピアノの状態を正確に伝えられているか心配(特にピアノ知識ゼロの場合)
- 相手の顔が見えない
- 当日の減額の可能性
特に当日の減額の可能性です。今回実際に減額を経験しました。ただうちの場合2位と圧倒的な差があった(減額後でも圧倒的な差)のでいいですが、もともと僅差だと後悔するパターンもあるかもしれません。
出張見積もりのメリット 〇
- 確実な額がわかる(当日の減額はない)
- 当日に搬出困難などのトラブルはない
一番大きいのは前もって現物を見てもらうので確実な額がわかることです。当日大幅な減額になって後悔したりトラブルになるようなことはなさそうです。
また搬出の点です。搬入できている以上搬出できないということはさすがにないはずですが、実は他の家具が通路の邪魔になっていたりとかはありそうです。移動などが必要な場合はやってくれると思いますが、前もってどうやって出すものなのか説明してもらえると安心はできそうです。
出張見積もりのデメリット ×
- 訪問日程の調整が大変そう
- 知らない人に家に入られる
- 相見積もり前提の場合気をつかいそう(断りにくくなりそう)
- 複数社にお願いした場合、毎回ピアノの蓋を開けて分解される
今回出張見積もりを一件も頼まなかったのは上から3番目までが理由です。要はめんどうくさそう。
ただ実際に引き取ってもらう経験をしたことで実は4番目の件も重要そうだと思いました。ピアノ素人すぎて現物確認=外見のチェックくらいに考えていたのですが、実は中のほうが大事。はじめて見たからかもしれませんが蓋を開けて中を取り出してチェックってそれなりに大変そう。
下は査定の時の分解の様子ですが、これを複数社で何回もやってもらうのは自分がやらなくてもめんどうくさそう…(&気をつかいそう)。
電話なら気軽に5社くらいいけますが、出張だと2~3社が限度かなと感じます。
当日いよいよ搬出~無くなると広い
最後におまけとして搬出とその後について。
うちのピアノは一番重いタイプとのことでしたが、2人で運んでいました。265キロあるので4人くらいで来るのかなとおもっていたのでびっくりです。
首のところに輪っかをたすき掛けにしてそれをピアノの下に通していました。まさに全身の力を利用してぴっぱりあげていました。
ちなみに当日の流れとしては最初に査定→契約ではなく、搬出ルートの確保から始まります。
先に査定して額が出て契約になっても、いざ搬出しようとしたらできなかった…というトラブルを避けるためだそうです。
搬出後。
グランドピアノでなくてもなくなるとずいぶん広くなったと感じます。うちの場合引越しと同時に譲り受けていたので無い状態になるのははじめて。
汚い写真で恐縮ですが、どかすとどうなるのか(どのくらい汚れているのか)参考までに。壁についているのも全部ホコリなので掃除機で問題なくきれいになりました。
20年分のホコリ↓
余談ですが、床はへこんですき間ができていました。7ミリくらい…。
家を建てる際に補強をお願いしたけど、もう建てはじめちゃってたので間に合わなかったという…
ピアノを置く際は補強が大事ですね。
すき間は後日ジョイントコークで補修。
まとめ
まとめです。以下今回ピアノを売ってみてわかったことです。
※ピアノ素人の一回こっきりの体験ですのであくまで参考程度にしてください。特に査定についてはピアノのプロの方の情報を探されたほうがいいかもしれません。
見積もりについて
- 買い取りの見積もりは複数社に!
- 相見積もりであることが伝わるとよいかも
- 価格差はかなりでる(10万以上、2~3倍など)可能性がある
- 運送の関係上地元の会社がよい(最低でも関東、関西などは間違えないように)
- 会社によって電話(またはWeb)見積もりと出張見積もりの2種類がある
- 電話見積もりはサクッと額を知れるが、当日減額になる可能性がある
- 出張見積もりは面倒だが、当日減額の可能性はほぼなし
査定について
- 表面の小さな傷は減額にならないが角のカケは減額対象だった
- 内部が大事なので分解してしっかり見られる(素人には見当がつかない)
- 防虫などメンテしていなかったため内部の虫食いなどで減額になった
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