【初心者用】家庭の刺身包丁(柳刃包丁)の刃渡りはどれくらいがいい?

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砥石と刺身(柳刃)包丁。

家庭用に刺身包丁(柳刃包丁)が欲しいという場合、一番迷うのは刃渡り(長さ)かもしれません。特に刺身は初心者という場合。

プロの場合は厨房や専門店で実物を持ってみたり、先輩にアドバイスされたりで最初の一本を決められますが、家庭の場合はそういう機会はほとんどありません。

というわけで特に最初の一本を選ぶ場合は見当がつかないことが多いのではないかと思います。

この記事では初心者が家庭用刺身包丁の長さを決めるためのヒントを書きたいと思います。※あくまで個人の主観ですが。

柳刃包丁とは?

刺身包丁を探していると「柳刃包丁」という言葉をよく見かけると思います。

柳刃包丁とは刺身包丁の一種です。刺身包丁には「蛸引き」というものもあり、こちらは先端が尖っていません。ただ現在は刺身包丁と言えばほとんどが柳刃包丁です。というわけでこの記事では刺身包丁=柳刃包丁として書いてしまいます。

※ふぐ用としてふぐ引き包丁というのもあります。

目次

基準は24㎝で21㎝も有力

包丁の刃渡り(刃の部分の長さです。柄つまり持つ部分は含みません。)というのは基本的に3㎝刻みです。なおプロは「寸」で呼ぶことが多いです。※一寸は約3㎝。

以下すべて個人的な意見であることを前置きします。

とりあえず家庭用の刺身包丁なら基準は24㎝(8寸)かなと思います。

そして以下の条件に当てはまれば3㎝をプラマイ(つまり27㎝または21㎝)するという感じです。どちらかと言えば短くするつまり21㎝のほうが有力候補です。

短めがいいケース…21㎝(7寸)

小柄な女性の方や子どもの場合21㎝はよいと思います。

包丁以外でも適切な道具の大きさというのはその人の身体の大きさや力と比較して相対的に決まるものでもあります。

特に刺身包丁は腕全体を使って引き切るものです。

身長、腕の長さ、手指の大きさなどすべてが関係します。

あとは完成度へのこだわりはそこまで高くなく、刺身がぐちゃぐちゃになってしまうのを防ぎたいだけという場合です。別の言い方をすれば、料理を完全に家事として割り切って捉えている、あるいはプロ級の断面など求めていないがとりあえず刺身らしくしたい、という場合です。価格的にも24㎝よりも21㎝のほうが安くなるという点も大きいです。

またキッチンの奥行きとシンクの大きさ、収納場所などスペースが気になる場合です。キッチンが狭くても21㎝ならそこまで取り回しが悪くなることはないと思います。

さらに言えば刺身包丁の長さに適応する時間をかけたくない人です。普段家庭用の万能包丁を使っている人がいきなり24㎝を使うとかなり長く感じるはずです。当然重さや長さに慣れるためには時間や練習回数が必要になります。その点21㎝ならさほど抵抗なく使えるようになるかと思います。

上記を総合的に考えるとギフトなら21㎝のほうがいいかもしれません(相手のことをよほど詳細に知らない限り)。

長すぎて使われないよりは短い方がよいからです。

またすでにメインの刺身包丁を持っていても、別で短いものがあると重宝するというのはあります。

長めがいいケース…27㎝(9寸)

料理や刺身に思い入れがありこだわって造れるようになりたい。釣りが趣味で頻繁に自分で魚をさばいている。手指が大きく全体に大柄である。キッチン特に奥行きが広い。これらに複数当てはまるなら27㎝(9寸)でもいいと思います。

さらにプロを目指す、プロ級になりたいという場合です。この場合は最初から30cm(尺)もありかと思います。ただその場合でもいったん短めを入手し、慣れたら長くしていく方が近道かもしれないとは思います。

ここまで24㎝を基準にプラマイ3㎝のケースを書いてみました。

逆に言えば上記までで当てはまるものがあまりなければ24㎝でいいと思います。

なおどんな魚を造ることが多いか、というのはもちろん関係してきます。家庭用として刺身包丁を欲しい人となると、おそらくマグロや鯛などのサクが多いのではないかと想定してここまで書きました。24㎝をひとつの基準にしたのはそのためです。もしアジなどを扱うケースが多いなら21㎝など短めがおすすめです。

一応ここまでを簡単に図にまとめるとこうなります。

27cm、24cm、21㎝の刺身包丁の比較表。

気持ち的には「家庭用のおすすめの長さは23㎝です」と言いたいところです(3㎝刻みだから無理ですが)。最初の結論として24㎝としましたが、初心者用なら半分近くの人にとって21㎝のほうが総合的によいようにも思えるからです。この「総合的」という意味には”長いために使わなくなってしまうリスク”も含めています。このリスクについて大丈夫そうな人ならやはり24㎝のほうが有力かなと思います。慣れたら21㎝だと短いと感じるでしょうし、最低でも24㎝くらいはあったほうが「すっと」引き切る感覚をつかみやすいと思うからです。

プロの場合

こちらも私個人の経験(割烹と鮮魚)からですが、プロの場合尺(30㎝)が基本でプラマイ3㎝という感じです。

業務用の場合初心者でも27㎝(9寸)スタートで、30㎝(尺)が基本、33㎝(尺一)がたまにいる感じでした。36㎝(尺二)を使っている人は一人だけいました。

ただし環境的に長めが使いにくいから短めにするというケースはけっこうあります。和食系のお店でも奥行きがないカウンターなどでは短めを使う場合があります。

家庭用なら短めがいい理由

上で書いたようにプロは30㎝前後を使いますが、家庭用としては24㎝や21㎝をおすすめする理由についてもう少し補足しておこうと思います。

刺身包丁は刺身を引くための包丁です。刺身はギコギコと前後に動かさずに一気に引いて造るために長い刃渡りを持っています。

刺身を押しつぶしたりせずにきれいに造るという点だけを考えれば、ある意味長ければ長いほどいいとも言えます。

ただし長いほど使いこなすのに時間がかかりますし、片付けや収納などの取り回しも悪くなるのでそことの兼ね合いになります。

キッチンのスペースも重要です。日本の家庭の場合、奥行きや周囲が狭いところにまな板を置いているケースは少なくありません。また家庭ではシンクの大きさも考えた方がよいかもしれません。これは包丁を洗う際に関係してきます。刺身包丁の場合、刃こぼれはぶつけて起こる可能性が高いです。

他にも

  • 収納に入るか(包丁差し)…別途しまい込むと面倒で使わなくなる
  • 包丁への慣れ…料理の経験値や普段使っている包丁との比較
  • 扱う魚の種類…小さな魚を扱うことが多いならむしろ短い方が便利
  • 研ぎの手間…長いほど研ぐのが大変。ただ刃渡りが長い方が切れ味が落ちてもそれを補えるという考え方もできる。
  • 価格…刃渡りが長いほど価格が高くなる

などを考えます。

家庭に当てはめてこれらを考えると大抵の場合短めを選ぶほうがいいと思います。

で24㎝を基準に21㎝も有力、という結論です。

刺身以外の用途

最後に刺身包丁の用途について補足です。柳刃包丁は刺身や皮引き以外にも使えます。

割烹にいたときは、ごぼうのささがき、肉の筋引きなどに使っていました。

刺身包丁を買う人のほとんどは刺身を造ることを目的にしていると思いますが、一応刺身以外にも用途はあるということです。ただもしそういった使い方をしたいと思った場合でもやはり家庭用としては短いほうが諸々の用途に使いやすいとは思います。どんな技術でも最初は短い方が慣れやすいからです。

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