万能包丁を買うか牛刀を買うかで迷っている場合はどうすればいいでしょうか。
この記事では以下の視点からどちらを選ぶとよいのかまとめました。
- 料理(包丁技術)のレベル
- 普段の使い方(それぞれの包丁の形状・特徴との相性を考える)
どちらが自分に合っているか見極めるヒントにしてください。※記事の内容は私個人の意見なので異論はあると思います。
料理のレベルからどちらがいいか考える
結論としては包丁に慣れている上級者ならば牛刀の方がなんでもできて便利です。慣れていない初心者ならば万能包丁の方が扱いやすいことが多いです。
現在万能包丁を使っている中級者だと答えが難しいですが、上級者を目指すなら牛刀がいいでしょう。現状維持で十分なら万能包丁のままでOKという感じでしょうか。
機能的には牛刀>万能包丁です。本当に「万能」に近いのはむしろ牛刀の方です。包丁慣れしている場合、万能包丁でやりやすいことで牛刀のほうがやりにくいことはありません。その逆、つまり万能包丁だとやりにくいことはけっこうあると言えます。なので当然、牛刀の方に慣れているという場合わざわざ万能包丁に手を出す必要はないです。
具体的な形状と自分の使い方を考える
では実際に形状の違いを把握して自分の使い方に合っているかを検討してみましょう。
牛刀と万能包丁どこが違うのでしょうか。違いは主に以下2点です。
- 牛刀の方がサイズが長め、重い
- 牛刀の方が切っ先(刃の先端)が尖っている
先端を使うか
牛刀は先端が尖っているのでその部分を効果的に使えます。
玉ねぎの芯をくりぬくといった先端が尖っていないとやりにくい作業というのは結構多いものです(こういった作業はペティナイフでやる人が多いですが、牛刀でもこういった使い方はあります)。
また例えば人参の千切りをするとき、まず輪切りにしてからそれを並べて千切りにすることがあります。この最初に輪切りにする時なども、先端を使うと切った端から自然にきれいに並んでくれるので(真ん中で切ったときのように刃にくっついてばらばらにならない)作業は速いです。
他にも、先端が尖っているということは刃先は薄刃(刃の厚さが薄い)ということですし、切っ先だけを使った繊細な作業がしやすいです。
また食材を切るということから外れますが、厨房では包丁で食材の袋などを開けることが多い(スピード重視、大量処理のため)ので、その時に先端が尖っている方が垂直に突き刺して開けていけるのでやりやすいです。
このように先端を使うことが多ければ牛刀がいいということになりです。これからさまざまな使い方を覚えていきたいという人も牛刀がいいでしょう。逆に上記で挙げたような使い方をすることがないなら万能包丁で十分ということになります。
刃にカーブがあった方がよいか、それともまっすぐに近い方がよいか
刃のカーブというのは初心者にとってはけっこう使いにくい要素の一つです。
どこまでまな板に接していてどこからまな板より浮いているのがわからないといったことがあるからです。せん切りなどで切れていると思ったら全部つながっていた、みたいなやつですね。そのため初心者の場合は、万能包丁が使いやすいでしょう。万能包丁の方がややカーブが緩めだからです。
ある程度包丁経験がある場合は、普段野菜のせん切りなどをするときにどんな切り方をしているか(右手の動き)を考えましょう。押し切りなら刃がまっすぐに近い方が使いやすいので万能包丁がいいでしょう。押し切り……手前に引くように持ち上げて、下げるときに前に押し出して切る。和食でメインになる切り方。
引き切りなら刃はカーブがあった方が使いやすいので牛刀がいいでしょう。また特にカーブを使ってテコのように刃先をまな板に置いたまま刃元をおろしていく使い方をする場合は牛刀の方がラクです(みじん切りで刃先の方をまな板に置いたまま刃元をおろしていく作業なども)。
このようによく使う切り方を中心に自分に合った方を選びます。
魚をおろすことがある場合はどちらでもいいでしょう。三徳包丁(=万能包丁)は魚もおろせるということも含めて命名されましたが、牛刀でももちろんおろせます。ただ長めの牛刀だと小さい魚はおろしにくいと感じるでしょう。個人的にはペティナイフがあると小さめの魚もおろしやすいですし、他の細かい作業にも使えるのでおすすめです。
いったんまとめ
牛刀の方がおすすめなのはこんな人
- 先端を使うことが多い。(くりぬき、細かい作業、輪切りなどで包丁に張り付けたくない時、袋開け、等)
- カーブを使うことが多い。(引き切り、先端を支点としたテコのような使い方、魚をさばく、等)
- 大きなもの、硬いものを割ることが多い。
万能包丁がおすすめの人
- 先端は使わない。
- 刃がカーブしてなくて直線的な方に慣れている。(せん切りなど刻み方は押し切り)
- 大きなものや硬いものはあまり切らないし、繊細な作業もしない。
使い分けもいいが、メインは一本だけ
万能包丁を持っていて2本目として牛刀を買うということもあるかもしれません。その場合はせっかくだから牛刀は長めを買おうというふうになります。
またこの作業はこの包丁でするという使い分けをすることもできます。例えば、先端を使うような作業はペティナイフ、三枚おろしには出刃、その他はすべて牛刀などです。
ただこういった場合注意点があります。それは最初は使い分けするものの、結局めんどうになってメインで活躍するのは1本(多くても2本)になってしまいやすいということです。
できるだけ少ない本数でたくさんの機能をこなすという視点で購入を考えた方がよいと思います。一本を使い込む方が手になじんで快適ですし、上達も早くなります。
コメント